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余裕の室内高で乗降性は抜群 快適&安全装備はハイレベル

ヴォクシーはミニバンの人気車種でノアの姉妹車だ。外観は水平基調のデザインだからボディの四隅がわかりやすく、同乗者の視界も良い。全長は4695㎜なので街中でも運転しやすい。外観の特徴はフロントマスクだ。姉妹車のノアに比べて、フロントグリルを大きくデザイン。開発者は「ノアのエアロ仕様よりも強い個性を求めるお客さまに向けてデザインした」という。ノアとはグレード構成も異なり、ヴォクシーには標準ボディが用意されずエアロパーツ装着車のみだ。
エクスエリア




全高はFFでも1895㎜と高く、床面地上高は380㎜に抑えているから、乗り降りがしやすく室内高にも余裕がある。床の高さが低めだから、座面との間隔が3列目シートまで最適化され、各シートの居住性も良好だ。身長170㎝前後の大人6名が乗車した時、2列目に座る乗員の膝先空間を握り拳ふたつ分に調節すると、3列目の膝先空間は握り拳ひとつ半になる。ライバル車のセレナは握り拳ふたつ半だから、ヴォクシーは少し狭いが、着座姿勢が適度で窮屈には感じない。
乗降性



注意したいのは自然吸気ガソリンエンジンとハイブリッドの違いだ。ガソリンエンジンでは、2列目に座る乗員の足が1列目の下に収まるが、ハイブリッドでは駆動用電池などが搭載されて収まりにくい。3列目に乗員が座らないときは、2列目を後方へ大きくスライドさせて足元空間を広げられるが、多人数乗車時にはそれができない。大勢で移動するときは、ガソリンエンジンの方が快適な居住性を得られる。
インストルメントパネル

各種の装備を充実させたことも大きなトピック。3列目のシートはレバーを引くと持ち上がり、サイドウインドウ側へ押し付けると自動的にロックする。3列目を持ち上げ、ストラップなどで固定する必要はなく、片手で格納できる。リヤゲートも好みの角度で止められるから、ボディの後方に十分な空間を確保できない場所でも荷物を出し入れしやすい。
居住性



パワーユニットは2種類。自然吸気ガソリンエンジンは2.0ℓ直列4気筒で、直噴式とポート噴射を併せもつD-4Sだ。実用回転域の駆動力に余裕があり、登り坂でもパワー不足を感じにくい。4000rpmを超えるとノイズが少し拡大するが音質に粗さはない。1.8ℓエンジンのハイブリッドは、登り坂のノイズがガソリンエンジンよりも少し粗い印象だが、モーター駆動の併用で平坦路では静かで滑らかだ。乗り心地は少し硬いが、17インチタイヤの「S―Z」のFFに比べると、16インチを履いたグレードの方が快適に感じる。走行安定性は全高が1900㎜前後のミニバンでは優れた部類に入り、ステアリング操作に対する車両の反応にも鈍さを感じない。ボディの傾き方が穏やかで唐突感を抑えているから、安心感が伴ってクルマ酔いも生じにくい。
うれしい装備





月間販売台数 5993台(24年5月~10月平均値)
現行型発表 22年1月
WLTCモード燃費 23.0 ㎞/ℓ※「HYBRID」系のFF車

ラゲッジルーム



安全装備が充実することも特徴だ。衝突被害軽減ブレーキは、右左折時にも作動して横断歩道上の歩行者も検知する。車両の接近を検知すると、スライドドアの作動を止めて降車時の安全を確保する機能もオプション設定された。ヴォクシーの安全/快適装備は、ライバル車と比べたときの一番のメリットになる。

