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パワトレは新世代3気筒エンジンのマイルドハイブリッドで統一

東京オートサロン2025は1月12日に閉幕したばかりだが、1週間も経たない1月16日にスズキが「ソリオ/ソリオバンデット」の一部仕様変更を発表した。オートサロンのスズキブースでは仕様変更後のマイナーチェンジモデルがサラリと置かれており、外観からわかる変更内容についてレポートした。
その際に、それぞれフロントマスクを変えることでキャラを明確にしている点や、ADAS(先進運転支援システム)のメインセンサーがミリ波レーダーとカメラを併用したものに変わっていること、オートホールド付き電動パーキングブレーキを採用していることなどを報告したが、正式発表された仕様変更の内容をみると、さらなる進化を遂げていることが記されていた。
なんと、パワートレインが全グレードで3気筒「Z12E」型エンジンとCVTのマイルドハイブリッド仕様に統一されているのだ。
従来のソリオ/ソリオバンデットでは非ハイブリッド仕様、マイルドハイブリッド仕様、5AGSのハイブリッド仕様と3タイプのパワートレインが用意されていたが、今回の仕様変更(というか、内容的にはマイナーチェンジ)で、3気筒エンジンのマイルドハイブリッドだけのラインナップとなった。
これまでのマイルドハイブリッドは4気筒エンジンとの組み合わせでWLTCモード燃費は19.6km/Lだったが、新搭載された3気筒マイルドハイブリッドのWLTCモード燃費は22.0km/L(いずれもFFの数値)となり、大幅に向上している。ソリオ/ソリオバンデットはタイヤサイズも共通のため、この好燃費は全車で実現しているのも見逃せない。
ちなみに、従来モデルにあった5AGSを使ったハイブリッドのWLTCモード燃費は22.3km/Lだった。ローコストの3気筒マイルドハイブリッドで同等の燃費が実現できているのであれば、新世代パワートレインに統一するという判断も納得だ。
4WDの最上級グレードはコネクティッド対応ナビが標準装備

ADAS機能としては上級グレードのACC(追従クルーズコントロール)が全車速対応・停止保持機能付きとなり、斜め後方の接近車両を検知するブラインドスポットモニターが装備されるようになったのがニュース。車線維持支援機能は全車に標準装備となっている。
現代的な装備としてコネクティッドサービスである「スズキコネクト」に対応した9インチナビを設定。多くのグレードでは22万円~22万5000円メーカーオプションとなるが、ソリオ/ソリオバンデットともに最上級グレードの4WDだけはスズキコネクト対応メモリーナビゲーションが標準装備となっている。
そのほか、後席への荷物置き忘れなどを知らせるリヤシートリマインダーをスズキ車として初採用。スライドドアのプチバンは後席を利用する機会が多いだけに、ユーザーニーズに応えた進化といえるだろう。
なお、それぞれフロントマスクのデザインは、ソリオが「伸びやかで堂々」、ソリオバンデットは「立体的造形による迫力と上級感」といったテーマで仕上げられているという。
スズキ自身が”一部仕様変更”と控えめに表現しているのは、外観での変更点がほぼフロントマスクだけに限られているからだろうが、一目で新しくなっていることがわかるほど大胆なフェイスリフトであり、価格以上のクオリティを感じさせるスタイルになっていた。パワートレインも一新されているのだから、ユーザー的にはビッグマイナーチェンジと捉えていいだろう。
ソリオ/ソリオバンデット主要スペック

「ソリオバンデットHYBRID MV」(全方位モニター付きメモリーナビ装着車)
全長×全幅×全高:3810mm×1645mm×1745mm
ホイールベース:2480mm
車両重量:1030【1070】kg
エンジン種類:直列4気筒DOHC VVT
総排気量:1197cc
最高出力:60kW(82PS)
最大トルク:109Nm
モーター種類:直流同期電動機
最高出力:2.3kW(3.1PS)
最大トルク:60Nm
変速装置:CVT
駆動方式:FWD【4WD】
WLTCモード燃費:22.0【20.7】km/L
燃料タンク容量:32【30】L
使用燃料:レギュラーガソリン
最小回転半径:4.8m
タイヤサイズ:165/65R15 81S
乗車定員:5名
メーカー希望小売価格:252万3400円【264万8800円】
※【 】内は4WD