【スバル・ゲレンデタクシー2025】

ゲレンデタクシーを走ったスバル・クロストレックS:HEVの実力は?新井敏弘選手はもちろんスーパーGTドライバーも太鼓判!

2025年1月18日(土)〜19日(日)、苗場スキー場(新潟県南魚沼郡湯沢町)にてスバル「ゲレンデタクシー」が開催された。新型コロナウイルスの影響により5年のブランクがあったことからクルマのラインナップも変化した。その主役は、スバル初のストロングハイブリッド搭載車となったクロストレックS:HEVであった。ゲレンデタクシーと、そこでのクロストレックS:HEVの走り、ステアリングを握ったドライバーの印象を紹介しよう。

ゲレンデタクシー復活!! クロストレックS:HEVが苗場スキー場を駆け抜ける! WRC王者・新井敏弘とオリンピック金メダリスト・原田雅彦が共演!?

2025年1月18日(土)〜19日(日)、苗場スキー場(新潟県南魚沼郡湯沢町)にてスバルが「ゲレンデタクシー」を開催した。新型コロナウイルスの影響により前回2019年の開催より実に5年ぶりとなった今回はさまざまなアニバーサリーということもあり、豪華ゲストや充実のコンテンツで開幕。会場は多くのスバルファン、スキーヤー、スノーボーダーなどで熱気に包まれた。

プロドライバーによるスノードライブ体験「ゲレンデタクシー」

スバルが2014年にスタートしたゲレンデタクシーだが、新型コロナウイルス流行により2025年が5年ぶりの開催。スバルが自信をもつAWDをプロドライバーによるスノードライブで体験できる貴重が機会が復活したことは大変喜ばしい。
実際、開催初日から多くの来場者が詰めかけ、このイベントを楽しんでいた。

会場となった苗場スキー場は好天にも恵まれ、多くの来場者がゲレンデタクシーを体験し、楽しんだ。

雪国のドライバーであれば氷雪路を走るのは毎シーズンのことではあるが、ゲレンデを走ることはスキー場スタッフでもなかなか無いのでは無いだろうか。それだけに、同乗走行とはいえ貴重な機会であることは間違いない。
また、開催1回目からドライバーを務めている鎌田卓麻選手はゲレンデタクシーについてこのように説明した。

■鎌田卓麻選手
「以前はホントにタクシーで、上まで行ったら降りるお客さんが多かったですが、次第に往復で乗ってもらうスノードライブ体験に変わりました(もちろん、降りることもできる)。そして、回を重ねるごとにスノードライブはもちろんですが、(休止期間はありつつも)毎年のことですから、クルマの進化を感じてもらう機会になっているかと思います」

ゲレンデタクシーの第1回からドライバーを務める鎌田選手は、イベントの変化やクルマの進化を直接感じている。

ゲレンデタクシーに乗ってみると、急な傾斜を勢いよく登り、逆に下りではパフォーマンスとして振り回しながらであるにも関わらず終始安定した動き。さらに、多くのスタッフや順番待ちの来場者が待機する発着所の手前でスムーズに減速して容易に停止する。プロドライバーの運転とはいえ不安感はなく、スバルのAWDの実力を垣間見えるエンターテイメントであると感じられた。これはリピートする来場者がいたのも頷ける。

ドライバーは山内英輝選手。雪道走行は実質初めてという山内選手だが……。
斜面の途中から見た、クロストレックS:HEVが駆け上り、下っていく様子がこちら。

惜しむらくは、往復コースが意外と短く感じられたことくらいだろうか。もっと長く複雑なコースで乗ってみたかった。また、体験したのはクロストレックS:HEVだったので、フォレスターやアウトバックではどうなのかも気になるところ。どれに乗れるかは現地での状況次第ではあるが、もしゲレンデタクシーに行くのであれば乗り比べてみるのも面白いかもしれない。

コースはゲレンデタクシー用に圧雪されているのだが、時間が経つにつれ路面がえぐれて荒れてくる。午後回、特にその後半の方がよりアグレッシブな走行を体験できるだろう。写真は新井選手のドライビング。

ラリードライバーのクロストレックS:HEVの印象は?

初日となった18日のゲレンデタクシーでは、スバルが先だって発売したクロストレックのストロングハイブリッドモデルであるS:HEVがメインに使われた。以前のゲレンデタクシーには無かったラインナップだけに、以前からゲレンデタクシーでハンドルを握ってきたラリードライバーはどう感じたのだろうか?

ストロングハイブリッドを採用したスバル・クロストレックS:HEV。

■新井敏弘選手
「今回のゲレンデタクシーは以前のように2.0Lターボのようなハイパワー車が無くてパワー的に物足りなくなるところを、ハイブリッドが補ってくれていました。逆に普通の人が使うにはこちらの方が良いのではないかと思いました。ハイブリッドでもスバルのAWDの良さは踏襲されていて、ハイブリッドだからという乗りづらさは無いし、モーターがパワーを補ってくれて乗りやすいので凄く良いクルマです」

ゲレンデの斜面を勢いよく駆け上がる。最高速度は80km/hにも達するというが、コースが長ければもっと速度が出るのでは……。

「アグレッシブに攻めても全然平気でしたね。コースは5年前と同じなので比較もしやすかったですし、準備日に従来のe-BOXERも走らせましたが、やはりS:HEVのが力があってその分面白いですよ」

雪が深いルートを難なく下るクロストレックS:HEV。
左が正規のルートだが、時折右のルートから下ることも。

「それに雪の深いルートは普通のクルマではとても下れるものではないですが、車高にも余裕があるしX-MODEも良くできているので余裕で下れました。逆にX-MODEの制御が強すぎてパフォーマンスとして振り回すのが難しいくらいでしたね」

