スカイラインにセリカ……ラリーもレースもグループAも旧車も! レプリカマシンが集まった『コンソルソ・ディ・レプリカカー』を振り返る

2023年10月25日(水)〜11月5日(土)の会期で開催された『東京モーターショー』改め『ジャパンモビリティショー2023』(以下、JMS)。その、特別招待日/プレビューデーの10月27日(金)と一般公開初日の10月28日(土)に場外で開催された「CONSORSO DI REPLICA CAR(コンソルソ・ディ・レプリカカー)」はご覧になっただろうか? ジャパンモビリティショーを盛り上げた、レプリカカーの祭典を振り返ってみたい。
PHOTO:井上 誠(INOUE Makoto)/MotorFan.jp
りんかい線国際展示場駅からJMSの会場・東京ビッグサイトに続くイーストプロムナードにレプリカマシンがズラリと展示された。

久々に開催されたレプリカマシンの展示イベント

実はこの「コンソルソ・ディ・レプリカカー」は10年ぶりに開催されたイベント。前回は『第43回東京モータショー2013』の際に2013年11月30日〜12月1日の2日間この同じ場所で開催されており、JMSに改まった今回、久々に開催されることになったのだ。

道ゆく人が足を止めレプリカカーを鑑賞。10月27日(金)のプレビューデー。

りんかい線国際展示場駅からJMSの会場・東京ビッグサイトに続くイーストプロムナードに30台のレプリカカーが展示された。展示はJMS会期のうち特別招待日/プレビューデーの10月27日(金)と、一般公開が始まる10月28日(土)の2日間で、それぞれ異なる参加車両もいた。

10月28日(土)の一般公開日は多くの人がイーストプロムナードをレプリカカーを見ながら東京ビッグサイトに向かった。

10月27日(金)は一般公開前の平日ということもあり、通勤や地元の人が通りがかり足を止める程度ではあったが、一般公開日の10月28日(土)ともなると国際展示場駅から東京ビッグサイトに向かう多くの人が足を止めてカメラやスマホを構えていた。

10月27日(金)の参加車両。ラリーカーばかりでなくレーシングカーのレプリカも集まった。

参加車両は歴代セリカやインプレッサ、ランサーエボリューション、ランチア・デルタといったWRCで活躍したグループAカーが多かった一方で、同じグループAでもスープラやスカイラインGT-Rといったサーキットを主戦場にしたクルマのレプリカカーも揃った。他にもWRカー(ワールドラリーカー)やスーパーGT、クラシックカー、現役の競技車両にオリジナル車両まで並ぶ多彩ぶりを見せた。

いずれもオーナーの愛と手間暇をたっぷり注がれた力作揃い。

そんな「コンソルソ・ディ・レプリカカー」の様子と参加車両を一気にお見せしよう。JMSに行かなかった人も、行ったけどレプリカカーを見られなかった人も、もちろん見てきた人も今一度、楽しんでほしい。

グループAレースでの勝利を目指した2台
スカイラインGT-Rとスープラ3.0GTターボA

グループAのサーキットレース、主に全日本ツーリングカー選手権(JTC)の最高峰クラス「ディビジョン3」に投入されたマシンが2車種7台並んだ。
1車種は日産の切り札、スカイラインGT-R(R32)だ。スカイラインGT-RはJTCの異なるカラーリングが4台に、海外レース仕様が2台と、豊富なバリエーションを見せた。
もう1車種はトヨタが1987年から投入したスープラ(MA70)をベースにしたホモロゲーションモデルの3.0GTターボAだ。

R32スカイラインGT-Rといえばやはりカルソニック・スカイライン。
カルソニック・スカイラインは2台参加。こちらはゼッケン12。
共石スカイライン GP-1プラスはゼッケン55の鈴木利男/飯田章組仕様。
ハセミモータースポーツのユニシアジェックス・スカイラインはグループA最終年となる1993年のゼッケン1は長谷見昌弘/福山英朗組仕様。
ゼクセル・スカイラインは1991年のスパ・フランコルシャン24時間レースで優勝したアンデルス・オロフソン車仕様。
ハセミモータースポーツが挑んだ1992年のマカオグランプリギアレースのレプリカ。
トヨタワークスの1989年JTC参戦車両である富士通バイヨ・スープラ。もちろんホモロゲーションモデルであるスープラ3.0GTターボAだ。

さらに、このスープラの前と後の時代にサーキットを走ったトヨタのマシンのレプリカの姿もあった。
1970年代にマイナーツーリングカーで活躍したパブリカ・スターレット(KP47)と、2013年スーパーGTでトヨタのGT500マシンだったSC430だ。

ツーリングカー仕様のパブリカ・スターレット(KP47)。アドバンカラーが当時感を演出しており、事務局長の岩瀬晏弘氏も興味津々。
まさかのスーパーGT、GT500レプリカは、レクサスSC430をトヨタ・ソアラをベースに再現した2013年ペトロナス・トムス仕様。改造車検で公認を取っており公道走行可能だ。

グループAセリカGT-FOURは3世代が揃う! レアカラーも!?

