トヨタ ヤリスクロス vs. ライズ!明暗を分けるのは総合力の違い!? ハイブリッドモデルを徹底比較

好調なセールスを維持し続けるヤリスクロスだが、トヨタにはもう一台ライズという優れたコンパクトSUVが存在する。同じハイブリッドモデルで、装備も同等となるヤリスクロスGグレードとライズZグレードのスペックを比較して違いをはっきりさせてみよう。

TOYOTA YARIS CROSS
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TOYOTA RAIZE

車内の広さはほぼ同じ!街乗りで使いやすいのはライズ

ヤリスクロスは3ナンバー、ライズは5ナンバーの違いはあるが、どちらも全長4m前後で最小回転半径にも大きな違いはなく両車ともに運転しやすいクルマであることは間違いない。しかし室内空間やユーティリティ面では若干の違いがある。

リヤドア開口形状の違いにより乗降性に優れるのはライズのほうだ。また後席の膝周り空間はライズのほうがわずかに広く、頻繁に乗り降りをする街乗りではライズのほうが使いやすいと感じるだろう。

2名乗車時の最大荷室長はどちらも1700mm程度だが、5名乗車時はヤリスクロスのほうがわずかに荷室面積が広くなっている。荷物がかさばる多人数乗車に向くのはヤリスクロスのほうと言えそうだ。

トヨタ ヤリスクロス ハイブリッドG
ボディサイズ=全長4180mm×全幅1765mm×全高1590mm
ホイールベース=2560mm
車両重量=1170kg
タイヤサイズ=205/65R16(前後)

トヨタ ライズ ハイブリッドZ
ボディサイズ=全長3995mm×全幅1695mm×全高1620mm
ホイールベース=2525mm
車両重量=1070kg
タイヤサイズ=195/60R17(前後)

どんなシーンでも安定した走行性能のヤリスクロス

両車のWLTCモード平均燃費は、ヤリスクロスが30.2km/L(Gグレード)で、ライズが28.0km/L(Zグレード)とほぼ同等だ。しかしパワートレインがまったく違うこともあって乗り味は大きく異なる。

シリーズハイブリッド方式のライズは、モータードライブ特有の滑らかな走行フィールが常時続くが、速度域が高まるほどエンジンの稼働率が高くなり燃費効率は低下する傾向にある。一方、シリーズパラレル方式のヤリスクロスはエンジンとモーターの動力を使い分けて一般道から高速道路まで安定した動力性能を発揮する。

100kg以上軽い車重とワンペダルドライブにより街乗りで軽快なのはライズのほうだが、ヤリスクロスは高速走行も得意だ。またヤリスクロスは前後ディスクブレーキや5穴ホイールを採用するなど各部の作りは堅牢であるうえ、ハイブリッドグレードにも4WDの設定がある点も強みとなる。

トヨタ ヤリスクロス ハイブリッドG
エンジン形式=直列3気筒ガソリンエンジン+モーター
排気量=1490cc
最高出力=91ps/5500rpm
最大トルク=120Nm/3800-4800rpm
トランスミッション=電気式CVT
駆動方式=2WD(FF)

トヨタ ライズ ハイブリッドZ
エンジン形式=直列3気筒ガソリンエンジン+モーター
排気量=1196cc
最高出力=82ps/5600rpm
最大トルク=105Nm/3200-5200rpm
トランスミッション=単速
駆動方式=2WD(FF)

値段が安く街乗りではヤリスクロスをも凌ぐライズだが…

車両価格はヤリスクロスのほうが高いが、同程度の装備となるグレード同士を比較すると価格差は3万円〜8万円と小さいうえ、装備やスペックを比較しても両車に決定的な差は見受けられない。ただし両者は細かな部分の違いにより得意分野が明確に異なる。

ヤリスクロスはどんなシーンでも一定以上の使い勝手を発揮してくれる総合力の高さが魅力だ。対するライズのハイブリッドモデルは街乗りでの使い勝手に焦点が当てられており、都市部での使用に限定すればヤリスクロスをも凌ぐ性能が与えられている。

用途に応じて選び分けるのがベストだが、購入に迷ったらオールラウンダーのヤリスクロスを選ぶのが無難と言えそうだ。

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