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■2020年モデルで、新色ボディ“インディイエローパールII“を追加
2019(平成31)年8月13日、ホンダの海外高級ブランド“アキュラ”が「NSX」の2020年モデルを発表。2016年にデビューした高性能ハイブリッドを搭載した2代目NSXの2020年モデルでは、初代NSXで人気だった“インディイエローパール”のボディ色が復活したことで注目を集めた。
世界初のオールアルミ・モノコックボディに高性能エンジン搭載
初代NSXは、ホンダの技術の粋を集結させた究極のミッドシップ・スーパースポーツとして、1990年に鮮烈なデビューを飾った。
最大の特徴は、世界初のオールアルミ・モノコックの超軽量ボディ。当時は。部分的にアルミが使われることはあっても、骨格やボディのすべてにアルミを適用したのは、NSXが初めてだった。強度と剛性を維持しながら、部位によって5種類のアルミ合金を使い分け、一般的な鋼板ボディに比べて140kg、クルマ全体で200kgの軽量化に成功。車重1350~1390kgいう驚異的な軽量化と高い剛性の両立を実現したのだ。
エンジンは、ドライバーの背後に3.0L V6 VTECエンジンを搭載。高回転高速出力化のために、エンジンをショートストローク化し、超軽量チタンコンロッドやモリブデン鋼のカムシャフトなどF1エンジン並みの材料を惜しみなく使用し、NA(自然吸気)ながら最高出力280ps/最大トルク294Nmを発揮した。
軽量化ボディに高速高出力エンジンをミッドシップ搭載したNSXは、MT仕様の0→100km/h加速が5.0秒(ATは6.8秒)、最高速度は270km/hと、他を圧倒する走りと安定した操縦安定性を誇った。
2代目NSXは、ピュアスポーツからハイブリッドスポーツへ
初代から約10年の時を経て、2代目NSXは日本生産から米国生産に代わり北米で2016年5月、日本では2017年2月から発売。騎士の鎧を彷彿させるようなフロントマスクに、キャビンの背後にパワーユニットを配したフォルムは、まさしくスーパーカーそのものだった。
最大の特長は、前輪2基、後輪に1基のモーターの計3つのモーターを使ったハイブリッドになったこと。V6エンジンのミッドシップレイアウトは初代と同じだが、排気量を3.0Lから3.5Lに増大してツインターボを装着した高性能エンジンに、高効率モーターおよび9速DCTを組み合わせ、フロントには左右独立モーターを配置した「SPORT HYBRID SH-AWD」が採用された。
出力は、エンジンが最高出力507ps/最大トルク550Nm、ドライブ(後輪)モーターが48ps、前輪のモーターがそれぞれ37psで、システム全体の最高出力はなんと581psに達し、モンスターマシンへと変身したのだ。
新色インディイエローパールIIを採用した2020年モデル
2019年のこの日発表された2020年モデルでは、サーマルオレンジ・パールに続く“エキサイティングカラーシリーズ”の第2弾として、新色“インディイエローパールII”を設定。これは、初代で設定されていた“インディイエローパール”を進化させたボディ色である。
高性能ハイブリッドは同じだが、ブラックのメリノレザーとアルカンターラ仕上げの軽量スポーツシート、タイヤはNSX専用に開発されたコンチネンタルのスポーツコンタクト6を装備。2020年モデルの車両価格は2420万円だが、新色インディイエローパールIIはこれにカラーオプション8.8万円がかかる。
技術的には素晴らしい2代目だったが、車両価格が2000万円を超えて初代の倍以上にアップしたので販売は限定的で、残念ながら2022年で生産を終えた。
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2代目NSXには、当初8色のボディカラーが用意され、人気のカラーは“130Rホワイト”、“ソースシルバー・メタリック”、“ヌーベルブルー・パール”の順だった。これらに、2020年モデルでインディイエローパールIIが追加されたが、人気は期待したほどではなかった。
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