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ゲレンデタクシーとは?
「ゲレンデタクシー」とは、スバルが2014年から苗場スキー場で開催しているイベントで、リフトの代わりにスバルのSUVでゲレンデを駆け上がりAWDの走りを体感するというもの。非常に好評を博していたが、新型コロナウイルスの蔓延により2019年を最後に開催が控えられていた。

しかし、ついに2025年に5年ぶりの復活を遂げた。以前は、その名の通りリフト代わりに板をルーフラックに載せてスキーヤー・スノーボーダーをゲレンデの上まで運ぶことを主眼としていたが、近年はむしろ雪上走行体験の方がメインになっている。もちろん、タクシーとしての利用もできるが、上りのみでなく下りもドライブパフォーマンスを楽しむ来場者がほとんどだ。

2025年の開催は1月18日(土)〜19日(日)と1月25日(土)〜26日(日)の日程。場所はもちろん恒例の苗場スキー場だ。そして、久々の開催となったゲレンデタクシーは、実はさまざまなアニバーサリーと絡んでおり、オープニングから特別な催しが用意されていた。
オープニングセレモニーでは世界に名を刻んだレジェンドが共演
5年ぶりの開催となったゲレンデタクシーはオープニングから驚きのスタート。なんとゲレンデタクシーのコースをレオーネを先頭に初代から4代目までの歴代レガシィ・ツーリングワゴンが列をなして降りてきたのだ。これには集まった来場者も度肝を抜かれたようだ。

しかも、いずれもスバルが日本スキー連盟(SAJ)に提供したナショナルスキーチームの海外遠征サポートカー仕様というのがまた凝っている。というのも、スバルは1976年にレオーネ4WDを提供して以来、SAJをサポートし続けているのだ。

そしてさらに驚きなのがレオーネの助手席から降り立った人物。現在のSAJ会長でスキージャンプのオリンピック金メダリスト(長野オリンピック/スキージャンプ団体/1998年)である原田雅彦氏だ。

これにはスバルファンよりも苗場スキー場に集まったスキーヤーの方が大興奮。SAJとスバルの長年の関係から原田会長はゲレンデタクシーのオフィシャルアンバサダーとして登場することになった。

さらに会場を沸かせたのが、ゲレンデタクシーのコースよりも雪深いところから斜面を駆け下ってきたクロストレック。会場からは「あんなところ下れるのか!」という驚きの声が上がった。

ステアリングを握るのはラリードライバーであり、現時点では日本人唯一の世界ラリー選手権(PWRC)チャンピオン”世界のトシ・アライ”こと新井敏弘選手だ。これには、今度はスバルファンが大歓声を上げた。

ふたりが揃ったところで井澤エイミーさんのMCでトークショーがスタート。
原田会長は現役時代この赤いレオーネのサポートカーに乗っことがあり(運転はコーチがしていたそうだ)、遠征先のヨーロッパでも乗っていたなどの思い出を語った。

また、原田会長はレオーネでは助手席だったが開催前にゲレンデタクシーを体験し、ステアリングも握ったそうで、スバルの最新AWDの安全性を体感。来場者にもぜひ体験をし実感してほしいと語った。

一方、歴代のスバル車でラリーを戦い、ゲレンデタクシーでもステアリングを握っていた新井選手はスバルのAWDの進化について語り、この最新のクロストレックS:HEVの優れたAWD制御は誰でも安心と安全に雪道をドライブできると語った。

実は、開催できなかった2024年はゲレンデタクシーの10周年だったが、2025年はSAJが100周年を迎える(1925年2月15日創設)。さらに2026年はスバルがSAJに車両を提供しサポートを始めてから50年というアニバーサリー続き。再来、2026年は冬季オリンピックの開催年(ミラノ・コルティナダンペッツォオリンピック)で、選手達がメダルを目指して錬成中であり、オリンピックではぜひ応援してほしいとのコメントもあった。

最後に原田会長が「ゲレンデタクシー運行します!運行開始!」と運行開始を宣言してオープニングセレモニーは終了した。
ゲレンデタクシーで多くの来場者がスバルAWDとプロのドライブを体験

ゲレンデタクシーは新井選手をはじめ、同じくラリードライバーの鎌田卓麻選手、さらに18日限定でスーパーGT/スーパー耐久ドライバーである山内英輝選手と井口卓人選手もステアリングを握った。

