スズキと浜松医科大学が日常のドライブと認知機能の関係性における実証事業を浜松市と開始

スズキと国立浜松医科大学はこのほど、浜松市(静岡県)と協働し、「高齢ドライバーにおける日常の運転行動特性と認知機能の関係性:前向きコホート研究」を開始すると発表した。

スズキと浜松医科大学が日常のドライブと認知機能の関係性における実証事業を浜松市と開始

浜松市は、市民の疾病・介護予防や健康増進につながる社会実証事業を実施する官民連携組織として「浜松ウエルネス・ラボ」を2020年4月に設置。このたびの実証事業は「浜松ウエルネス・ラボ」の取り組みの一環として実施するものだ。

クルマの運転は、多くの方にとって必要不可欠な日常的行動。適切に運転するためには、注意力や記憶力など様々な認知機能が必要になるが、加齢に伴い、こうした機能が低下することは一般的に広く知られている。また、ドライビングシミュレータなどを用いた研究では、運転行動と認知機能の低下の関連も示唆されている。しかしながら、認知機能の低下が日常の運転行動にどのような影響を与えるかは、あまりわかっていない。

今回の実証事業では、運転データと認知機能検査の関係を分析することにより、日常の運転行動のどのような側面が、認知機能の低下と関係するかを明らかにする。この研究の成果は、将来的に運転行動の変化から認知機能の低下を早期に発見する技術の開発につながる可能性がある。

この実証事業に向けてスズキは、日常的に自家用車を運転する60歳以上75歳以下の心身健康な浜松市民等200名の参加者を募集する。募集期間は2021年10月から2024年6月までで、応募者が200名に達し次第、締め切りとなる。申し込みはスズキ株式会社 次世代モビリティサービス本部(電話053-440-2762/Eメール:contact-healthcare@hhq.suzuki.co.jp)まで。

参加に同意した方は、事前に認知機能検査MMSE、および脳の健康度チェック「のうKNOW」(※)と、クルマの運転に関するアンケートに記入。その後、配布される運転データ取得用の専用デバイス(スマートドライブ社の「SD4-LTE」)を自家用車のアクセサリーソケットに取り付けて、普段通り運転。3カ月後にアンケートを実施し、実証は終了となる。
※エーザイ社が開発した「記憶する」「考える」「判断する」などの脳のパフォーマンスをチェックするツール。疾病の予防や診断を目的としたものではなく、健康意識を高めるために行なってもらうことを目的としたもの。

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