好評連載 トミカ × リアルカー オールカタログ / No.4 Honda VFR 白バイ

トミカ × リアルカー オールカタログ / No.4 Honda VFR 白バイ

発売から50年以上、半世紀を超えて支持される国産ダイキャストミニカーのスタンダードである『トミカ』と、自動車メディアとして戦前からの長い歴史を持つ『モーターファン』とのコラボレーションでお届けするトミカと実車の連載オールカタログ。あの『トミカ』の実車はどんなクルマ?
トミカ No.4 Honda VFR 白バイ(タイヤ回転/メーカー希望小売価格550円・税込)
茨城県警のホンダVFRの白バイ。この画像は茨城県警のHPの「かべがみ」のコーナーから入手できる。(画像:茨城県警)

特別に高度な訓練を受けた各都道府県警の交通機動隊や高速道路交通警察隊の隊員によって使用される交通取締用あるいは交通指導取締用オートバイが通称「白バイ」です。その名の通り、「白く塗られたオートバイ」が語源となりますが、外国の警察用オートバイに影響されて白く塗って用いるようになったのは1936年(昭和11年)のことで、それまでは青や赤などに塗られたものが用いられていたようです。

また、有名なところでは和歌山県警暴走族対策対策本部のオートバイ部隊、通称「黒豹隊」は、黒く塗られたオートバイ、「黒バイ」を使用しています。これは夜間に活動することが多く、相手に見つからないよう夜の闇にまぎれるためで、隊員の制服も黒で統一されています。

高速で逃走するクルマも追跡できるよう、白バイには基本的にスピードの出る大排気量の大型オートバイが使用されます。最も特徴的な装備は速度違反車両のスピードを計測して記録する「測定速度メーター」あるいは「測定速度インジケータ」と呼ばれる装置です。もちろん赤色回転灯とサイレンのほか、警告用のメガホンも必須装備。車体後部左右の箱、サイドボックスには、違反キップの束など取締業務に必要な道具がおさめられ、シート後部上面の箱、トップボックスには無線機がおさめられています。

白バイは主に交通取締に用いられますが、マラソン大会や駅伝大会の先導やパレードの先導などに用いられたり、地域の小学校などの交通安全教室に派遣されたりと、各都道府県警の“顔”としての活躍も知られるところです。

白バイ仕様のもとになった、1998年に登場したホンダVFRの市販仕様、BC-RC46型。

トミカNo.4の白バイは2001年から警視庁などで使用されたホンダVFR800Pをモデルとしています。ホンダVFRは1986年に登場したロードスポーツモデルのオートバイで、レースで培われ実証された最新技術を盛り込み、ライダーの快適性と人馬一体感を追求したスーパーエアロフォルムを追求した結果、市販車ながら、まるでレース用オートバイのような高性能なものとなりました。エンジンの排気量により、400cc(399cc)、750cc(748cc)、800cc(781cc)、1200cc(1236cc)のモデルがあります。

トミカになったVFR800Pは、このうちの800ccモデル、1998年に市販車が発売されたRC46型をベースに白バイ用の改造が施されたもので、RC49型の型式名を与えられたものです。VFR800Pの「P」の文字は当然ながら「Police(ポリス=警察)」の英語頭文字になります。もちろんこのオートバイは一般の人が購入することのできない特殊なモデルで、市販モデルからの大きな変更点は、基本的にはブレーキ・システムの大がかりな変更や、オイルクーラーの大型化になります。

たいへんな高性能で交通違反者から恐れられたVFR800Pでしたが、自動車排出ガス規制の強化によって2008年をもって生産中止となり、現在、同じホンダ車では、より排気量の大きなエンジンを搭載したCB1300Pが使用されています。

■ホンダ VFR(BC-RC46型)主要諸元(VFR800P白バイのものではありません)

全長×全幅×全高(mm):2095×735×1190

ホイールベース(mm):1440

車両重量(kg):209

エンジン:RC46E型90°V型4気筒DOHC

排気量(cc):781

最高出力59kW(80ps)/9500rpm

最大トルク:68Nm(6.9kgm)/7000rpm

サスペンション(前/後):テレスコピック/スイングアーム

ブレーキ(前/後) :ダブルディスク/シングルディスク タイヤ:(前) 120/70 ZR17(58W) (後) 180/55 ZR17(73W)

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