需要はあるのに、売るクルマがない? 9月マツダの北米セールス

マツダの北米セールスは9月は需要に供給が追いつかず、あまり振るわなかった。
マツダ北米オペレーションズ(以下、MNAO)が9月のセールスデータを発表した。9月の総販売台数は2万4045台で前年同月比で0.8%減少した。

MNAOが発表した9月のセールスデータは次の通りだ。

2021年9月 マツダ北米セールス

MAZDA3 2595台(前年同月比+2.4%)
MAZDA6 1032台(ー28.9%)
MX-5 Miata 824台(ー4.4%)
CX-3 32台(ー92.7%)
CX-30 3581台(+12.3%)
CX-5 1万3094台(ー3.6%)
CX-9 2887台(+32.2%)

トータル 2万4045台(ー0.8%)
昨年同月比でほぼ同じ販売台数となった。

1-9月の累計販売台数は

2021年1ー9月 マツダ北米セール

MAZDA3 3万619台(前年同月比+21.7%)
MX-5 Miata 9608台(+44.4%)
CX-3 5099台(ー27.3%)
CX-30 4万7474台(+70.8%)
CX-5 13万7343台(+31.7%)
CX-9 2万8799台(+41.1%)

トータル 27万8715台(+34.4%)

となり、昨年同時期比+34.4%となっている。つまり、需要自体は堅調なのだ。にもかかわらず9月期のセールス状況は良いとはいえない。これは、需要があるのに、供給が追いついていないからだ。

マツダCX-30

マツダが発表した8月の生産概況を見ると

国内生産
乗用車と商用車がともに減となり、前年同月実績を下回った(-53.7%)。
【主要車種実績】
「CX-5」: 1万1596台 (前年同月比-46.5%)
「MAZDA3」: 5247台 (同-47.7%)
「CX-30」: 2905台 (同-48.6%)

海外生産
乗用車と商用車がともに減となり、前年同月実績を下回った(-53.4%)。
【主要車種実績】
「CX-30」: 7583台 (前年同月比-35.2%)
「MAZDA3」: 5844台 (同-34.4%)
「MAZDA2」: 1601台 (同-64.7%)

という有様だ。

半導体の供給不足とコロナ禍等による工場の操業停止、海外からの部品供給の滞りなどで減産を余儀なくされているのだ。これまでもメキシコ工場やタイ工場は操業を止めていた期間がある。10月もメキシコ工場の操業を5日間止める。

せっかく北米セールスは1-9月累計で27万8715台(+34.4%)と好調なのに、おそらく10月以降も供給が追いつかないせいで販売も下がってしまいそうだ。

生産工場の話題ではアラバマ州ハンツビルにトヨタとマツダが設立した新工場マツダ・トヨタ・マニュファクチャリング(MTM)はいよいよ生産がスタートした。まずはトヨタがカローラクロスの生産を始めた。MTMは現在、既存の従業員に加えて1700人以上の従業員を追加採用しており、2022年の生産が本格化すれば従業員は最終的には最大4000人に達する。工場の生産能力は年間30万台で、半数がトヨタ・カローラクロス、そしてもう半数がマツダが新規に開発する新型SUVになる。新型SUVについては、スモールアーキテクチャー(FFベース)で、パワートレーンにはトヨタハイブリッドシステム(THS)を採用することになっている。

9月期トヨタ、日産、ホンダ、スバル、マツダ各社の北米セールス状況まとめ 1-9月北米でもっとも売れた日本車は?

北米で展開している日本の自動車メーカー5社(トヨタ、日産、ホンダ、スバル、マツダ)が第3四半…

キーワードで検索する

著者プロフィール

モーターファン 近影

モーターファン