三菱自動車が電気自動車を活用した災害時の電力確保についての派遣実証訓練を国交省および川崎市と合同で実施

三菱自動車と100%子会社の東日本三菱自動車販売は11月26日、国交省、川崎市(神奈川県)と合同で、「落雷により川崎市内数カ所で停電が発生し、福祉機器への充電が必要な施設に三菱自動車製の電動車を届ける」というシナリオを想定した実証訓練を実施した。

電動車両を活用した支援活動として三菱自動車が推進している「DENDOコミュニティサポートプログラム」の一環

同社はこれまでに、災害により停電が発生した地域に電動車等を速やかに貸し出す災害時協力協定を全国150以上の自治体と締結しているが、円滑な災害対応を目的とした同様の動きは全国で加速している。国交省は今年度から開始した「避難所等における電気自動車等を活用した電力供給支援事業」において、避難所等への電動車の派遣実証を計画しており、昨年11月に協定を結んだ川崎市、三菱自動車、東日本三菱自動車販売と合同で今回の実証訓練を実施することとなった。

エクリプス クロスPHEVから福祉機器に給電する様子

このたびの訓練では、三菱自動車および東日本三菱自動車販売が保有するプラグインハイブリッドEV「エクリプス クロス(PHEVモデル)」を川崎市総合リハビリテーション推進センターに届け、センター職員に貸し渡す際に給電方法を説明するなどのデモンストレーションを実施。最大1500Wの給電が可能なAC100V電源から実際に電動ベッドや電気ストーブなどに給電し、正常に動作することも確認。同社の若林陽介執行役員は、「訓練ではスムーズに電動車をお届けできましたが、災害発生の状況はさまざまです。訓練を通じて気づいた課題などを抽出して改善につなげ、有事の際に電動車をしっかりご活用いただけるよう備えたい」と述べた。

三菱自動車のこの取り組みは、電動車両を活用した支援活動として2019年8月から推進している「DENDOコミュニティサポートプログラム」の一環として川崎市に協力いただき実現したもの。同社は今後も「DENDOコミュニティサポートプログラム」の推進を通じ、「モビリティの可能性を追求し、活力ある社会をつくる」というビジョンの実現を目指していく。

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