WRCにおけるトヨタのラリーマシンは古くからセリカが主流であった。なかでもグループA時代を戦ったST165、ST185、ST205のセリカGT-FOURは、日本メーカー初のチャンピオンマシンとなったこともあり根強い人気がある。一番人気はやはりカストロールカラーだが、それ以前の紅白カラーやFINAカラーも展示された。

FINAカラーのセリカGT-FOUR(ST165)はマルク・デュエツがドライブした1991年のツール・ド・コルス仕様というマニアックなレプリカ。
1992年シーズンからWRCに投入されたST185型セリカGT-FOUR。RACラリーのワークスカラーレプリカで、カルロス・サインツ仕様だ。
このST185は1993年以降のワークスカラーであるカストロールカラー。それでいてグリフォーネチーム(プライベーター)というオリジナル仕様。「コンソルソ・ディ・レプリカカー」事務局のPrototypeの車両だ。

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もう1台のST185は1993年のカタルニアラリーのユハ・カンクネン車仕様。奥のST205は1995年のオーストラリアラリーの、やはりユハ・カンクネン車仕様。
もう1台のST205は1995年のモンテカルロラリー仕様。クルー名は入れていないが、同ラリーのゼッケン2はユハ・カンクネンだった。

セリカのライバルといえばやはりランチア・デルタ!

1987年からのWRCのグループA化から1992年の撤退まで6年連続マニュファクチャラーズタイトルを連覇したのがランチアのデルタシリーズ。デルタといえばマルティニカラーだが、今回展示された中にはオーソドックスなマルティニカラーはおらず、1989年のサンレモラリー1戦限定の通称”赤マルティニ”が2台も参加していた。

1989年のサンレモラリーレプリカのランチア・デルタHFインテグラーレ16V。同ラリーウィナーのミキ・ビアシオン仕様。奥のランチア・デルタHFインテグラーレエヴォルツィオーネIIの限定車ジアラを1992年のテストカー仕様にレプリカしたもの。

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上と同じ1989年サンレモラリーの赤マルティにレプリカしたランチア・デルタHFインテグラーレ16V。このレプリカ化の過程や詳細は別記事で紹介している。

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このランチア・デルタインテグラーレHFエヴォルツィオーネは事務局のオートスポーツイワセのオリジナル仕様。

ラリーにランサーエボリューションは欠かせない存在

WRCを始め、日本を含む世界のラリーシーンで多くのユーザーに愛されたのが三菱のラリーマシン・ランサーエボリューションシリーズ。特にトミ・マキネンを擁し三菱が大躍進したランサーエボリューションIII以降のモデルが、今回の「コンソルソ・ディ・レプリカカー」に展示された。

ウィンフィールドカラーのランサーエボリューションIIIはトミ・マキネンがドライブした1995年カタルニアラリー仕様。
シェルカラーのランサーエボリューションIVは、1995年のWRCノミネートを外れW2Lカップとして開催された1000湖ラリーのトミ・マキネン車仕様。参戦車のランサーエボリューションIIIのカラーをIVに落とし込んだもの。こちらも詳細は別記事に。

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1998年のカタルニアラリーレプリカのランサーエボリューションVIはもちろんトミ・マキネン仕様。
2022年ラリー北海道を走ったランサーエボリューションIX。レプリカではなく実際にラリーを走った車両だ。
上のランサーエボリューションIXのサービスカーも合わせて展示されていたのが面白い。

ランサーエボリューションのライバルと言えばやはりインプレッサ

1990年代のWRCで活躍した日本車と言えば、セリカ、ランサーエボリューション、そしてスバル・インプレッサWRXだ。WRCを中心としたラリーでの活躍が目立つインプレッサだが、サーキット仕様やラリークロス仕様の姿も。中にはワゴンをレプリカしたものや、インプレッサではなくフォレスターのレプリカもあった。

左ハンドルということで本物のグループAか?と思いきや歴としたレプリカ。インプレッサのWRCデビュー戦、1993年1000湖ラリーで、あわやデビューウィンかと思われたアリ・バタネン仕様だ。
2005年のWRCラリージャパン、ペター・ソルベルグ仕様車のインプレッサWRX。
同じペター・ソルベルグのラリージャパンレプリカでも、こちらは2007年仕様。上の涙目に対してこちらは鷹目のWRX。
上2台と同じ二代目インプレッサWRXながら、こちらは丸目のワゴンがベース。トミ・マキネンが最後の勝利を飾った2002年モンテカルロラリーのレプリカだが、ゼッケン11のペター・ソルベルグ仕様だ。
ラリーレプリカが大半を占めるなか、こちらは二代目インプレッサWRXの鷹目を2012年ニュルブルクリンク24時間耐久レー ス仕様にしたもの。
ラリーはラリーでもラリークロスレプリカのインプレッサWRX STI。2015年グローバルラリークロスのマーク・ヒギンズ車仕様だ。
このフォレスターは2010年全日本ラリー選手権・ラリー北海道の00カー=スイーパー仕様。ルーフベンチレーションや回転灯など、なかなか芸が細かい。
スバル360でレプリカ?と思うかもしれないが、1964年の第2回日本グランプリT-1 クラス優勝車仕様という歴としたレプリカだ。

