ロールスロイス「ファントム」と言えば、何十年もの間、あらゆる高級セダンの中でも最高級車として君臨してきており、プライベートジェットやスーパーヨットの自動車版と言える。しかし、現行型「ファントムVIII」は2017年から販売されており、古さを感じる顧客には、特注のファントムを提供してくれる。
中国の顧客から、龍年である2024年を祝うために依頼された「ファントム ドラゴン」には、他のファントムとは一線を画すカスタム タッチがいくつも施されている。

外観はシンプルでありながら魅力的なアイスド・ダイヤモンドブラックで装飾されており、控えめだが、内部はド派手だ。ゴージャスなアーデントレッドのレザーがフロントシート、ダッシュボード、ステアリングホイール、ドアパネルを覆い、ヘッドレストにはオーナーの姓が古代中国の書道で刺繍されている。
ファントムドラゴンのハイライト1つとなっているのが、ロールスロイスが「ギャラリー」と呼ぶカスタムダッシュボードだ。4種類の木材から作られ、雲の中に閉じ込められた2匹のドラゴンが描かれており、297個の個別の木材から作られているという。スターライトヘッドライナーには赤と白の2匹のドラゴンが抽象的に描かれているほか、24個の流れ星も組み込まれている。

同ブランドの主任特注デザイナー、シュアイ・フェン氏は「このプロジェクトの目標は、中国で最も尊敬されているシンボルと、クライアントの個人的な象徴をインパクトがありながらも敬意を持って表現し、同時にロールス・ロイスのデザインの筆跡をさりげなく取り入れることです」と表現している。また、「この自動車では、当社の職人がさまざまな媒体を駆使して、この地域、顧客、そしてロールス・ロイス ブランドの豊かな伝統を表現しました。」と付け加えた。

顧客がカスタムロールスロイスにいくら費やしたかは不明だが、標準のファントムよりもかなり高額になったことは、想像するに難くない。







