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■人気のハリアーが初のモデルチェンジ
2003(平成15)年2月17日、プレミアムSUVとして大ヒットしたトヨタ「ハリアー」が初めてのモデルチェンジを迎えて2代目が登場した。2代目は、高剛性ボディと改良サスペンション、さらに衝突被害軽減システムなど、特にこだわったのは優れたハンドリング性能と安全性能である。

プレミアムSUVというジャンルを開拓したハリアー

1997年にデビューした初代ハリアーは、カムリをベースにした流麗なスタイリングとセダンにも負けない広々した快適な室内空間によって、それまでのSUVにはなかった高級感を演出。装備についても、ワイドマルチディスプレイ、オプティトロメーター、キーレスエントリーなどを標準化し、高級車の定番である本革シートも設定された。

一方、最低地上高は185mmを確保、アプローチアングル28度、デパーチャーアングル23度と、オフロード走行にも対応可能。パワートレインは、140psを発揮する2.2L直4 DOHCエンジンおよび220psの3.0L V6 DOHCエンジンの2機種と、電子制御4速ATの組み合わせ、駆動方式はFFとフルタイム4WDが用意された。

高級セダンと4WDのいいとこ取りしたプレミアムSUVのハリアーは、翌年に米国で「レクサスRX」として発売され、日米で大ヒット。ハリアーは、世界中のSUVに大きな影響を与え、プレミアムSUVという新たなジャンルを確立したのだ。
快適な走りと安全性能に磨きをかけた2代目

2003年2月のこの日、初めてのモデルチェンジで2代目ハリアーがデビューした。ハリアーの基本コンセプトである“高級サルーンの基本性能を備えたSUV”というコンセプトをさらに進化させ、キャッチコピーは“ALL ROUND WINNER”である。

2代目が特にこだわったのは、ハンドリング性能に磨きをかけた快適な走りと先進の安全性能の追求であり、ハンドリングについては新設計のプラットフォームを組み込んだ高剛性ボディや、新開発の4輪独立サスペンションなどによって実現。最上級グレードには、電子制御サスペンションが設定された。


安全性能については、衝突安全ボディGOAや各種SRSエアバッグに加えて、インテリジェントAFS(アクティブ・フロントライティング・システム)やミリ波レーダーを使った世界初のプリクラッシュセーフティ(衝突被害軽減システム)などが設定された。
スタイリングは、基本的には初代を継承したが、よりシャープで精悍なフォルムに変更。パワートレインは、160psを発揮する2.4L直4 DOHCエンジンおよび220psの3.0L V6 DOHCエンジンの2機種と、4速(2.4L)/5速(3.0L)電子制御ATの組み合わせ、駆動方式は初代同様FFとフルタイム4WDが用意された。
車両価格は、2WD仕様で249万~281万円(2.4L)/281万~343万円(3L)に設定。2代目ハリアーも、初代ほどではないにしろ、順調な販売で滑り出した。
その後も進化し続けて堅調な人気のハリアー

2代目は、2005年にTHS IIハイブリッドシステムを搭載した「ハリアーHV」を追加し、環境性能と走行性能の両立が実現された。

2013年には、3代目ハリアーが登場。ハリアーは、2代目まではレクサスRXの日本向けという位置付けだったが、3代目からは日本市場専用モデルとなり、サイズがコンパクトになった。スタイリングは、よりダイナミックなフォルムとなり、ダイナミックトルクコントロール4WDを採用し、滑りやすい路面でも優れた安定性が実現された。


そして現行の4代目ハリアーは、2020年に登場。現行ハリアーは、優雅さと高級感を追求した新世代SUVとして、流麗なクーペフォルムが特徴。2022年には、大容量リチウムイオン電池を搭載した進化版PHEV(プラグインハイブリッド)が追加され、高い環境性能とともにモーター走行を組み合わせた力強い、楽しい走りが楽しめるようになった。
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2代目ハリアーは、見た目はキープコンセプトながら、その中身は大きく進化していた。日本市場では、SUVがセダンの代りに標準的なモデルになりつつあるので、オフロードで走れるだけでなく、一般路でもセダン以上の乗り心地や快適性が求められるようになったのだ。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。