背の高さと後席スライドドアが人気のハイトワゴン「ダイハツ・トール」【最新コンパクトカー 車種別解説 DAIHATSU THOR】

使い勝手の良い軽自動車スーパーハイトワゴンの5ナンバー版と言える「ダイハツ・トール」。後席の居住性の高さは特筆もので天井の高さも相まって開放感は驚くほど。街中をキビキビとドライブできるパワフルさも快適だ。後席のシートアレンジも柔軟で自転車も積み込める広さは日常生活に十分な余裕を持っている。
REPORT:渡辺陽一郎(本文)/工藤貴宏(写真解説) PHOTO:平野 陽 MODEL:佐々木萌香

室内空間が広く収納装備充実 大容量の荷室は利便性も抜群

背の高いコンパクトカーで、全長は3700㎜(標準ボディ)に収まるが、全高は1735㎜。後席側のドアはスライド式で、タントのようなスーパーハイトワゴンの小型車版だ。トヨタもルーミーの車名でトールのOEM車を販売しており、ダイハツが出荷を停止する前は、販売ランキングの上位に入っていた。

エクステリア

コンパクトカーとしては背が高い。軽自動車の売れ筋ナンバーワンジャンルである「スーパーハイトワゴン」と同様のパッケージングで、サイズだけひとまわり大きくしていると考えるとイメージがつかみやすいだろう。最小回転半径はグレードにより4.6m〜。

コンパクトなボディは最小回転半径も大半のグレードが4.6mに収まり、軽自動車並みに運転しやすい。その割に車内は広い。後席は床と座面の間隔を広げ、座り心地をもう少し柔軟にすると、4名乗車時の快適性が一層向上するだろう。収納設備は豊富で、カップホルダーには500㎖の紙パックも収まる。

インストルメントパネル

低めにレイアウトしたメーターは、ハンドルにメーターが遮られないことやインパネ上面をフラットにして開放感と視界を高められるメリットがある。上級仕様はパーキングブレーキが電動式となりACCも組み込まれる。

前席の背面に装着するテーブルも、全車にオプション設定した。後席は床面へ落とし込むように小さく格納され、大容量の荷室に変更できる。このときに荷室のボードを反転させると、汚れを落としやすい素材が貼られ、自転車を積んだ後の清掃もしやすい。

居住性

エンジンは1.0ℓ直列3気筒で、自然吸気は動力性能が不足気味。登り坂を試乗してパワー不足を感じたときは、ターボエンジンも試したい。ターボは2500rpm付近で粗いノイズが聞こえるが、動力性能は1.4ℓエンジンと同等の力強さだ。

うれしい装備

500㎖紙パック飲料も置けるホルダーが備わるシートバックテーブル。セットオプションの「コンフォータブルパック」を選ぶと装着される。
「カスタムG」系のグレードのパーキングブレーキは電動式。信号待ちなどでブレーキペダルを離しても停止状態を保持するホールド機能付き。
月間販売台数     306台(23年11月~24年4月平均値)
現行型発表   16年11月(マイナーチェンジ 20年9月)
WLTCモード燃費  18.4 ㎞/ℓ※自然吸気のFF車

ラゲッジルーム

乗り心地は少し粗く、操舵感も曖昧だから、これも試乗したときに確認したい。高速道路を使う長距離移動よりも、自転車などを積む街中の走りに適する。ライバル車のスズキ・ソリオ、軽自動車のタントなどと乗り比べて購入の判断をすると良い。

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.159「2024-2025 コンパクトカーのすべて」の再構成です。

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