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ベース車にマッチしつつ、個性も発揮。そのバランスが腕の見せどころ
ブランドコンセプトに「クール&クリエイティブ」を掲げるAWINのエアロパーツは、日産のカーライフコレクションにも採用されている。東京オートサロン2025では。デザインモチーフとして刀の切先を意味する「ソード・エッジ」を取り入れたエアロパーツを纏う日産オーラ、エクストレイル、セレナが勢揃いし、来場者からの注目を集めていた。
さらにブースでは、AWINの魅力をより多くの人に伝えるためトークショーを開催。AWINで企画開発を担当する田中智浩さん、そしてデザイン専門誌『カースタイリング』の難波 治編集長が登壇し、カーデザインのトレンドからカスタマイズの楽しさや難しさ、AWINのエアロパーツのデザインの特徴などが語られた。その模様は、YouTubeのAWINオフィシャルチャンネルでも公開されているので、ぜひご覧いただきたい。
本記事では、その模様をかいつまんでご紹介しよう。

難波編集長は、1979年にスズキに入社し、軽自動車や小型車、さらに先行開発車のデザインに携わり、イタリアのカロッツェリア・ミケロッティやスペインのセアトなど海外でもデザイン開発に従事。1994年に独立後、フリーランスのカーデザイナーとして国内外のメーカーにデザイン提案やコンサルティングを提供。2008年にはスバルデザイン部長に就任し、スバルブランドの構築に大きく貢献されました。その後、東京都立大学の教授職を経て、2024年にカースタイリング編集長に就任した。
よりシャープに、スピード感のあるカーデザインが最近のトレンド
さて、トークショーでまず話題となったのは、昨今のカーデザインのトレンドについて。難波編集長によると、「大きなトピックとして挙げられるのが電気自動車(EV)の普及です。これにより、クルマの外観、『サーフェス』と呼ばれる表面の造形が変化しています。従来のデザインに比べ、よりシャープでスピード感のあるデザインが主流となっていますね」と最近の流れを分析する。

また、インテリアの進化も著しいと続け、「車内での過ごし方がこれまで以上に重要視されるようになり、機能性だけでなく居心地の良さや新しいライフスタイルに対応したデザインが求められています。これからのクルマは、内装がもっと変化していくと思います」と語った。
そんなカーデザインの移り変わりがある中、ユーザーにとってカスタマイズはどのような意味を持つのだろうか。
「クルマは量産品ですから、同じモデルが何万台も走っています。その中で『自分だけのクルマにしたい』『個性を表現したい』という欲求は、誰しもが持っているものです。カスタマイズはそのための手段として非常に重要な位置づけですね」

ベース車の特性をいかに引き立てるか。それがデザインの最重要課題
そして、カスタマイズを行なう上ではマッチングが非常に重要だと難波教授は語る。
「エアロパーツやアクセサリーパーツを追加するとき、車両そのもののデザイン特性を尊重しないと、違和感が生じてしまいます。AWINの製品はその点が非常に優れていて、ベース車両の日産デザインをしっかり引き立てつつも独自の個性を加えています」
「例えば、フロントスポイラーやサイドスカート、リヤスポイラーが流れるようにデザインされており、全体としてまとまりのある一体感が生まれています。これが完成度の高いカスタマイズの鍵だと思います」
ではAWINはエアロパーツのデザインを行なう上で、どのような点に注意しているのだろうか。
「我々はベース車両のデザインをしっかりと研究した上で、スタイリングを進めています。例えば、フロントスポイラーをデザインする際には、車両の元々のラインや素材感を考慮して、それを自然に引き継ぐ形でパーツをデザインしています」
「さらに、サイドやリアのデザインも同じテーマで一貫性を持たせるようにしています。フロントからサイド、そしてリヤにかけて視線が自然に流れるようなデザインを心掛けています。そのために、パーツ単体ではなく、車両全体をトータルで考えるアプローチを取っています」

難波編集長も、AWINのエアロパーツについて「ベース車両のデザインを尊重しながら、その魅力を最大限に引き出すことができていると思います。ここに展示されている車両を見てもわかりますが、ベースとなる日産の車両が持つ独特のラインや質感をきちんと活かしつつ、そこにAWINらしい個性を加えていますね」と評価する。
意外に重要なリヤビュー。クルマ全体の印象の鍵を握る
話は変わって、司会者がカスタマイズしたクルマをどこから眺めるのが一番好きか、と聞くと田中さんは「私はやはり真正面からの眺めが一番好きですね。クルマのフロント部分は、その車両の『顔』とも言える部分なので、その表情やインパクトはとても重要です。AWINのパーツを装着することで、フロントの存在感がより一層引き立つと思います」とアピール。
一方、難波編集長は「実は運転しているときに一番目に入るのは、他の車両の後ろ姿なんですよ。追い抜かれたり、信号待ちで前にいるクルマを見たりする際、リヤビューが重要な役割を果たしているんです。だから、例えばテールスポイラーやリアバンパーのデザインがしっかりしていると、クルマ全体の印象がグッと良くなります。AWINのパーツもその点を非常にうまく押さえていると思いますね」と答えた。

どんな車体色にも馴染む無彩色の組み合わせ
続いて話題は、カラーについて。AWINのパーツはブラックとシルバーが基調となっているのだが、田中さんがその理由を教えてくれた。
「ブラックとシルバーは、どんな車体色にも馴染む汎用性が高いカラーです。例えばボディが白の場合には、ブラックがコントラストを生み、全体を引き締めます。また、シルバーはクールで上品な印象を与えます。我々の製品はこの2色を軸にしていますが、どちらも単調にならないよう、細かな質感や仕上げにこだわっています」
「確かに、ブラックとシルバーは無彩色でありながら、クルマ全体の印象を大きく左右しますね。この選択は非常に合理的でありながら、美しさを損なわない工夫が見られると思います」と難波編集長も続けた。

キャラバン用エアロの新バージョンを開発中! 今夏リリース予定
トークショーの最後のテーマは、AWINの今後の展望。そこで田中さんが、開発中のモデルの名前を初めて公開した。
「現在、キャラバン用エアロパーツの新バージョンを開発中です。今年の七夕頃に発表予定で、来年のオートサロンでデモカーを展示する計画です。また、今後も商品ラインナップを増やし、より多くのお客様に選んでいただけるよう努めてまいります」
車種ラインナップの追加もあり、ますます勢いを増すAWIN。その活動にこれからも注目だ。