パナソニック コネクト、顔認証クラウドサービス「KPASクラウド」のエンジンの新バージョンを提供開始。100万人を照合可能のほかWindowsにも対応。

パナソニック コネクトが、世界最高水準※1 の顔認証技術を様々なユースケース、多様なデバイスで利用できる顔認証クラウドサービス「KPASクラウド」(以下、KPASクラウド)の顔認証エンジンの新バージョンを2023年3月28日より提供開始することを発表した。

サービス概要と導入背景

パナソニック コネクトが提供する顔認証クラウドサービス「KPASクラウド」の新バージョンでは、本人認証エラーが従来比で約60%低減され、一度に照合可能な人数を従来の最大15万人から最大100万人まで拡大するなど、さらに使いやすくなっている。また、KPASクラウドをより多くのパートナー企業に利用してもらえるよう、「Windows版照合アプリケーション」および本人の顔特徴データと顔画像を照合・登録するためのソフトウェア開発キット「顔登録SDK・顔照合SDK」の提供が開始される。またKPASチェッカーのKPASクラウド対応も開始しサービスラインアップも拡充される。

顔認証の市場規模は、2030年には1,269億円※2に拡大すると予測されており、従来からの強固なセキュリティが求められる現場での利用に加え、人手不足や業務効率化などの分野でも導入のニーズが高まっている。例えば、建設・物流業界では「働き方改革関連法」の適用にともなうドライバーや作業員の労働時間管理、観光業界ではホテルのチェックインや客室への活用、エンターテインメント業界ではスポーツやイベントにおけるチケット確認など、「利便性の高いサービスを提供したい」「不正利用の抑止を図りたい」「対応を省人化させたい」などの理由から、様々な業界で顔認証を活用したサービスの導入が加速することが見込まれている。

パナソニック コネクトは、2019年11月よりディープラーニングを応用した世界最高水準の顔認証技術をスマートフォンやタブレット、PCなど多様なデバイスで利用できる顔認証クラウドサービスとしてKPASクラウドを提供しており、入退・勤怠管理やチケッティング連携などあらゆるユースケースで利用されてきている。また、顔認証を活用したサービスを提供したいパートナー企業の商品にKPASクラウドを組み込むことで新たな価値創造をサポートする「顔認証クラウドサービス パートナープログラム」を2020年12月より開始し、現在は加入企業が120社※3を超えている。

今回、より高精度な顔認証技術をKPASクラウドで利用いただくために、顔認証エンジンのバージョンアップをおこなうとともに、急速に変化する市場のニーズに応えなくてはならないパートナー企業・顧客のサービスやアプリケーションへ組み込みやすくするため、以下のようなサービスのラインアップの拡充を行っている。

顔認証エンジン 新バージョン内容

  • 一度に照合可能な人数を従来の最大15万人から最大100万人まで拡大
  • 本人認証エラーを従来比約60%低減
  • マスクや顔の傾き、照度などの外乱に対するロバスト性も向上※4

サービスラインアップ 拡充内容

  1. Windows版照合アプリケーションの提供
    これまで提供してきたiOS、Androidタブレット、スマートフォン版照合アプリケーションに加え、Windows版の照合アプリケーションが2023年3月31日より提供される。Windows端末を顔認証端末として利用することができるようになり、顔認証を利用できる端末の選択の幅が広がる。
  2. 顔登録SDK、顔照合SDKの提供
    自分たちのアプリケーションに顔認証の機能を組み込みたい顧客に向けて、顔の検知と撮影、KPASクラウドへの顔画像登録や顔照合をおこなう機能を、SDKとして2023年3月31日より提供する。本SDKはJavaScriptとして提供され、ユーザーは端末やOSに依存せずwebアプリとして利用が可能です。KPASクラウドBasicと組み合わせて利用することができる。
  3. KPASチェッカー端末のKPASクラウド利用開始
    長期間の安定稼働や高いセキュリティ性能の顔認証システムを導入したいユーザーに向けて、顔認証入退セキュリティシステム「KPAS」で実績のあるKPASチェッカー(顔照合端末)が、2023年4月よりKPASクラウドでも利用可能となる。顔照合端末として専用設計されたハードウェアのため、汎用的なタブレットやスマートフォンよりも長期間の安定した稼働を実現する。KPASチェッカーにはセンサーによる写真などのなりすまし検知機能を搭載しており、高いセキュリティ性能で顔認証を利用することができる※5

※1 2022年11月6日に公開されたNIST(米国国立標準技術研究所)の「FRVT 1:1」評価レポートにおいて、Mugshot(人種・経年変化を含む正面顔データ、他人受入率:10万分の1)で世界1位を獲得した。同時にBorder(顔向き・照明変動を含むデータ、他人受入率:10万分の1)で世界4位、KIOSK(下向き・見切れデータ、他人受入率:10万分の1)でも世界5位にランクインするなど世界最高水準の評価結果を得ている。
※2 パナソニック調べ
※3 2023年3月時点
※4 パナソニックの社内評価において
※5 2022年11月29日、パナソニックのなりすまし検知技術は、米国の独立系評価機関iBetaが実施するなりすまし検知試験に合格し、ISO規格に準拠した。なお、iBetaはNIST(米国標準技術研究所)から認定を受けている機関となる。

キーワードで検索する

著者プロフィール

MotorFan編集部 近影

MotorFan編集部