新型「トヨタ・アクア」登場! 新ハイブリッドシステム採用により燃費は20%アップの35.8km/Lを実現

2011年の発売以来、187万台のセールスを記録する大ヒットモデルとなったトヨタ・アクアが、2代目へとフルモデルチェンジを果たした。気になる燃費は先代からなんと20%も向上し、WLTCモードで35.8km/Lを実現。1500Wのコンセントを標準装備するなど、使い勝手にも磨きがかけられている。価格は198万円〜259万8000円だ。

アクセルで加減速をコントロールする「快感ペダル」をトヨタで初採用

高出力・コンパクトな「バイポーラ型ニッケル水素電池」

トヨタ・アクアといえば、やはり注目は燃費性能だ。初代は2011年の登場時、10・15モード燃費で40.0km/Lを達成したことが話題となった。新型の燃費は35.8km/L。数字だけを見ると低下しているように思えるが、こちらは計測条件が段違いに厳しいWLTCモードの数値。同条件で比較すると、新型の燃費は約20%もの向上を果たしたこととなる。

新型トヨタ・アクアのフロントビュー
7月19日に2代目へとモデルチェンジを果たした新型アクア。
新型トヨタ・アクアのリヤビュー
1モーションフォルムや跳ね上がったベルトライン、縦長のリヤコンビランプなど、先代の特徴を継承する新型アクア。

新型の優秀な燃費の源となっているのは、より高効率になった新しいハイブリッドシステムだ。エンジンは熱効率約40%を誇り、低フリクションも自慢のM15A-FXE型1.5L直列3気筒。そして新型アクアでは、駆動用電池として世界で初めてバイポーラ型ニッケル水素電池を採用した。バイポーラ型ニッケル水素電池とは、集電体の片面に正極、もう一方の面に負極を塗った「バイポーラ電極(Bipolar:双極)」を複数枚積層させてパックにした電池のことだ。

バイポーラ型ニッケル水素電池
新型アクアは駆動用電池にバイポーラ型ニッケル水素電池を採用する。

従来型のニッケル水素電池は、正極と負極が別々の集電体に塗ってあり、セパレーターを挟んで電解液が注入された一つのセルとして独立している。そのため、電流を流すにはセル同士を端子で繋ぐ必要がある。一方、バイポーラ型ニッケル水素電池は、セパレーターを挟んでバイポーラ電極を重ねて一つのセルを作り、これを複数枚重ねる構造となっている。集電体などの部品が不要なためコンパクト化が可能で、従来型の電池と同等のスペースにより多くのセルを搭載することができる。

ニッケル水素電池 「バイポーラ型」と「従来型」の構造比較
コンパクト化が可能なこと、大電流を一度に流すことが可能なことがバイポーラ型ニッケル水素電池のメリットだ。

また、通電面積が広くシンプルな構造なので、電気抵抗が低減されることで、大きな電気を一気に流すことができるのもメリットだ。新型アクアのバイポーラ型ニッケル水素電池は従来型ニッケル水素電池と比べると、セルあたり出力が約1.5倍で、同じスペース内に1.4倍のセルを搭載した結果、約2倍の高出力を実現した。

バイポーラ型ニッケル水素電池の特徴

ただ、バイポーラ型ニッケル水素電池はコストが高いのがデメリット。そのため、新型アクアでもっともリーズナブルなビジネス向けの「B」グレードはリチウムイオン電池を搭載している。ちなみに新型アクアの最良カタログ燃費である35.8km/Lを実現しているのも、この「B」グレードだ。

合わせて読みたい
ゲームチェンジャーになり得るか? 新型トヨタ・アクアが採用したバイポーラ型ニッケル水素バッテリーとはなにか?
新型トヨタ・アクアのドライブモードスイッチ
ドライブモードスイッチ

