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「YCC-T(ヤマハ電子制御スロットル)」を採用し、全回転域で滑らかなトルク特性を実現

「テネレ700 ABS」は、車体耐久性や整備性の高さ、荷物積載時の高い適応力など、オフロードの走破性とツーリングでのユーティリティ性を高次元でバランスさせたアドベンチャーモデル。
新しい「テネレ700 ABS」は“The Total Ténéré – Top in Adventure”をコンセプトに開発。オフロードでの高い走破性を進化させながらツーリングでの利便性も高めアップデートを図っている。主な変更点は、①「YCC-T」(電子制御スロットル)の採用、②走行モード切替システムやトラクションコントロール、機能を充実させたクイックシフター(アクセサリー設定)など走行支援テクノロジー、③前後サスペンションの最適化、④一体型フラットシート採用やタンク形状変更などによるライディング自由度向上、⑤“つながる”機能搭載の専用設計6.3インチフルカラーTFT縦型メーター、⑥ラリーイメージの新作ヘッドライトなどが挙げられる(詳細は下記にて)。
カラーリングは、YZF-RやYZシリーズとも連動したヤマハのスポーツイメージを象徴する「ブルー(ディープパープリッシュブルーメタリックC)」、堅牢さとアドベンチャーイメージを表現し、アウトドアシチュエーションにマッチする「マットグレー(マットイエローイッシュグレーメタリック2)」、そして1980年代前半のヤマハのラリーマシンを想起させる「ライトブルー(ブルーソリッドA)」の3色が設定された。
また、ローダウンシート&ローダウンリンクを装備したアクセサリーパッケージ「テネレ700 ABS Low」の販売も予定されており、こちらは税込147万4000円(予価)。詳細は改めて発表される。
①「YCC-T」を採用し、全回転域で滑らかなトルク特性を実現
「YCC-T(Yamaha Chip Controlled Throttle=ヤマハ電子制御スロットル)」を新たに採用。これによりCP2(クロスプレーン・コンセプトの2気筒)エンジンが備える全回転域でのリニアでスムーズな吹け上がりを支え、ライダーの操作にリニアに反応する出力特性を実現した。またインテーク形状を変更したことにより、低回転域でのトルクアップを達成し低速域でのオフロード走破性をさらに高めている。
②走行モード切替システムやトラクションコントロールなど走行支援テクノロジー

ふたつの走行モードを選べる機能と、ON・OFF可能なトラクションコントロール(TCS)を搭載。走行モードはオフロード走行用に鋭いスロットルレスポンスが得られる「SPORT」と、街中での扱いやすさを重視した「EXPLORER」の2モードから選択可能だ。また、加/減速時いずれもシフトアップ&ダウン可能なクイックシフターも別売アクセサリーとして設定。なお、継続して前後ON、前後OFF、リヤのみOFFが可能な3モードABSを搭載している。
③高性能な走りを支える前後サスペンションの最適化

43mm径インナーチューブの倒立式フロントサスペンションは、バルブのセッティングを見直すとともにプリロードアジャスター付きに。初期作動がより滑らかになり、接地感を得やすい特色がある。

リヤもストローク量を増やし、底付きしにくい減衰特性を備えたリザーバータンク付きリンク式モノクロスサスペンションを採用。フロントと調和して作動し、過酷な条件下でも高いパフォーマンスを発揮する。
④ライディング自由度の向上

ライダー側とパッセンジャー側とが一体となったフラットシートを採用。また、燃料キャップをフラットタイプのものへ変更し、燃料タンク形状も見直して天面を低く抑えることで、車両の上でライダーが動きやすいことを視覚的に表現している。さらに、クラッチのプッシュレバー位置を変更し、アクチュエーションポイント(赤丸のクラッチワイヤーがエンジン側に接続される部分)を35度後部に移動。プロテクションカバーも変更し、ライディングブーツの邪魔になりにくいレイアウトとなった。
⑤“つながる”機能搭載の専用設計6.3インチフルカラーTFT縦型メーター/直感的に操作可能な新作ハンドルスイッチなどの機能装備

「テネレ700」専用に新設計した6.3インチフルカラーTFT縦型メーターを採用。走行に必要な情報が見やすいレイアウトとなっている。スピードメーターやタコメーターのほか、燃料計、平均燃費、水温計、気温計、シフトインジケーターなどの表示機能を搭載。各機能の情報操作、セレクトは直感的に操作できる新作の統合型ハンドルスイッチで行う。表示パターンは従来同様、好みに応じて「EXPLORER」と「STREET」の2つのデザインテーマから選べる。

専用アプリ「Y-Connect (Yamaha Motorcycle Connect)」をインストールしたスマートフォンと車両を接続することで、電話やメールの着信通知など、多様なコンテンツが利用できる。さらにスマートフォン経由でGoogle Mapsを連携させることにより、交差点などでの進行方向を矢印アイコンなどで表示するターンバイターン表示にてナビゲーションを表示。USB-C充電ポートも標準装備だ。
⑥ラリーイメージの新作ヘッドライトと新スタイリング

ヘッドライトの4灯LED は、従来の丸からシャープな印象の四角へ変更された。取り付け位置を若干高めにし、配光などを新たに作り込んで光量を十分に確保。同時に新鮮でアグレッシブな印象を作りあげている。ヘッドライトのアップデートにあわせて、外装も一新。特徴的なハイフェイスと細身の車体による、ひと目でアドベンチャーモデルとわかる独創的なシルエットを継承している。
⑦そのほかの新装備

●搭載位置を変更しカバーを装着したサイドスタンドスイッチ。丸太や岩場に乗り上げた際にも抵触しにくくなり、オフロード走行を支える。
●大型化により、快適性とマシンコントロール性の向上に寄与するフットレスト。ラバーの取り外しが可能で、ラバー装着時はツーリング時の快適性、ラバーを取り外すとオフロード走行時のグリップ性に貢献。
●「2段階フラッシャー機能」「消し忘れ機能」を搭載したフラッシャー
