2023年秋にマイナーチェンジ? 「990S」販売終了? ソフトトップモデルへの2.0Lエンジン搭載? 『軽井沢ミーティング2023』で語られたマツダ・ロードスターの未来とは!?

春の軽井沢をマツダ ロードスターが彩る日本最大のファンイベント『軽井沢ミーティング』が、2023年5月29日、軽井沢プリンスホテルスキー場駐車場で開催された。同イベントでは、マツダ・ロードスター開発チームによるマル秘エピソード満載のトークショーが恒例となっている。残念ながら、イベントに参加できなかったロードスターオーナーやファンに向けて、現場でキャッチした最新ロードスター情報をお届けしたい。
PHOTO:大音安弘(OHTO Yasuhiro)

『軽井沢ミーティング』のトークショーでは、マツダのロードスター開発チームも参加して、会場に集まったロードスターオーナー&ファンに毎年サプライズニュースがプレゼントされるのが恒例。
2023年も、ロードスター35周年記念モデルカー企画とペダルカー復活&電動化が発表されたのは既報のとおりだ。

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2023年秋の商品改良はマイナーチェンジレベルに?

ロードスター開発チームが並ぶトークショー。

その『軽井沢ミーティング』参加者のお楽しみのひとつであるロードスター開発チームによるトークショーで、今回も齋藤茂樹主査を中心に興味深いロードスターに纏わる話が繰り広げられた。
毎年5月開催を基本としてきた同イベントでは、サプライズとして同年に発売される新たなロードスターが初披露されることも多い。例えば、ソウルレッドプレミアムメタリックを纏った25周年記念車(NC型)や現行ND型の特別仕様車「990S」などの初披露が行われたのもこのイベントだった。

2014年5月の『軽井沢ミーティング』で披露されたロードスターの25周年記念車(NC型)。正式発表は5月14日だったが、5月25日のイベントに展示された。さらに、この年はND型のシャシーも展示されるサプライズもあった。

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ただ、残念ながら今年のサプライズ“展示”は無し。しかし、集ったロードスターオーナーに向け、斎藤主査は「ここだけの話」とばかりに、ロードスターの未来を少しだけ明かしてくれた。

斎藤主査によれば、ロードスターは2023年の秋から冬にかけて商品改良を行うという。しかも現行のND型となってから、一番大きい改良となることを明言。具体的な内容は明かせないとしつつも、NDは当初からスタイリングを変えないことを前提としているため、ビジュアルの変更は最小に留める。但し、ファンにはひと目で改良型と気が付く内容だそうだ。

ロードスターの未来について語る斎藤主査(中央)。

機能面では、インフォメーションシステム「マツダコネクト」が最新の「マツダコネクト2」にアップデートされる。このために、モニターも、フレームレスデザインの専用ディスプレイに変更。他モデルのマツダコネクト2とは異なるディスプレイとなる理由は、既存のモニターだと助手席エアバックの展開時などの干渉などの問題があるためだ。徹底的に軽量コンパクトに拘ったロードスターだけに、本当に余計なスペースがないのだ。
さらに改良箇所はダイナミクス性能にも及ぶという。ビジュアル、機能、走りで違いを感じられるものとなる改良への期待は膨らむばかりだ。

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その一方で、残念なお知らせもあった。それが人気の特別仕様車「990S」が現行仕様で終了となること。
この特別仕様車は、ベースグレード「S」の軽さを活かし、ブレンボ製のフロント4ポッドブレーキキャリパー&ベンチレーテッドディスク、RAYS社製鍛造アルミホイール、専用セッティング(ダンパー、コイルスプリング、電動パワーステアリング、エンジン制御)などを加えることで、ロードスターが持つライトウェイトスポーツの魅力をより高めた仕様だ。

2021年12月に発表された「990S」。今の時代に1tを切る車重を実現した貴重なFRライトウェイトスポーツとして人気を集めている。
ダブルウィッシュボーン式のリヤサスペンションは、「990S」ではスタビライザーは装着されない。
軽量なRAYS社製鍛造アルミホイールを装着。バネ下重量の軽減に貢献する。

2022年の販売ではグレード構成比で34%というトップシェアを誇ったが、購入可能なのは現在販売中のモデルまでとなる。これまでの特別仕様車は年次改良で終了となるケースも多かったため、約2年間に及ぶ販売期間は長く、そのため購入希望者のニーズにもしっかりと応えることが出来たともいえる。

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とはいえ、購入に踏み切れなかった人には最後のチャンスと言えるため、再度真剣に検討して欲しい。
因みに、斎藤主査も自身が中心となり企画したモデルであることから、今回、ジルコンサンドメタリックを纏った990Sの購入を決断されたそうだ。

斎藤主査も購入するジルコンサンドメタリックの「990S」。

35周年記念モデルはあるのか? 2.0Lエンジンの搭載は?

直近の記念車は2019年3月に発表された30周年モデルのND型。専用カラーのレーシングオレンジが設定された。
世界限定3000台で、日本にはソフトトップとRF合わせて150台が割り当てられた。

未来のロードスターの話も、少しだけ耳に入ってきた。どうやら35周年記念車が企画されているようなのだ。
その特徴のひとつとして、専用ボディカラーとなる可能性が高い。どんな特別仕様となるか、今から楽しみだ。もちろん、公式的に、35周年記念車が投入されるというアナウンスではないことはお伝えしておく。ただ今後のマツダからの情報には、注視して欲しい。

1999年発売の10周年記念車(NB型)
2009年発売の20周年記念車(NC型)
2014年発売の25周年記念車(NC型)

さらに以前から望む声のあるソフトトップ車への2.0Lエンジンの追加だが、斎藤主査は検討を続けていることを明かしている。ただし、年内の投入ははないことは明言されており、ここ数年中となるの可能性が高そうだ。

ロードスターRFや海外モデルに搭載される2.0L SKYACTIVE-G。国内向けソフトトップモデルへの搭載はこれまでも噂されてきたが、クルマの性格からファンやオーナーの賛否も分かれるところだ。

将来的には、電動化も視野に入れていることも語られるロードスターだが、当面の間は現行のND型が現役で活躍する。これは、現在の電動車技術ではロードスターの持ち味である軽さの魅力が実現できないため。
ただ今は、我々の想像よりも早く変化を遂げる時代となっている。純粋なロードスターの魅力を味わいたいならば、1日でも早い決断が幸せな人生への近道と言えそうだ。

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