クルマの窓が汚い!ウォッシャー液を「水道水」で代用したらダメなのか? デメリットも解説

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クルマのメンテナンスで手軽に行うことができる「ウォッシャー液の補充」は、みなさんも体験したことがあると思います。その時に「これは専用のものでなく水道水でもいいのでは?」と疑問に思ったこともあるのでは? では、水道水を使った場合の問題点などはあるのでしょうか?

ウォッシャー液なんて水を入れておけばOK??

ウォッシャー液がなくなると視界不良を招くため警告灯が点灯したら補充しよう。ウォッシャー液が出ないと車検に通らない。

冬が終わり春が近づくと、花粉や砂埃、鳥や糞、虫の死骸などフロントガラスが汚れがちな季節になってきます。そんな時は、ワイパー&ウォッシャーでガラスの汚れを落とし気持ち良くドライブしたいものです。

ウォッシャー液は減ってきたら補充しないといけませんが、「汚れを落とすだけなら水道水で十分では?」と思う人も少なくないと思います。私もそのうちの一人でした。水道水派の人達は、フロントガラスにウォッシャー液の拭き跡が残るのも嫌だ、水道水なら節約になる、買いに行くのが面倒だ。など理由は様々だと思います。

実際のところ、ウォッシャー液は水道水で代用しても問題ないのでしょうか?専用のものを使わなかった場合のデメリットはあるのでしょうか?

そもそも、ウォッシャー液の成分は何が入っているのか?

ウインドウウォッシャー液には「界面活性剤」や「メタノール」「防錆剤」などが配合されています。界面活性剤は洗剤などに含まれる成分で、油汚れなど水だけでは落ちない汚れに有効な成分です。メタノールは有機溶媒などとして用いられるアルコールの一種で、凍結防止や解氷作用、ガラス面の乾燥を早めるために配合されています。これらの成分の配合の違いにより、寒冷地対応や撥水、油膜取りなど、商品ごとに特性の違った商品が販売されています。ウォッシャー液は有毒のため、多くは青色に着色されています。

水道水の場合、汚れが落ちない以外のデメリットは?

汚れを落とすだけでなく撥水性の強化など様々な商品がある。一般的に数百円程度で販売しているのでウォッシャー液を入れることをオススメする。

ウォッシャー液でなく水道水を使った場合は、上記の成分が含まれていないので、デメリットとして単純に「汚れが落ちない」ということを挙げることができます。鳥の糞や虫の死骸、油膜を含んだ汚れなど、水道水ではガメス面にワイパーで塗り広げてしまうだけで余計に汚れがひどくなってしまう場合もあります。

汚れが落ちないだけではなく、クルマの故障につながるデメリットも存在します。
水道水にはウォッシャー液のような長期防腐効果がないので、水がタンクやホースの中で腐ってカビや藻が発生し、ウォッシャー噴射ノズルを詰まらせるなどのトラブルにもつながります。
また、水道水に含まれる塩素などでウォッシャー噴射ノズルやタンク内、ホースなどが腐食してダメージを与える可能性があります。特にミネラルウォーターは殺菌成分が入っていないので、さらに腐りやすくなるため入れない方がいいでしょう。

また、冬場の話になりますが、寒冷地では水道水は凍りやすいので、噴射ノズルや細いホースの破損を引き起こすだけでなく、噴射した水をワイパーがフロントガラスに伸ばし広げた瞬間から凍ってしまい視界不良になる。という危険な状況も考えられます。ウォッシャー液であれば凍結防止成分が配合されているので凍りにくくなります。

それらのことから、ドライブ先でどうしてもウォッシャー液を補充しなければいけない場合を除き、水道水は入れない方がいいでしょう。もし入れた場合は早めに使い切ることで対応できます。ウォッシャー液は一般的に数百円程度と安価で販売されていますので、よほどの理由がないかぎりウォッシャー液を正しく入れることをオススメします。

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