色褪せない高性能スポーツクーペ・パーケージ「レクサスRC/RC F」【最新スポーツカー 車種別解説 LEXUS RC/RC F】

クーペらしくダイナミックで、流麗なルーフラインが印象的な「レクサス RS/RS F」。インテリアはインパネのアナログ時計や異素材を組み合わせた上質な空間を作りながらも、直線的なデザインでスパルタンな趣を感じられる。ラインナップにはRCに2lターボ、2.5lターボ+モーター、3.5lV6の3種類、RC Fは5lV8エンジンが用意される。
REPORT:岡島裕二(本文)/塚田勝弘(写真解説) PHOTO:平野 陽

走りの魅力はそのままに質感向上と先進装備の進化

需要が低迷している小型クーペ市場の中で、クールなスタイリングにより根強い人気を得ているのがレクサスRC。メカニズムではセダンのISと共通する部分が多いが、シャープなフロントマスクやワイド感が強調されたリヤフェンダーにより、クーペ独特の強い存在感を放っている。

エクステリア

クーペらしくダイナミックで、流麗なルーフラインが印象的。写真のスポーティ仕様「F SPORT」は、専用のスピンドルグリルやブラックステンレスのウインドウモール、フルLEDヘッドランプを備える。
3.5l V6を積む「RC350」は、318ps/380Nmというスペックで、1.7tのボディを軽々と加速させる。5.0l V8を搭載する「RC F」を選択すれば、481ps/535Nmによる圧倒的な加速フィールが手に入る。

インテリアも直線基調のデザインを採用して、スパルタンな雰囲気に仕上げている。操作系で安っぽさを感じさせていた足踏み式のパーキングブレーキも、一昨年秋の改良でついに電動式になり質感を向上。ACCなどの先進装備面も進化した。RCには3タイプのパワートレインがあり、2.0l直4ターボを搭載するRC300は低回転域からの力強いトルクと、フロントの軽さがもたらす軽快なハンドリングがもち味。

2.5l ハイブリッドのRC300hの加速はマイルドだが燃費の良さと静粛性の高さが魅力。3.5l V6を搭載するRC350は、普段は上質な走りに徹しているが、ひとたびアクセルを踏み込めばレスポンスの良い加速と、滑らかに吹け上がる回転フィールを堪能できる。

インテリア

ハードスイッチが数多く並ぶコンソールの設計などは、少し古さを抱かせる。タッチパッド式「リモートタッチ」もやや慣れが必要だ。一方で、高級感漂う中央のアナログ時計や、表皮や金属など異なる素材を複雑に配置したことで、レクサスらしい質感の高さは十分に持ち合わせている。
前席は快適性とホールド性のバランスがいい。8 ウェイ電動機構が備わり、運転席にはランバーサポートも備わる。
後席は、身長171cmの筆者で天井に頭はつかず前席下には足元も入るが、非常用に留まる。
 8速ATの「8-Speed SPDS」は、マニュアルモード時に最短0.2秒というクイックな変速が可能。
ペダルとフットレストは、「F SPORT」専用のアルミ製で、スポーティな見た目が印象的だ。アクセルはオルガン式になる。

RC Fの走りは別格だ。最近は珍しくなった大排気量のV8は、どこからでも鋭い加速を引き出すことができる。官能的なサウンドを響かせながら、豪快に加速するフィーリングと俊敏なハンドリングはRC Fでしか体感できない特別なものだ。もうすぐ発売から8年を迎えるが、その魅力は色褪せていない。

Country          Japan
Debu            2014年10月(RC F 一部改良:21年9月)
車両本体価格         576万9000円〜1449万円

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.143「2022-2023 スポーツカーのすべて」の再構成です。

http://motorfan-newmodel.com/integration/143/

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