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TOYOTA COROLLA CROSS
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LEXUS RX
広さで優位のRX、高さで勝るカローラクロス




ボディサイズが大きく違うぶん、室内空間はRXのほうが広い。後席の頭上空間は同じくらいだが、前席を同じ運転者のシートポジションに合わせれば膝周りはRXのほうが150mmほど広くなる。もちろん左右空間に余裕があるのもRXだ。
荷室空間も断然RXのほうが広い。両車の荷室寸法はカローラクロスが最大荷室長848mm×最小荷室幅947mm×荷室高907mmに対し、RXは荷室長1043mm×最小荷室幅1088mm×荷室高458mmだ。荷室容量の公称値では487リッターと612リッターの違いがある。
ただし荷室高だけはカローラクロスが勝る。ルーフ形状の違いに加えてカローラクロスは荷室床面が低く、外観から想像する以上に多くの荷物が積み込める。
さらにオプションの「アクティブラゲージボックス」を装着すれば、倒したリヤシートの背もたれと荷室床面を揃えることができるうえ、ラゲージボードの下に荷物を収納することも可能だ。その状態であっても荷室高は約700mmとRXよりもカローラクロスのほうが天井にゆとりがある。
トヨタ カローラクロス ハイブリッドZ
ボディサイズ=全長4490mm×全幅1825mm×全高1620mm
ホイールベース=2640mm
車両重量=1400kg
タイヤサイズ=225/50R18(前後)
レクサス RX350 version L
ボディサイズ=全長4890mm×全幅1920mm×全高1705mm
ホイールベース=2850mm
車両重量=1870kg
タイヤサイズ=235/50R21(前後)
動力性能ではRXが圧倒!燃費性能はカローラクロスが上


RX350に搭載されるのは2.4Lターボエンジンだ。最大430Nmものトルクでカローラクロスより400kg以上重いRXの車体をストレスなく加速させる。
最廉価グレードであるRX350のFFモデルにはアクティブノイズコントロールや電子制御ダンパーは備わらないが、それでも入念な音振処理により高級車らしい高い静粛性が備わっている。
燃費性能は軽量かつ小排気量のカローラクロスの方が優れており、両車のWLTCモード平均燃費はカローラクロスが26.4km/L(ハイブリッドZグレード)に対し、RXは11.8km/L(RX350)だ。
2.5LエンジンのハイブリッドモデルとなるRX350hを選べば20.2km/Lにまで引き上がるが、価格はRX350よりも100万円近く高い。RXはPHEVの「RX450h+」や、2.4Lターボエンジンにハイブリッドシステムを組み合わせた「RX500h」などもラインナップするが、いずれもカローラクロスが複数台購入できるほど高額だ。
トヨタ カローラクロス ハイブリッドZ
エンジン形式=直列4気筒ガソリンエンジン+モーター
排気量=1797cc
最高出力=98ps/5200rpm
最大トルク=142Nm/3600rpm
トランスミッション=電気式CVT
駆動方式=2WD(FF)
レクサス RX350 version L
エンジン形式=直列4気筒ガソリンターボエンジン
排気量=2393cc
最高出力=279ps/6000rpm
最大トルク=430Nm/1700〜3600rpm
トランスミッション=8速AT
駆動方式=2WD(FF)
疑いようがないカローラクロスのコスパの高さ


RXの最廉価グレードと比べても価格は2倍以上も違う。動力性能や質感、静粛性は当然として、広さでもRXが上だ。
さらにRXは、独立して後席のエアコン温度設定が可能なうえ、軽く引くだけでドアを開けられるe-ラッチや後席の電動リクライニング&電動納機能など、高い価格に見合うだけの高級装備が搭載されている。
カローラクロスが優位な点は燃費性能と荷室高くらいのものといえるだろう。ただしRXは大柄であるぶん運転者を選ぶ。RXの最小回転半径が5.9mであるのに対し、カローラクロスは5.2mだ。手頃なボディサイズも相まって、狭い場所ではカローラクロスのほうが運転しやすい。
それでいてカローラクロスは、RXよりひとつ下の車格となる「レクサス NX」とおおむね同等の後席空間や荷室空間を備え、ハイブリッドZグレードを選べばアドバンストパークやハンズフリーバックドアなどの便利装備も備わる。
両車は購入時に比較されることはないであろうが、RXのオーナーが使いやすいクルマとしてカローラクロスを検討することはあるだろう。カローラクロスのスペース効率とコストパフォーマンスの高さは疑いようがないものだ。