新型アクアではこれまで以上にモーターの使用領域が拡大されたため、街中の多くのシーンでEV走行が可能となった。レスポンスが良く、パワフルでスムーズな加速も実現している。また、アクセルペダルだけで加減速がコントロールできる「パワー+モード」をトヨタのハイブリッド車で初めて採用した。これをトヨタでは「快感ペダル」と呼ぶ。スイッチ一つでモードを選択でき、アクセルペダルを緩めて発生する回生ブレーキにより、自然でなめらかな減速が可能。ペダルの踏み替え頻度を約40%減らすことができるほか、長い下り坂でも速度が上がることが防げるなど、扱いやすさの面でもメリットがある


新型トヨタ・アクアの走り

TNGAプラットフォームと新サスペンションが上質な走りを生む

新型アクアは軽快で上質な走りを実現するために、ボディや足周りにもこだわった。TNGAプラットフォームをベースに骨格結合構造の最適化や超高張力鋼板の採用により、軽量化と高剛性化を両立。サスペンションも一新し、路面に吸い付くような特性のスイングバルブを採用したショックアブソーバーが与えられた。

新型トヨタ・アクアのボディ
新型トヨタ・アクアのフロントサスペンション
マクファーソンストラット式フロントサスペンション
新型トヨタ・アクアのリヤサスペンション
トーションビーム式リヤサスペンション

静粛性に関しては、吸遮音材の最適配置によりエンジンノイズやロードノイズを低減。また、室内に入ってくる排気音をうまく遮断するとともに、エンジン制御改善でエンジン音を低減することで静粛性を高めている。

静粛性能の向上
新型アクアでは高速走行時の会話明瞭度が15%向上するなど、静粛性が高められている。

ホイールベースを50mm延長して後席&荷室空間を拡大

新型アクアのボディサイズは全長4050mm、全幅1695mm、全高1485mmと先代に近いサイズだ。ホイールベースは+50mmの2600mmとなっており、その分、後席スペースと荷室スペースが広がっている。また、全高も先代より30mm高くなっている。

新型トヨタ・アクアの室内
最上級グレード「Z」の室内。シート表皮は標準はファブリックだが、写真はオプションの合成皮革とストライプ柄のファブリックのコンビとなっており、内装色もダークネイビーがアクセントカラーとしてあしらわれる。
新型トヨタ・アクアの荷室
先代よりもスペースが拡大した荷室。床板を上側に設定すると、後席背もたれを倒した際に荷室がフラットになるようだ。

デイタイムライトとウインカーが一体化したヘッドライトが精悍

新型のデザインは「Harmo-tech(ハーモテック=知性・感性を刺激する、人に寄り添う先進)」がコンセプトで、上質・シンプル・クラスレスを謳う。

フロントは、Aピラーと角度を合わせたシリンダー状のフェンダー造形により、モノフォルムを一段と強調する。フルLED化されたバイビームのヘッドライトは、デイタイムライトとターンランプを兼ねたライン発光が特徴的で、精悍な表情を作り出している。

新型トヨタ・アクアのフロントデザイン
Aピラーとフェンダーのラインをスムーズに連続させることで、1モーションフォルムを強調している。
Bi-Beam LEDヘッドランプ デイライト点灯時
デイタイムライト点灯時
Bi-Beam LEDヘッドランプ LEDターンランプ点灯時
ウインカー点灯時

サイドは前傾したティアドロップ形状のキャビンに水平的なリヤフェンダーを合わせた立体構成で、エモーショナルな動感を演出する。

リヤはサイドからリヤスポイラーに向かって絞り込んだキャビンと張り出したリヤフェンダーとの対比によって、5ナンバーサイズとは思えないワイドスタンスを表現したという。

新型トヨタ・アクアのサイドデザイン
新型トヨタ・アクアのリヤデザイン

ボディカラーは全9色。落ち着いたベージュメタリックが新鮮

ボディカラーは全9色。新色のクリアベージュメタリックは、大人が似合う落ち着いたカラーだ。

クリアベージュメタリック
クリアベージュメタリック
アーバンカーキ
アーバンカーキ
ブラスゴールドメタリック
ブラスゴールドメタリック
ダークブルーマイカメタリック
ダークブルーマイカメタリック
エモーショナルレッドII
エモーショナルレッドII(5万5000円高)
プラチナホワイトパールマイカ
プラチナホワイトパールマイカ(3万3000円高)
ブラックマイカ
ブラックマイカ
シルバーメタリック
シルバーメタリック
スーパーホワイトII
スーパーホワイトII