クルマはクロストレックS:HEVをメインにフォレスターを使用。アウトバックやWRX S4も用意されていたが、18日はこの2台、特に前車が中心となった。

ゲレンデタクシーは多くの来場者が参加し、スバルAWD、ストロングハイブリッド、そして何よりプロドライバーによるスノードライブを楽しんだ。普段走らないような雪道を、雪道とは思えない速度で駆け抜けるのは、最高のアトラクションだったと言えるだろう。


ゲレンデタクシーは1月18日(土)〜19日(日)に加え、1月25日(土)〜26日(日)にも開催。オープニングセレモニーなど初日のみのイベントはあるものの、雪上ドリフトショーやナイトデモランは後半の開催日にも予定されている。まだ体験していない人はぜひ苗場スキー場に足を運んでみて欲しい。

展示車両も来場者の注目を集める
会場には、新井選手と鎌田選手がナイトデモランを披露する両選手の全日本ラリー選手権車両が展示されたほか、オープニングセレモニーで登場したレオーネと歴代レガシィ・ツーリングワゴンが展示された。



レオーネを懐かしむ年配のスキーヤーや、歴代のレガシィにウインタースポーツの思い出を重ねる来場者も少なくなく、やはりウインタースポーツ、特にスキーとスバルとの関わりは深いことを強く感じさせた。

コラボブースではお菓子やオリジナルステッカーを配布
会場ではゲレンデタクシーとコラボしたメーカーがブースを出展。特にブリヂストンは、ゲレンデタクシーに装着しているスタッドレスタイヤが装着率ナンバーワンの「ブリザック」ということもあり、大いにアピール。プレゼントがもらえるクイズなどが催され、来場者が列を作った。

他にもロッテが「ガーナ」チョコレートや「ブラックブラック」ガムを配布(18日限定)したほか、ニベアが日焼け止めをプレゼント。ポッカサッポロがコーンスープを振る舞うなど、ゲレンデタクシー体験後も充実したおもてなしが用意されていた。
また、ルーフキャリアの人気ブランドTHULEもブースを出展。最新のスキー・スノーボードキャリアを展示したほか、スタッフが選び方や装着の相談も受け付けていた。

プロラリードライバーによるドリフトショー&ナイトデモラン
開会後は場所をイベント広場に移し、新井選手のドライブによる雪上ドリフトショーを実施。クルマはゲレンデタクシー用に用意されたWRX S4で、スタッドレスタイヤを装着した以外は全くのノーマル仕様。しかし、新井選手は限られたエリアの中で華麗なドリフトで観客を魅了した。

華麗なマシンコントロールで観客のすぐ近くまで迫り、大相撲の砂かぶりならぬ雪かぶり状態になるほど。さらに、山内英輝選手、井口卓人選手、鎌田卓麻選手らをパイロンに見立ててドーナツターンを披露するなど、そのドライビングで会場を大いに盛り上げた。

また、サポートカーの提供を受けているだけに、原田会長もクルマに興味津々の様子。さらに、新井選手のドライブするクルマに同乗し、ドリフトを車内から楽しんだ。新井選手曰く「このクルマは全くのノーマルですので誰でも運転できます。原田さんもドリフトしてみてください」と勧めるものの、流石にそれは実現しなかった。
さらに夜8時半、苗場スキー場のナイター営業終了後にはイベント広場の限られたスペースではなく、プリンスホテル2号館前のゲレンデで全日本ラリー仕様のWRXがデモランを披露した。

しかも、今度は鎌田選手も同時に走行するなどエキサイティングな走行シーンを演出。照明に照らされた2台のマシンが雪煙を上げてゲレンデを疾走。普段は耳にすることないラリーカーのエキゾーストサウンドや、プロドライバーの圧巻の走りに、来場者はもちろんホテルの窓から見ていた観客も大興奮だったようだ。

このナイトデモランでゲレンデタクシー初日のイベントは終了。来場者はもちろん、参加者、ゲスト全員が楽しんでいるのが感じられたイベントだった。
なお、ナイトデモランは1月25日(土)にも同時間で予定されている。18日の開催を見逃した人は、25日が最後のチャンスだ。