新型フォルクスワーゲン「T-Roc」、初スクープから1年経過もいまだ謎多し──「VW最後のICE車」ではなくなる可能性も

フォルクスワーゲン T-Roc 次期型プロトタイプ スパイショット
フォルクスワーゲンのコンパクトSUVであるT-Rocは、現在初のフルモデルチェンジに向けて開発が進められているところだ。新型のプロトタイプが初めて目撃されてから1年が経過したが、いまだに厳重に“カモフラージュ”されているようだ。

フォルクスワーゲン(VW)のコンパクトクロスオーバーSUV、「T-Roc」の次期型プロトタイプをスクープ班のカメラが捉えた。

初代モデルとなる現行型は2017年に登場。2021年にはフェイスリフトが行われたが、いよいよ第2世代へバトンタッチされる。新世代は、今年初めに「ゴルフMk8.5」世代で導入されたMQB Evoアーキテクチャや最新の電動パワートレインなど、技術的進歩の恩恵を受けると予想されている。

フォルクスワーゲン T-Roc 次期型プロトタイプ スパイショット

現行T-Rocは最新モデルと比べると古さを感じるが、決して過去のモデルになっておらず、今もVWに利益をもたらしている。現に2024年1月から11月までヨーロッパで4番目に売れたクルマであり、年末までその地位を維持した可能性が高い。

T-Rocは、VWのラインナップのなかで「ゴルディロックスゾーン」(ほどほどの、ちょうどいい場所や環境)に配置されており、小型の「T-Cross」と、より大型の「ティグアン」の間に快適に収まっている。この構図は次世代でも変わらないだろう。そして市場では、ファンキーなトヨタ「C-HR」や洗練されたヒョンデ「コナ」など、同サイズのSUVの競合車となっている。

新型T-Rocのプロトタイプが初めて目撃されてから約1年が経過しているが、いまだ厳重に“カモフラージュ”が施されている。スウェーデン北部で捉えた開発車両は、偽のヘッドライト、偽のテールライトステッカー、巧妙に偽装されたバンパーを備えている。

フォルクスワーゲン T-Roc 次期型プロトタイプ スパイショット

プロトタイプのキャビンとプロポーションから判断すると、VWはこの新設計で「革命」ではなく「進化」を目指している様子が伺える。シルエットは馴染みがあり、変更は急進的というよりは慎重なもののようで、量産型では、「ベイビー ティグアン」のイメージを期待していいだろう。

インテリアはアップデートされたゴルフから多くを流用し、より大きく、より使いやすいタッチスクリーンを採用し、上位グレードでは12.9インチまで搭載されると予想される。また、素材の品質が向上し、先進運転支援システム(ADAS)も目玉のひとつとなることはほぼ間違いないだろう。

VWでは、間もなく登場する「ポロ」のフェイスリフトとともに、ICEラインアップの刷新を完了する。同社は以前、T-Rocが最後の新型内燃機関モデルになると述べていたが、電動化計画の変更を考えると、これが今後も当てはまるかどうかは不明だ。

おそらく最高出力272psを発揮する1.5Lガソリンターボ+モーターのプラグインハイブリッドなどが期待され、「T-Roc R」が復活するなら、「ゴルフR」とパワートレインを共有するはずだ。

T-Roc次期型のワールドプレミアは、2025年内と予想される。

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1965年東京文京区生まれ・世田谷区在住。INS通信社を経て1996年に独立し、車ニュース配信会社アポロニュー…