
日産では、これまで多くのプロジェクトが発表されてきたが、その後に延期されたり、完全に中止されたものも少なくない。最も記憶に残るのは、2012年のニューヨーク国際オートショーで公開されたセダン、インフィニティ LEコンセプトだろう。当時は2年以内の発売とアナウンスされたが、結局は実現せずに中止となった。また最近ではミシシッピ州カントンで製造予定だった電気セダン2台の生産が延期された。

米『Auto News』は、日産がカントンで製造予定だったサブコンパクト電気クロスオーバーの製造を中止したと報じている。このモデルは“PZ1L”というコードネームで呼ばれ、リーフよりは大きいがローグよりは小さいモデルとなるはずだった。
ただし、この車は、同社の英国サンダーランド工場のほか、米国の他の施設で他の電気クロスオーバー2台と共に製造される計画が維持されている。
日産のブライアン・ブロックマン氏は『Auto News』に対し、「ミシシッピ州で製造される他の電気自動車に注力したい」と語ったといい、同氏はさらに、「それらの車は米国市場に適しており、より多く売れる」と示唆したようだ。
今回の新型スモールEVの米国での発売中止の決定は、予想よりも電気自動車の普及が遅れている現状が影響を与えたと考えられている。また、トランプ大統領がホワイトハウスに復帰し、「グリーン・ニューディール政策を終わらせる」と「電気自動車の義務化を撤回する」と公約していることなどが引き金となっている可能性もある。さらに同氏は、7500ドル(約117万円)のクリーン車両税控除を廃止するものとみられており、そうなれば電気自動車は大幅に高価になるため、米国でのEV発売計画は今後大きな転換期を迎えそうだ。





