ストロングHV搭載の新型スバル・クロストレックS:HEV登場!トヨタ・カローラクロスとのスペック比較で実力を測る

新型スバル クロストレックが2024年12月に発売された。新型の注目はトヨタ車で広く採用されるTHS-IIと同じ構造のストロングハイブリッドシステムが組み込まれた点だ。高いコストパフォーマンスで大人気となっているトヨタ カローラクロスと比較しながら、新型クロストレックのスペックを確認してみよう。

TOYOTA COROLLA CROSS
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SUBARU CROSSTREK

車内の使い勝手は僅差でカローラクロスの勝ち

両車のボディサイズはほぼ同じで、後席空間の広さも同様だ。ただしルーフラインの後傾が強いクロストレックのほうが後席の頭上空間の広さと乗降性でわずかに劣る。また、後席にエアコン吹き出し口が備わらない点や高めのセンタートンネルもカローラクロスに対して劣る部分だ。

荷室幅はクロストレックのほうが長いが、奥行きでは5名乗車時、2名乗車時ともにカローラクロスよりもわずかに短い。しかもクロストレックは大型の駆動バッテリーを搭載したことで床面が引き上がっており、荷室容量は315Lから279Lへと減少している。車内の快適性や利便性では、わずかな差でカローラクロスの勝ちと言えそうだ。

トヨタ カローラクロス ハイブリッドZ
ボディサイズ=全長4490mm×全幅1825mm×全高1620mm
ホイールベース=2640mm
車両重量=1400kg
タイヤサイズ=225/50R18(前後)

スバル クロストレック プレミアムS:HEV
ボディサイズ=全長4480mm×全幅1800mm×全高1575mm
ホイールベース=2670mm
車両重量=1660kg
タイヤサイズ=225/55R18(前後)

動力性能と燃費性能が大幅に向上したクロストレックS:HEV

エンジン排気量の増大と270Nmもの高トルクモーターの追加により、ストロングハイブリッドシステムを搭載したクロストレックS:HEVの動力性能はカローラクロスどころか、格上のトヨタ ハリアーやレクサスNXにも並ぶ。

燃費性能はカローラクロスFFモデルの26.4km/L、4WDモデルの24.5km/L(ともにハイブリッドZグレード)には及ばないものの、従来比で20%向上した18.9km/L(プレミアムS:HEV)となり、弱点だった燃費性能が大幅に改善された。

カローラクロスよりも40mm高い200mmの最低地上高に加え、モードセレクトで悪路走行性能を高める「X-MODE」も引き続き搭載されており、クロストレックS:HEVはモーターによる出力増強とレスポンス向上によってあらゆるシーンでの走行性能がさらに磨き上げられたと言ってよいだろう。

トヨタ カローラクロス ハイブリッドZ
エンジン形式=直列4気筒ガソリンエンジン+モーター
排気量=1797cc
最高出力=98ps/5200rpm
最大トルク=142Nm/3600rpm
トランスミッション=電気式CVT
駆動方式=2WD(FF)

スバル クロストレック プレミアムS:HEV
エンジン形式=水平対向4気筒ガソリンエンジン+モーター
排気量=2498cc
最高出力=160ps/5600rpm
最大トルク=209Nm/4000-4400rpm
トランスミッション=電気式CVT
駆動方式=4WD

経済性のカローラクロス vs. 上質感のクロストレック

車両価格はクロストレックS:HEVのほうが60万円ほど高くなるため、実用性と経済性の観点ではカローラクロスの地位を揺るがすほどの存在ではない。しかしクロストレックは、全グレードのあらゆる部分においてカローラクロスよりもコストをかけて仕上げられている。

低振動な水平対向エンジンや、滑らかなハンドルの操作感に寄与する2ピニオンステアリングラックなどは実用車として明らかに性能過剰だが、走りの質感向上に大きく貢献してくれる。また「S:HEV EXグレード(405万3500円)」を選べば、一定条件下でハンズオフを可能とする「アイサイトX」が追加されることも新型クロストレックの大きなトピックだ。

経済性ではなく上質感に主眼をおけば、クロストレックS:HEVはどのクルマよりも高いコストパフォーマンスの持ち主と言えるだろう。

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