圧巻のパフォーマンス、スリルに満ちた走り!「ミニ ジョン クーパー ワークス」【最新スポーツカー 車種別解説 MINI JOHN COOPER WORKS】

四つのラインナップそれぞれに個性が際立つ「ミニ ジョン クーパー ワークス」。硬めの足回りと豪快な排気音や加速はミニならではだ。今後ミニはEV専用ブランドになることが公表されているため、そのエンジン音を堪能するためには、購入を早めに検討するべきだろう。
REPORT:岡島裕二(本文)/塚田勝弘(写真解説) PHOTO:中野幸次

多彩なボディタイプを展開 ミニらしさに浸れる3ドア

高性能版ミニとして定着してきたJCW。現在は3ドア、コンバーチブル、クラブマン、クロスオーバーと四つのボディタイプを用意している。この中だと3ドアが最も速そうに感じるが、実はそうではない。全車が2.0ℓターボを搭載しているのだが、3ドアとコンバーチブルが231㎰/320Nmなのに対し、クラブマンとクロスオーバーは306㎰/450Nmと大幅に勝っており、駆動方式も4WDとなっている。そのため0-100㎞/h加速も3ドアはクラブマンよりも1秒以上遅い。

エクステリア

オプションの赤いストライプや「チリ・レッド」のサイドスカットルなど、赤の加飾が際立つ。ステンレス・スチール製のマフラーを両サイドに配置。クラブマンのテールゲートは、観音開き式を採用する。
赤いキャリパーがのぞく印象的なアルミホイールは、オプションの19インチ「サーキット・スポーク2トーン」。試乗車のタイヤは、コンチネンタルの「プレミアムコンタクト6」を履く。

だが、走らせてみて最もミニらしいゴーカートフィーリングを味わえるのは3ドアだ。231㎰でも十分に力強く走ってくれるし、SPORTモード時は派手な排気音を響かせながら豪快に加速する。シフトアップやダウンの切れ味も良く、変速時のサウンドも心を掻き立てる。コーナーでは少しアクセルを戻すことでノーズがインを向き、少し待てばリヤが巻き込んでくるので、タイトなコーナーでも俊敏に曲がることができる。このあたりの回頭性の良さは、3ドアでしか味わえない魅力だ。

インテリア

丸型センターディスプレイやトグルスイッチといったMINI共通の設計ではあるが、ブラックを基調にレッドステッチなどの加飾を配することで、レーシーなムードを演出。ナッパレザーのステアリングには、JCWエンブレムが配される。最新モデルは、マルチデジタルメーターになる。
前席はホールド性の高いスポーツシートで、MINIらしくペダルを踏み下ろすようなアップライトな運転姿勢になる。
クラブマンは後席足元が広く、大人4人が無理なく座れる居住性の高さが美点だ。
8速ATは、スムーズかつダイレクト感のある変速フィールが美点。マニュアル操作は前に倒してダウン、手前に引いてシフトアップ。
アクセルはMINIお馴染みのオルガン式で、下肢の疲れを誘いにくく、踏み間違いしにくい利点もある。

電子制御式の足まわりは最もソフトなはずのグリーンモードで走っていても、それなりに硬い。路面の悪いところでは跳ねるような動きも目立つが、JCWならそれぐらいは目をつぶっておこう。ミニはEV専用のブランドになることが公表されているから、エンジン車のJCWを買いたいなら購入計画を急ぎたい。

Country          Germany
Debut           2014年3月(3ドア、5ドア、コンバーチブルマイナーチェンジ:21年5月)
車両本体価格         490万円~616万円

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.143「2022-2023 スポーツカーのすべて」の再構成です。

http://motorfan-newmodel.com/integration/143/

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