ホンダ船外機が世界累計生産200万台を達成! カーボンニュートラルの実現に向けて電動推進機のコンセプトモデルを発表

ホンダはこのほど、船外機の世界累計生産台数が200万台を達成したことを発表するとともに、静岡県浜松市の細江船外機工場が開設20周年を迎えたことを報じた。また、合わせてカーボンニュートラルの実現に向けて電動推進機のコンセプトモデルを発表した。

電動推進機のコンセプトモデルはゼロエミッションであるだけでなく、低騒音、低振動、発進時からの高トルクなどの特徴を持つ。電力源には着脱式可搬バッテリー「ホンダモバイルパワーパック」を採用

ホンダのマリン事業は、創業者である本田宗一郎氏の「水上を走るもの、水を汚すべからず」という信念のもと、2ストロークエンジンが主流だった1960年代の船外機市場に環境負荷の低い4ストローク船外機「GB30」を投入したところから始まり、現在の4ストローク船外機市場の礎を築いた。

1960年代に市場投入された4ストローク船外機「GB30」

ホンダの船外機は浜松製作所(静岡県浜松市)にて生産が開始され、2001年10月に船外機専用工場として細江船外機工場が開設。2015年からは、中国にあるホンダパワープロダクツチャイナ(Honda Power Products CHINA)にて小型船外機の生産を開始した。そして今年、世界累計生産台数200万台を達成した。

ホンダ細江船外機工場(静岡県浜松市)

現在、細江船外機工場では8馬力から250馬力までの小・中・大型モデルを生産し、ホンダパワープロダクツチャイナでは2馬力から6馬力までの小型モデルを生産しており、日本を含めた59カ国に各国・地域のニーズに合わせた製品を供給している。

小型電動推進機コンセプトモデル

そしてこのたびホンダは、2050年にホンダの関わるすべての製品と企業活動を通じてカーボンニュートラルを目指すという目標実現に向けて、創業者の想いをあらためて具現化する次世代のクリーンな船外機の提案として、現在開発中の小型電動推進機のコンセプトモデルを発表した。これは船舶に推力を与える装置ではあるが、従来の船の後方壁に取り付ける船外機だけでなく、さまざまな形態のパワーユニットへの展開を念頭に「推進機」の呼称とされた。

電動推進機コンセプトモデル(搭載例)

電動によりゼロエミッションであるだけでなく、低騒音、低振動、発進時からの高トルクなどの特徴を持つ。電力源にはホンダの着脱式可搬バッテリー「Honda Mobile Power Pack(モバイルパワーパック)」を採用。これにより、陸のモビリティだけでなく、海のモビリティでもカーボンニュートラルの実現に取り組んでいく。

このたびの発表に際して本田技研工業ライフクリエーション事業本部の加藤稔本部長は次のように述べている。
「Hondaの船外機をご愛用いただいているお客さまをはじめ、販売店様やボートビルダー様のご尽力に深く感謝申し上げます。4ストロークエンジンを搭載した船外機で1964年に市場参入し、57年を経て生産累計200万台に達したことは感慨深いものがあります。Hondaは、20年前に静岡県浜松市に船外機の専用工場を開設するなど、これまで船外機ビジネスの環境整備を図ってまいりました。今回、発表させていただきましたコンセプトモデルのように、今後は電動化をはじめとしたさまざまな技術開発にチャレンジしながら、Hondaマリン事業の拡大に取り組んでまいります」

●ホンダ マリン事業の変遷
・1964年7月:浜松製作所にてHonda初の船外機「GB30」生産・販売開始
・2001年10月:細江船外機工場(船外機専用工場)開設 ※浜松製作所における船外機生産を終了
・2001年 11月:VTEC・可変吸気システム・PGM-FI採用の「BF200」「BF225」販売開始
・2015年4月:中国本部 福建ミンドン本田発電機有限公司(FMH)にて小型船外機生産を開始

●ホンダ公式サイト「マリン」

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