モデル末期のホンダ・オデッセイは“買い”か“待ち”か?…熟成進み「走りのミニバン」復活。次期型の日本導入は不透明、今すぐ“買い”だ!

ホンダ・オデッセイe:HEVアブソルートEX
ホンダ・オデッセイe:HEVアブソルートEX
近々の販売終了またはフルモデルチェンジが確実視されている、モデル末期の車種をピックアップ。その車種がいま“買い”か“待ち”かを検証する。今回採り上げるのは、ホンダのミドルラージミニバン「オデッセイ」の最上級グレード「e:HEVアブソルートEX」FF車(オプションの本革シート、10インチナビなどを装着)。ホンダ本社のある東京・青山から御殿場、箱根のワインディングを周回する300km強のルートで試乗した。
REPORT●遠藤正賢(ENDO Masakatsu) PHOTO●遠藤正賢、本田技研工業
ホンダ・オデッセイe:HEVアブソルートEX
ホンダ・オデッセイe:HEVアブソルートEX

そして肝心の走りだが、前期型で感じられたガサツさはどこへやら。都心部では市街地から高速道路まで、凹凸の大小を問わずキレイにいなし、突き上げや振動を乗員にほとんど感じさせない。またその際、車体は上下方向にこそ若干揺れるものの左右方向にはほとんど動かず、意図しない視線移動が最小限で済むため、乗り心地は絶品だ。

テスト車両は225/50R18 95Vのヨコハマ・アドバンdB V-551Vを装着
テスト車両は225/50R18 95Vのヨコハマ・アドバンdB V-551Vを装着

旋回しても、操舵レスポンスは良好ながらロールはじんわりと穏やかに発生し、絶対的な量も少ない。しかも1695mmの全高に超低床フロアを組み合わせたプラットフォームにも関わらず腰高感はなく、絶大な安心感とともに意のままのハンドリングを楽しめる。

今回のマイナーチェンジでは、従来は215/60R16 95H、215/55R17 94V、225/45R18 91W、3種類のタイヤサイズが用意されていたのに対し、標準グレードに215/60R17 96H、「EX」グレードに225/50R18 95Vが標準装着され、ともにタイヤ外径が1サイズ拡大。さらにスプリングが変更され、電動パワーステアリングのアシスト量も全体的に増やされている。その中でもタイヤ外径の拡大が走りの質感向上に大きく寄与していることは想像に難くない。

ただし、フロントドアガラスとスライドドアガラスを遮音タイプに変更し、テールゲートガラスの板厚をアップ、タイヤのドラミングノイズを低減する「ノイズリデューシングホイール」を全車に標準装備するなど、少なからず静粛性向上が図られたにもかかわらず、荒れた路面でのロードノイズは大きい。オデッセイの車格を考慮すると、もう一歩踏み込んだ対策を講じるべきだっただろう。


LFA型2.0L直4エンジンと2モーター式「スポーツハイブリッドi-MMD」を搭載
LFA型2.0L直4エンジンと2モーター式「スポーツハイブリッドi-MMD」を搭載

LFA型2.0L直4エンジンと2モーター式「スポーツハイブリッドi-MMD」がもたらすパワー・トルクは、1930kgという重量級ボディに対しても必要充分レベル。それでいて、高速道路を中心に約150km走行後の燃費は15.1km/Lと申し分ない水準だった。

箱根のワインディングに持ち込むと、これらの美点はいささかの曇りも見せないどころか、より一層際立ってくる。シフトレバーをSレンジに入れると、アクセル操作に即座に呼応するホンダ車らしい俊敏なレスポンスとなり、上り坂やコーナーの立ち上がりでも意のままに速度と姿勢をコントロールできるようになった。


フロントサスペンションはストラット式。ZFザックス社製の振幅感応式ダンパーを装着する
フロントサスペンションはストラット式。ZFザックス社製の振幅感応式ダンパーを装着する
FF車のリヤサスペンションはトーションビーム式。4WD車はド・ディオン式
FF車のリヤサスペンションはトーションビーム式。4WD車はド・ディオン式

また、タイトコーナーが連続する区間でも、コーナー進入でこそ2t弱の重さに配慮ししっかり減速してゆっくりターンインする必要があるものの、そこから先はまさにオンザレール感覚。ロールは穏やかかつ少なめで、旋回中に大きなギャップに遭遇しても何事もなかったかのようにクリアしてくれる。

速度域の高い下りセクションに差し掛かっても、減速時・加速時を問わず直進安定性は抜群。旋回時に深くロールしても不安感は全くなく、さらにその途中でギャップを乗り越えても一発で車体の動きを抑え、挙動が破綻する予兆すら見せないため、絶大な自信と安心感をもってワインディングを楽しむことができた。

現行五代目になって、サスペンション形式がそれまでの四輪ダブルウィッシュボーンから、フロント・ストラット、リヤ・トーションビーム(4WD車はド・ディオン)となったことは、デビュー当初より賛否両論だったと記憶している。だが、クルマの走りはサスペンション形式だけでは決まらない。それを再認識させてくれる熟成ぶりだった。

ホンダ・オデッセイe:HEVアブソルートEX
ホンダ・オデッセイe:HEVアブソルートEX

「走りのミニバン」オデッセイは、モデル末期にしてようやく復活した。だが、この五代目最終型オデッセイは、わずか1年ほどで生産終了となる。それは本当にもったいなく、残念で仕方がない。

しかも次期型の存在は不透明で、仮に中国でフルモデルチェンジされ日本へ輸入されたとしても、日本にマッチした走りやデザイン、ボディサイズを備えたものになる可能性は低いだろう。

従って、「モデル末期のホンダ・オデッセイは“買い”か“待ち”か?」、その答えは無論“買い”だ。残された時間はごくわずか。欲しければ今すぐディーラーへ駆け込むべきだ。

■ホンダ・オデッセイe:HEVアブソルートEX(FF)
全長×全幅×全高:4855×1820×1695mm
ホイールベース:2900mm
車両重量:1930kg
エンジン形式:直列4気筒DOHC
総排気量:1993cc
エンジン最高出力:107kW(145ps)/7000rpm
エンジン最大トルク:175Nm/4000rpm
モーター最高出力:135kW(184ps)/5000-6000rpm
モーター最大トルク:315Nm/0-2000rpm
トランスミッション:--
サスペンション形式 前/後:ストラット/トーションビーム
ブレーキ 前/後:ベンチレーテッドディスク/ディスク
タイヤサイズ:225/50R18 95V
乗車定員:7名
WLTCモード燃費:19.8km/L
市街地モード燃費:19.1km/L
郊外モード燃費:21.4km/L
高速道路モード燃費:19.4km/L
車両価格:458万円

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著者プロフィール

遠藤正賢 近影

遠藤正賢

1977年生まれ。神奈川県横浜市出身。2001年早稲田大学商学部卒業後、自動車ディーラー営業、国産新車誌編…