ゲレンデタクシーのステアリングを握る新井選手。ドライバーの中で最もアグレッシブなドライブを見せていた。

参加者もドライバーもみんなが笑顔になるイベント

順番を待つ参加者はゲレンデタクシーが走る様子を見て期待が高まる。

大勢の来場者がスバルのAWDとプロドライバーの走りを体験したゲレンデタクシーだが、クルマから降りてきた参加者は一様に笑顔でエキサイティングな体験に興奮を隠せない様子。特にファミリー層では子供達が大はしゃぎだったのが印象深い。また、昨今はスキー場でも多い外国人旅行者もゲレンデタクシーを体験していた。

一様に笑顔でクルマを降りる参加者。特にキッズのはしゃぎようは微笑ましい。

そして、参加者はもちろんステアリングを握ったドライバーも笑顔になるのがゲレンデタクシー。18日に特別にドライバーを務めた山内英輝選手と井口卓人選手はもちろん、一番いい笑顔を見せていたのは新井敏弘選手だったように思う。

井口選手も助手席の参加者も白い歯が見えるほど笑顔なのがわかる。
参加者のキッズと並んで新井選手のこの笑顔である。

サーキットドライバーは雪道初体験!?

スーパーGTとスーパー耐久(加えて2023年はニュルブルクリンク24時間耐久レース)でスバルのステアリングを握る井口卓人選手と山内英輝選手。サーキットでは長年スバルのワークスドライバーを務めてきた両選手だが、ゲレンデタクシーに参加するのは初めてのこと。

ゲレンデタクシー初参加の井口選手(中央)と山内選手(右)。左はゲレンデタクシーのMC・井澤エイミーさん。

しかも、ゲレンデタクシー初参加どころか両選手とも雪道を走ったことがないそうだ。トレーニングで北海道のクローズドコースをスパイクタイヤで走ったことはあっても、マイカーにスタッドレスタイヤを履かせたことも無いというから驚いた。
そんな両選手にゲレンデタクシーの感想を訊いてみた。

■山内英輝選手
「ノーマルのクルマにスタッドレスで走るのは実質今日が初めてで、ひと言『スゲエ!』という感想しか無いですね。上りはアグレッシブに行けるんですけど、下はまだちょっとビビりながらって感じでしたが。お客さんも『凄い!こんなに行けるんだ!』って笑ってくれているので、自分としてもすごく楽しいですね」

下りでは登り以上にクルマを左右に振り回して楽しませてくれる。

「他のクルマで雪道を走ってないので比較はできませんが、安定感はスバルの四駆ならではかもしれませんね。安定性が高い中で、滑った時のコントロール性の良さはニュル車やスーパー耐久のWRXとも共通するところだと感じました」

雪上の滑りやすさを感じさせないくらい勢いよく登っていく。ストロングハイブリッドのモーターによるパワーも大きい。

「今回初めて参加しましたが、貴重な経験をさせてもらいました。雪道を70km/h〜80km/hで滑りながら走る機会なんて無いじゃないですか。経験してわかったんですが、クロストレックS:HEVってAWDの制御がかなり強いので向きを変えるのがすごく難しいんですよ。でも、新井さんとか鎌田さんとか、ラリードライバーは向きを変えるのが本当に上手いなと思いました」

参加者と一緒にスノードライブを楽しんだ山内選手。

■井口卓人選手
「今回、初めて参加しましたが私自身が楽しめたのはもちろんですが、スバルのAWDや新しいS:HEVを体験してもらうには良いイベントでした。雪がなくても素晴らしい走りではありますが、この雪でよりAWDの強さを感じられたのは良かったと思います。普段雪道を走ることもほとんど無い……雪国の人たちの方がよっぽど走ってると思いますし、雪道ではほとんど素人同然でも一発目からこれだけ走れてしまう、その安定感も含めて凄いですよね」

先頭車でなければ前をゆくクルマの動きを見ることもできるだろう。

「S:HEVはモーターの力で中速からの加速がすごく力強くて、しかも空転せずに駆動力を伝えられているのは面白い部分でした。X-MODEも色々と試してみましたが、[DEEP SNOW/MUD]は制御が強くて普通の人には安心感があるでしょうし、慣れている人なら[SNOW/DIRT]も良いかもしれません」

ゲレンデタクシーにはクロストレックS:HEV以外のクルマも用意している。

お客さんはゲレンデタクシーのクルマは特別な仕様だと思っていたらしく、ノーマル車にスタッドレスタイヤを装着しただけでこんなに走れる、登れることに皆さん驚いていました。スバルの強さを伝えることができたんじゃないかと思います。

やはりゲレンデタクシー初参加の井口卓人選手。スバルAWDとストロングハイブリッドの走りを雪道で体感。

2025年のゲレンデタクシーを体験する最後のチャンス!

2025年のゲレンデタクシーの開催は残すところあと1月25日(土)〜26日(日)の2日のみ。最新のクロストレックS:HEVはもちろん、スバルAWD・SUVの実力を雪道で体感するチャンス、そしてラリードライバーのスノードライブを体験する機会を逃す手はない。

ゲレンデタクシーでのクロストレックS:HEVの走り。

興味がある人はぜひ苗場スキー場に足を運んでゲレンデタクシーを体験して欲しい。コラボブースやプレゼント、ドリフトショー、ナイトデモランなどのコンテンツも充実しているぞ。

ゲレンデタクシー
会場:苗場スキー場(新潟県南魚沼郡湯沢町三国202)特設会場
開催日:1月25日(土)・26日(日)
開催時間:午前の部 9:00〜12:00・午後の部 13:30〜16:30
その他のコンテンツ:雪上ドリフトショー(12:00)、ナイトデモランショー(26日のみ20:30)

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