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TOYOTA COROLLA CROSS
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MAZDA CX-30
実用性に優れるカローラクロスと上質感で勝るCX-30!後席の広さは同等


ボディサイズはカローラクロスのほうが一回り大きいが、両車の後席空間はおおむね同等となっている。しかし、それ以外の点では違いが目立つ。全高とルーフ形状の違いにより乗降性に優れるのはカローラクロスだ。後席の開放感でもグラスエリア面積が広いカローラクロスのほうが上となる。
荷室空間は、CX-30のほうが僅かに幅が広いものの、奥行きは2名/5名乗車時ともにカローラクロスのほうが僅か広い。ただし、内外装の各部質感はCX-30の圧勝と言えるだろう。カローラクロスに対して後席の開放感に劣る点も、上質感を売りとするCX-30に限っては高級感と安心感を演出する要素となりうる。
なお、CX-30に新しく追加された「i セレクション」は、前席シートヒーターや電動シート、10.25インチディスプレイなどの装備を追加しながら従来よりも価格を抑えたCX-30の最廉価グレードだ。
トヨタ カローラクロス Z
ボディサイズ=全長4490mm×全幅1825mm×全高1620mm
ホイールベース=2640mm
車両重量=1380kg
タイヤサイズ=225/50R18(前後)
マツダ CX-30 20S i セレクション
ボディサイズ=全長4395mm×全幅1795mm×全高1540mm
ホイールベース=2655mm
車両重量=1420kg
タイヤサイズ=215/55R18(前後)
市街地走行でマイルドハイブリッドが活きるCX-30


両車はどちらも2.0L4気筒のガソリンエンジンが搭載されるが、CX-30は5.1ps/49Nmの発電機兼駆動アシストモーターを追加したマイルドハイブリッド「eスカイアクティブG」となる。
両車のWLTCモード平均燃費はカローラクロスの16.6km/L(Zグレード)に対し、CX-30は16.2km/L(20S i セレクション)だが、市街地燃費に限ってはカローラクロスの12.6km/Lに対してモーターアシストが入るCX-30が15.5km/Lと逆転する。
さすがにTHS-IIを搭載するカローラクロスのハイブリッドモデルに燃費性能では敵わないものの、ガソリンモデルに対してはマイルドハイブリッドシステムを搭載するCX-30はアドバンテージがある。動力性能に関しても、発進加速を頻繁に行う街乗りではハッキリとした違いを感じられるはずだ。
また、CX-30は低い全高に加えGベクタリングコントロールによる優れたシャシー制御なども特徴となる。運動性能で勝るのは圧倒的にCX-30だ。
トヨタ カローラクロス Z
エンジン形式=直列4気筒ガソリンエンジン
排気量=1986cc
最高出力=170ps/6600rpm
最大トルク=202Nm/4900rpm
トランスミッション=CVT
駆動方式=FWD
マツダ CX-30 20S i セレクション
エンジン形式=直列4気筒ガソリンエンジン+モーター
排気量=1997cc
最高出力=156ps/6000rpm
最大トルク=199Nm/4000rpm
トランスミッション=6速AT
駆動方式=FWD
約266万円の「CX-30 20S i セレクション」は間違いなくハイコスパだが…


CX-30のガソリンモデルに新追加された「i セレクション」の価格は約266万円となっており、ちょうどカローラクロスのガソリンモデルの最上級グレードと中間グレードの間におさまる価格だ。
ユーティリティ面ではカローラクロスに劣り装備も価格相応だが、CX-30にはそれ補ってあまりある洗練された内外装デザインと走りの良さが備わっている。
さらに「i セレクション」と同時にCX-30へ追加されたもうひとつのグレード「ブラックセレクション」は、ブラックのドアミラーカバーとホイールが装備され、インテリアには赤色のステッチ等の加飾を施しながら価格を据え置いた新グレードだ。
ただし、実質的に10万円以上の値下となった「20S i セレクション」であっても、実用性を含むコストパフォーマンスではカローラクロスのほうがまだまだ上といえるだろう。しかし街乗りを主体とする場合や、広さよりも上質なクルマに乗りたいと思うなら、CX-30の「i セレクション」と「ブラックセレクション」はどちらも十分にカローラクロスの対抗馬となるはずだ。