今見るとカワイイ!! これが初代ダイハツ・ハイゼットだ!

ダイハツ・ハイゼット(1960)今とはまったく違う、ボンネットタイプのコンパクトギア【週刊モーターファン ・アーカイブ】

安定感あるスタイリングが特徴。FRレイアウトとすることで、荷台は小さくなるが乗用車同様のパッケージとなり、様々な用途に利用が可能だ。
60年代の最初から、現代にいたるまで、名前を残している極めて希少な存在。
ボンネットライプから途中でキャブオーバーとなるが、庶民の頼れるツールである点はまったく変わらない。
週刊モーターファン・アーカイブでは、これまでのモーターファンの懐かしい秘蔵データから毎週1台ずつ紹介していく。
解説●渡辺 陽一郎(モーターファン別冊 360cc軽自動車のすべて より 2015年刊)

ハイゼットは今でもラインナップされる軽商用車の代表的な存在。初代モデルは1960年に軽トラックとして登場し、61年にバンを加えた。当時のダイハツの主力商品は、3輪軽源用車のミゼットだったが、そこに4輪のハイゼットを投入し、上級移行するユーザーをねらった。

価格は61年の時点で30万円前後。ミゼットは23万円前後だったから、比率に換算すればハイゼットは約30%高い。大卒初任給をベースに今の価値に換算すれば、ミゼットは292万円でハイゼットは381万円に達する。当時は軽商用車も立派な高額商品。ハイゼットは経営の好調な商店や企業が使ったのだろう。

きわめてシンプルな室内。ダッシュボードというものがない。メーター類はステアリングコラムに固定されるが、それだけですべてが完結できている。

初代モデルはボンネットの内部にエンジンを収め、後輪を駆動する一般的なレイアウト。エンジンは2サイクルの空冷直列2気筒で、排気量は356ccであった。ミゼットは2代目のMP型でも1気筒の305ccだから、ハイゼットは動力性能に余裕がある。最高出力は17ps(5000rpm)、最大トルクは2.8kgm(3000rpm)であった。

メカニズムも上級。サスペンションは、リヤ側はリーフスプリングを用いた車軸式だが、フロント側はコイルスプリングによるダブルウイッシュボーンの独立式だ。

強制空冷エンジンは2気筒。当然ながら、エンジンルームが独立するため、整備性はよい。

当時の乗用車と同じ組み合わせになる。トランスミッションは3速MTだが、2/3速にシンクロナイザーを装着。滑らかなシフトチェンジを可能にした。

ラダーフレームを採用し、より堅牢さを実現。 サスペンションはフロントがダブルウィッシュボーン、リヤがリーフリジッド式

外観もサイドモールを備えるなど、乗用車感覚の仕上がりを見せる。エンジンは縦置きだからボンネットが相応に長く、室内空間にも余裕を持たせた。そのために荷台の寸法は、長さが1075mmで幅は1090mm。ボディの短いミゼットでも1160mm/1100mmだったから、ハイゼットは積載性を低下させても居住性や外観を童視したことが分かる。まさに上級志向の軽商用車であった。

61年に投入されたバンはさらに上級志向を強め、ダブルウイッシュポーン式のサスペンションにはボディの傾き方を制御するフロントスタビライザーを加えた。今日の軽自動車やコンパクトカーでも、コスト低減のためにスタビライザーを省く車種が多いから、ワゴン感覚のバンを目指していたようだ。

この後、64年にフルモデルチェンジを受けてボンネットを廃したキャプオーバータイプに発展。荷台の面積を大幅に広げたが、デザイン性も重視され、軽商用車でありながら質感に対するこだわりを持ち続けた。


こちらがバン。キャラクターラインの上下でカラーを分ける、ツートーンを採用していた。

モーターショーに試作車を出品

睛海での初の開催となる第6回東京モーターショーに、型式名”L35″で出品された。一般からの関心も高く、大注目のモデルとなった。

SPECIFICATIONS:Hijet (1960)

〈寸法重量〉
全長:2990mm
全幅:1290mm
全高:1430mm
車両重量:480kg 
乗車定員:2人
〈エンジン〉
空冷直立2気筒
ボア×ストローク:60.0×63.0mm
総排気量:356
最高出力:17ps/5500rpm 
〈トランスミッション〉
3MT
〈駆動方式〉
RWD 
〈サスペンション〉
前・ウィッシュボーン式 後・リーフリジッド式 
〈タイヤサイズ〉4.50-12-4PR
〈最高速度〉75km/h
〈価格・当時〉29.8万円

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