スライドドアで乗降性抜群の5ナンバーワゴン「スズキ・ソリオ」【最新コンパクトカー 車種別解説 SUZUKI SOLIO】

5ナンバーサイズのコンパクトトールワゴン「スズキ・ソリオ」。視認性、居住性、乗降性などドライバーも乗員もスムーズな動きにストレスはない。1.2ℓの自然吸気とハイブリッドの2つのパワートレイン、20のボディカラーなど多彩な選択肢と使い勝手、走行性能、静粛性なども含め、全方位もれなく満足度の高いクルマと言える。
REPORT:河村康彦(本文)/塚田勝弘(写真解説) PHOTO:神村 聖 MODEL:星香

高効率の室内パッケージング 柔軟な乗り味で静粛性も美点

スズキ・ソリオ&バンディットは日本の道、狭い駐車スペース、ファミリー、運転初心者からベテランドライバー、そしてアウトドア派や愛犬家にもぴったりの、使いやすさ抜群な5ナンバーサイズのコンパクトトールワゴン、プチバンだ。両側スライドドアを備えたボディは全長3790㎜×全幅1645㎜×全高1745㎜と5ナンバーサイズでも車幅が狭く、細い道や駐車スペースでの走りやすさ、停めやすさが特徴。

エクステリア

空間効率の高さを物語る典型的な箱型フォルム(2BOX)で、「G」を除きサイドアンダースポイラーやルーフエンドスポイラーを用意。「SZ」はさらにバックドアサイドスポイラーが加わり、スポーティムードを漂わせている。最小回転半径は4.8m。

しかもパッケージは超優秀。前席のパノラミックな視界の良さ=運転のしやすさに加え、スライドドア×低床からの乗降性の良さは文句なく、後席の広さも圧巻だ。何しろ身長172㎝のドライバーのドラポジ背後で頭上に215㎜、膝まわりに最大360㎜!もの、ゆったり足が組めるほどの広大なスペースがある。さらに驚くべきは荷室の使い勝手の良さと広さ。フロアが低く、機内持ち込みサイズのキャリーケースが5個積める容量、かつ床下にも同キャリーケース1個が積めるスペースを完備。車中泊にも対応することからアウトドアにもぴったりな1台なのだ。

乗降性

最新のソリオに用意されるパワーユニットは、直接的ライバルの3気筒に対して4気筒の1.2ℓエンジン、91㎰/118Nmを基本に、ハイブリッド「SZ」、マイルドハイブリッド「MZ」「MX」、ガソリン「G」の3タイプを用意。モーターはハイブリッドが13.6㎰/30Nm、マイルドハイブリッドが3.1㎰/50Nmとなり、WLTCモード燃費はそれぞれ最高22.3㎞/ℓ、19.6㎞/ℓ、19.0㎞/ℓだ。

インストルメントパネル

センターメーター、オプションの9インチディスプレイ、インパネシフトなど中央に視認系、操作系を配置する。前方視界も良好で取り回ししやすい。2023年5月の改良でUSBソケット1ヵ所をType-AからType-Cに変更。

価格対満足度で優位に立つと思われるマイルドハイブリッドモデルを走らせれば、ボディ剛性の高さを感じさせつつ、実にしなやかで心地良い快適な乗り味を示してくれる。特に、マンホールや段差越えでのショックのいなし方は、クラスを超えたものと言っていい。動力性能は出足、低速域では微力ながらもモーターアシストが働き、静かに、上質感たっぷりな滑らかさを維持しつつ加速する。穏やかでスムーズな操縦感覚、アクセル操作に対するレスポンスの良さから加減速を繰り返すシーンでも走りやすさは文句なし。

居住性

しかも、雨の日でも車内は静か。ルーフに高減衰マスチックシーラーを用い、すべてのピラーに発泡剤=バッフルを充填し、リヤフェンダー内にライニングを備えることで雨音やロードノイズを低減しているのだ。一方、CVTではなく2ペダルMTとなる5速AGSを組み合わせたハイブリッドモデルはそのモーターパワーから想像できるように、プリウスやノート(e-POWER)のようなハイブリッド感、モーター走行の粘り強さこそ期待できないものの、AGSの変速にモーターアシストを使うことで、全域でよりレスポンスに優れたトルキーでスムーズかつ伸びやかな加速力を味わわせてくれるメリットがある。

うれしい装備

後席は最大56 度までリクライニングするため、センターアームレストやサイドウインドウのロールサンシェードも使えば休憩時などに重宝する。前席背もたれも寝かせれば、セミフラットにもなる。
月間販売台数     4530台(23年11月~24年4月平均値)
現行型発表      20年11月(一部仕様変更 23年5月)
WLTCモード燃費    22.3 ㎞/ℓ※「HYBRID SZ」「BANDIT HYBRID SV

ラゲッジルーム

そんなソリオだから、実際に体験したロングドライブでも想像以上に快適で疲れない。アイドリングストップ時でも冷風が一定時間途切れない蓄冷式エアコンとともに、ハイブリッドモデルには前席シートヒーターが備わり、一年中、心地良いドライブを楽しむことができるのだ。

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.159「2024-2025 コンパクトカーのすべて」の再構成です。

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