BMWは何年も前から水素燃料のX5をテストしているが、次期モデルではついに通常生産に入るようだ。
次世代X5は、新しいICEモデルと完全電動のiX5だけでなく、2028年には水素燃料モデルも導入しそうだ。2024年モデルはBMWが米国の高級車セグメントでトップに立つという成功を収めたが、新型X5シリーズは同ブランドの売上をさらに押し上げる可能性がある。

次期型X5に関しては2024年7月にプロトタイプが目撃されており、新しいノイエ・クラッセにインスパイアされたデザインがプレビューされた。しかし小型な「iX3」がノイエ・クラッセ・プラットフォームを使用するのに対し、X5シリーズ次期型はBMW既存のクラスター・アーキテクチャ(CLAR)のアップグレード版をベースにすると予想されているのだ。
Autocar誌の調べによると、既存のプラットフォームが選ばれたのはノイエ・クラッセプラットフォームは主にEV向けに開発されており、内燃機関を搭載したX5次期型の必要性があったためだという。しかし、これはiX5がテクノロジー面でiX3に遅れをとるということではない。 BMWの第6世代モーター、800Vの電気アーキテクチャー、エネルギー密度が向上した円形バッテリーセルが使用される。

そして最大の注目は、従来のICE搭載のX5やEVに興味がない顧客向けに、水素燃料バージョンも用意されている点。これはトヨタと共同開発したパワートレインを採用すると思われる。詳細は明らかにされていないが、2年前の「iX5 Hydrogen」プロトタイプに比べて多くの改良が施されることは間違いないだろう。この車両は、前部に燃料電池スタックと2つの水素タンクを搭載しており、最高出力396psという優れた出力を発揮するという。
そのほか次期型では、手頃な価格グレードでは3.0L直列6気筒ターボガソリン及びディーゼルエンジンを搭載する48Vのマイルドハイブリッドバージョンがラインナップされる。ICEシリーズ最上位には、「X5 M60」が導入され、欧州では3.0L直列6気筒ターボのプラグインハイブリッド、北米では、4.4L V8ツインターボを搭載する可能性が高い。またEVでは「iX5 Mパフォーマンス」が予定されている。
2024年のBMWの米国における販売台数は、EVの需要が12%増加したこともあって、2.5%増の37万1346台となった。北米BMWの最高経営責任者セバスチャン・マッケンセン氏は「我々は25年を非常に楽観的に迎えており、米国におけるBMWにとって素晴らしい年になると考えている」と語り、「電動ドライブトレインから内燃機関を搭載したBMWまで、変化する顧客の好みに応えるのに有利な立場にある」と締めくくっている。
世界的にはEV市場の鈍化が伝えられているが、ノイエ・クラッセがBMWブランドを大きく変えていくのは間違いないだろう。






