ハンガリーのチューナー「KAMM」(カム)は、ポルシェ「912cタルガ」のレストモッドを発表した。
数十年前のスポーツカーは機敏で軽量であり、現在のほとんどのスポーツカーとは違いドライバーを興奮させるために途方もないパワー数値に頼る必要はなかった。カムは、現代のクルマに欠けている軽量の本質を取り戻そうと、ポルシェ「912cタルガ」の究極版とも言えるモデルを完成させた。

912は1965年から1969年までわずか4年しか製造されなかった希少モデルで、911のエントリーレベルの代替品として存在した。911のレストモッドは現在多くのブランドが提供しているが、912は忘れ去られることも多い。しかし、カムはかなり前からオーバーホールされた912を製造しており、今回タルガバージョンを初めて発表した。
「カム912c タルガ」と名付けられたこのクルマは、ロールオーバーフープなどすべてのボディパネルはカーボン製で、ドアミラー、シートバック、ウィンドウもレキサン・ポリカーボネートで製造するなど軽量化を図り、車重は800kgを下回っている。これは、スマートの代3世代「フォーツー」の880kgよりはるかに軽量だ。

鮮やかなタンジェリン色に塗装された912cタルガの足周りには、クラシックなスチールホイールのような特注アルミホイールを履いている。また、アフターマーケットのスポットライト、カーボンファイバー製のルーフラック、ルーフには特注のサーフボードもあるなど、すべてが非常に見栄えがよく、このクルマの魅力は、新世代のポルシェ「911 S/T」にも負けていない。
車体が非常に軽いため、カムはパワートレインに過剰な力を入れる必要はなかったようだ。オリジナルの1.6L空冷フラット4は、同社が開発した2.0L空冷フラット6に置き換えられ、最高出力185ps、最大トルク205Nmを発揮する。また、ショート、ロング、ツーリングのギアリングを選択できる5速ドッグレッグトランスミッションが組み合わされている。
そして、レストモッドの乗り心地を現代車のようにするのは、特注のTracTive セミアクティブ・フロントおよびリヤコイルオーバーで、油圧式ハンドブレーキ付きのブレンボ製ブレーキセットが、機械的なアップグレードを完了する。
カム912cタルガは、購入者の仕様に合わせて完成させることができ、塗装と内装のオプションは無制限に選択できるというが、価格は39万5000ユーロ (約6400万円) からと相当な覚悟が入りそうだ。