爽快な視界でドライバーをサポート。10.5インチの大型ディスプレイも用意

新型のインテリアは、視界や操作性といった使いやすさと上質さにこだわった。フロントピラーのスリム化とドアミラー位置の最適化が行われたほか、ワイパーの停止位置を下げることで、すっきりした前方視界が確保されている。三角窓の拡大によって、右左折時の視認性も向上した。

新型トヨタ・アクアのインパネ

またリヤドアのガラスやリヤワイパーの払拭範囲を拡大するなど、後方視界にも配慮しているという。

インパネの中央には、最上級グレードに10.5インチディスプレイオーディオを採用(それ以外のグレードは7インチが標準)。メーターは左右にデジタルメーター、中央に4.2インチカラーディスプレイを全車に標準で装備する。さらにウインドシールドガラスの視界内に車速やナビと連携したルート案内などの情報を投影するヘッドアップディスプレイも用意されている。

新型トヨタ・アクアのタッチディスプレイ
トヨタのコンパクトカーとして初採用となる10.5インチディプレイオーディオは最上級グレード「Z」に標準。それ以外のグレードは、7インチディスプレイが標準となる。
新型トヨタ・アクアのメーター
左右にデジタルメーター、中央にマルチインフォメーションディスプレイを配置。
新型トヨタ・アクアのヘッドアップディスプレイ
ヘッドアップディスプレイはカラー表示。
マルチインフォメーションディスプレイ エコジャッジ画面
マルチインフォメーションディスプレイのエコジャッジ画面
マルチインフォメーションディスプレイ エネルギーモニター画面
マルチインフォメーションディスプレイのエネルギーモニター画面

また、ボックスティッシュが収納可能な助手席アッパーボックス、充電ケーブルをすっきり格納できるスライド式トレイを採用したセンターコンソールなど、室内のユーティリティにも配慮。乗車前に離れた場所からスマホアプリを使ってエアコンを作動できるリモートスタートも利用可能だ。

助手席アッパーボックス
助手席アッパーボックス
フロントセンターアームレスト(コンソールボックス付)
フロントセンターアームレスト(コンソールボックス付)
フロントドアポケット&ボトルホルダー
フロントドアポケット&ボトルホルダー
リアコンソール(カップホルダー2個付)
リアコンソール(カップホルダー2個付)

駐車サポート機能をはじめとする安全性能がさらに進化

安全性能に関しても新型アクアは抜かりない。予防安全パッケージ「トヨタセーフティセンス」を全車に標準装備したほか、トヨタチームメイト「アドバンストパーク」を採用。ステアリングやアクセル、ブレーキだけでなくシフト操作も制御して駐車に必要な操作をサポートしてくれる。

アドバンストパークでは、事前に駐車位置を登録することで、区画線のない駐車場でも使用可能となる。また、トヨタで初めて車両側方の静止物も検知するパーキングサポートブレーキも採用(アドバンストパーク装着車)。駐車場から発進する際、前進時の内輪差や後退時の外輪差が要因となる接触被害を低減してくれる。

アドバンストパークの操作方法1
アドバンストパークの操作方法2
アドバンストパークの操作方法3

さらに、車線変更時の後方確認をアシストするブラインドスポットモニターには、停車時警報機能を新しく追加した。車両を止めて降車する際、開けたドアに対して後方から接近する車両や自転車などが衝突する可能性が高いと判断した場合、ドアミラーに搭載されたLEDインジケーターの点滅とブザーによって注意喚起するというものだ。

