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共通部品実質ゼロの全身意匠 快活で剛性感ある走りは美点

フィアット500eは、日本でもお馴染みのロングセラー商品「500」の事実上の後継機種である。〝事実上〞という表現なのは、500eが純粋な電気自動車(BEV)であり、従来型の500もいまだに併売されているからだ。
エクステリア

ガソリン車である500は今後フェードアウト予定なのだが、世界的にBEV移行が期待どおりに進まないこともあって、500の販売もなかなか終われない……というのが現状だろう。(※5月21日に正式に国内販売終了を発表)
インストルメントパネル

500eは一見すると従来型500とほとんど区別がつかないが、実際は骨格構造から完全BEV専用設計で、ボディサイズは500比で60㎜長くて幅広く、15㎜高く、ホイールベースも20㎜長い。内外装に500との共通部品も実質ゼロで、全身が専用の新デザインである。
居住性


118㎰/220のモーターをフロントに置くFWD車で、リチウムイオン電池の総電力量は42kWh。航続距離は335㎞と短めで、後席も用意されるが、床が高めなので緊急用と割り切った方がいい狭さだ。つまり、500eは街乗り主体の日常パーソナルコンパクトカー的な使い方が想定されている。
うれしい装備


月間販売台数 NO DATA
現行型発表 22年4月
一充電走行距離※WLTCモード 335㎞

ラゲッジルーム


選択肢は標準的ハッチバックの「アイコン」と、従来の500C同様の、頭上のみ電動キャンバストップの「オープン」の2種類。走りはすこぶる楽しく、乗り心地はサイズに似合わぬ剛性感たっぷりの高級感。BEVは総じて強力な加速性能を売りとするが、それに輪をかけて活発なしつけは、まさにラテン系(笑)。

※本稿は、モーターファン別冊 ニューモデル速報 統括シリーズ Vol.159「2024-2025 コンパクトカーのすべて」の再構成です。