セバスチャン・ローブとシトロエン黄金時代のレプリカも

WRCにおけるWRカーの群雄割拠時代にある意味終止符を打ったのがシトロエンとセバスチャン・ローブ。ローブは2004年から2012年まで、実にドライバーズタイトルを9連覇。さらにシトロエンもその間、2006年〜2007年にフォードに敗れた以外は7回のマニュファクチャラーズチャンピオンを獲得しているのだ。

2007年に投入され、2008年〜2010年のシトロエンのマニュファクチャラーズチャンピオン獲得とローブの連覇を支えたシトロエンC4WRCのレプリカ。この後しばらくカレンダーから消えることになる2010年ラリージャパンのセバスチャン・ローブ仕様だ。
そしてこちらはC4WRCの後を受けて2011年からの新規定「S2000WRC」に合わせて開発・投入されたシトロエンDS3WRCのレプリカ。2011年ウェールズラリー・グレートブリテンのセバスチャン・ローブ仕様だ。

こんなのアリ!? レプリカの楽しみ方は自由だ!

レプリカカーというとレースやラリーを走ったクルマを忠実に再現することかと思われがちだが、必ずしも然にあらず。オーナーが自由に楽しんでいいのだ。もちろん、クルマとカラーのミスマッチも全然アリだし、それがまた面白いのだ。

トヨタ・セラというだけでも注目度抜群なのに、ラリー界では絶大な人気を誇るレジェンドマシン、ランチア・ストラトスのアリタリアカラーでレプリカ。1976年のモンテカルロラリーがモチーフだ。
レプリカ界隈だと比較歴少数派な印象のマツダだが、「Ken Blockジムカーナ3」仕様のCX-5が参加。YouTuberのオーナーは着ぐるみ(写真左)でトランスフォーマーを実演していた。
GRヤリスは今回の「コンソルソ・ディ・レプリカカー」を協賛したオイルメーカーFORTEC(フォルテック)の車両。

イワ散歩に表彰式、そしてフィナーレ

「コンソルソ・ディ・レプリカカー」はクルマを並べて終わりではない。2日目は事務局長のオートスポーツイワセ代表・岩瀬晏弘氏が会場のクルマ回って解説したりオーナーをインタビューしたりと会場を盛り上げた。

パブリカスターレットのエンジンルームを見ながらオーナーの話を聞く岩瀬氏。
スバル360にも興味津々。やはり旧車やラリーカーに注目が集まるようだ。

今回の「コンソルソ・ディ・レプリカカー」は事務局とオートスポーツイワセとPrototypeが運営し、フォルテックとTEIN(テイン)が協賛。テインからは協賛品としてトートバッグが参加者に配布された。

開催前のミーティング。
参加者にテインのトートバッグが配られた。

さらに「コンソルソ(=コンクール)」と名付けられたイベントだけに、27日と28日でそれぞれ表彰も行われた。賞典は事務局からの「大賞」、協賛社であるフォルテックの「フォルテック賞」、この取材を担当した「モーターファン.jp賞」が用意され、事務局からはトロフィーと副賞のフォルテックのオイル、フォルテックからはオイル、モーターファン.jpからは賞状と副賞のムックが授与された。

モーターファン.jp賞(27日)。
フォルテック賞(27日)。
大賞(27日)。
モーターファン.jp賞(28日)。
フォルテック賞(28日)。
大賞(28日)。

また、レプリカオーナーズクラブ代表(シトロエンC4WRCレプリカオーナー)による、間近に控えた「フォーラムエイト・ラリージャパン2023」の告知や、2024年2月24日(土)~25日(日)に開催が予定されている「JAFモータースポーツジャパン イン お台場2024」の告知も行われた。

「フォーラムエイト・ラリージャパン2023」などのパンフレットが配布され、イベントの告知も行われた。
「JAFモータースポーツジャパン イン お台場2024」は2024年2月24日(土)~25日(日)開催予定。

授賞式と閉会式が終わればあとは退場。参加車両は自走で会場を後にするのだが、この時間に会場となったイーストプロムナードいた人は、実際に動くレプリカカーを見ることができた。置いてあるものだけでなく、実際に動いているものを見るとまた違った印象だったのではないだろうか。

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