ブラインドスポットモニター
ブラインドスポットモニターには、停車時警報機能が追加された。

1500Wコンセントと非常時給電モードを全車に標準装備

新型アクアには、災害時などもしもの時に役立つ給電機能が全車に搭載されている。AC100V・1500W以下の電気製品が可能なアクセサリーコンセントは、非常時給電システムに対応。停電などの非常時には、電気ポットやドライヤーなどの家電製品が使用可能な電源として活用できる。

外部給電アタッチメント 給電バイザー
外部給電アタッチメント 給電バイザー「

普段の走行時には、コンソールボックス背面に設置されたアクセサリーコンセントを活用して、スマートフォンなど電子機器を充電することが可能だ。

アクセサリーコンセント
アクセサリーコンセント(AC100V・1500W/非常時給電システム付)

198万円の「B」グレードはビジネスユース。売れ線は223万円の「G」グレードか!?

新型アクアは4グレード構成。「B」グレードは198万円~という価格が魅力的だが、ビジネス向けのため、快適装備がだいぶ省かれている。そのため、一般的なユーザーは「X」「G」「Z」の3グレードから選ぶことになるだろう。

グレード駆動方式価格
BFF198万0000円
B4WD217万8000円
XFF209万0000円
X4WD288万0000円
GFF223万0000円
G4WD242万8000円
ZFF240万0000円
Z4WD259万8000円
新型トヨタ・アクアGのインパネ
売れ筋となりそうな「G」グレードの内装。ディスプレイオーディオが7インチとなる。加飾も「Z」がスモーキーブロンズなのに対して、「G」はピアノブラックという違いがある。
新型トヨタ・アクアGの室内
「G」グレードの室内。ヘッドレストが一体型のシートや上級ファブリックのシート表皮は「Z」グレードと共通だ。

また、新型アクアはクルマのサブスク「KINTO」でも手に入れることが可能だ。7年プラン・ボーナス月加算11万円の場合は、月額1万9580円から利用できる。

さて、新型アクアの購入を検討する際には、ヤリス ハイブリッドと迷う方もいるだろう。新型アクアのアドバンテージはというと…

・より一般受けしそうな落ち着いた内外装デザイン
・一回り大きいボディサイズによる、後席&荷室スペースのゆとり
・10.5インチのディスプレイオーディオや「快感ペダル」などの先進装備
・進化した「パーキングサポートブレーキ」や「ブラインドスポットモニター」などの安全装備


となるだろうか。あと、気になるのは新型アクアの走りだ。ヤリスはキビキビしたフットワークが好評だが、新型アクアはどうだろうか。そうした走りのキャラクターの違いも、今後、機会があればご報告したい。

【トヨタ・アクア Z・主要諸元】
■ボディサイズ
全長×全幅×全高:4050×1695×1485[1505]mm
ホイールベース:2600mm
車両重量:1130[1230]kg
乗車定員:5名
最小回転半径:5.2m
燃料タンク容量:36L

■エンジン
型式:M15A-FXE
形式:水冷直列3気筒
排気量:1490cc
ボア×ストローク:80.5×97.6mm
最高出力:67kW(91ps)/5500rpm
最大トルク:120Nm/3800-4800rpm
燃料供給方式:電子制御式燃料噴射

■フロントモーター
型式:1NM
形式:交流同期電動機
最高出力:59kW(80ps)
最大トルク:141Nm

[■リヤモーター]
[型式:1MM]
[形式:交流同期電動機]
[最高出力:4.7kW(6.4ps)]
[最大トルク:52Nm]

■駆動系
トランスミッション:電気式無段変速機

■シャシー系
サスペンション形式:Fマクファーソンストラット・Rトーションビーム[ダブルウイッシュボーン]
ブレーキ:Fベンチレーテッドディスク・Rドラム
タイヤサイズ:185/65R15
ホイールサイズ:6.0J×15

■燃費
WLTCモード:33.6[30.0]km/L
市街地モード:33.8[30.6]km/L
郊外モード:36.0[31.7]km/L
高速道路モード:32.0[28.7]km/L

■価格
240万円[259万8000円]

著者プロフィール

MotorFan編集部 近影

MotorFan編集部