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HONDA ACCORD
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TOYOTA CROWN CROSSOVER
トランクルームの広さと使い勝手が両車を隔てる




ボディ寸法はアコードのほうがわずかに大きい程度でほぼ同等だ。ホイールベースも同じくらいであり、両車は後席の広さも同じくらいとなる。ただし、乗降性は純粋なセダンスタイルのアコードと、SUVスタイルのセダンといえるクラウンクロスオーバーでは大きく異なる。
後席ドア開口の横幅はアコードのほうが広い。対するクラウンクロスオーバーはこのクラスとしてはドア開口面積が狭いが、高いルーフラインと後席座面高の高さにより乗降性はそれほど悪くない。ドアがサイドシルまで覆われ、乗り降りの際に衣服を汚しにくい点もクラウンクロスオーバーの美点だ。乗降性に関しては両車、一長一短といえるだろう。
どちらもノッチバックであり、トランクルームはアコードのほうが広く使いやすい。アコードの荷室容量は573Lで、クラウンクロスオーバーは450Lだ。どちらもゴルフバッグが横積みできるが、アコードは平均的なサイズのゴルフバッグが4つ積めるのに対し、クラウンは3つまでとなる。
さらにアコードにはリアシートを倒せば大開口のトランクスルーが使える。クラウンクロスオーバーにもトランクスルーは備わるが、開口面積は小さく積めるのは細長い物に限られそうだ。
ホンダ アコード e:HEV
ボディサイズ=全長4975mm×全幅1860mm×全高1450mm
ホイールベース=2830mm
車両重量=1580kg
タイヤサイズ=235/45R18(前後)
トヨタ クラウンクロスオーバー RS
ボディサイズ=全長4930mm×全幅1840mm×全高1540mm
ホイールベース=2850mm
車両重量=1910kg
タイヤサイズ=225/45R21(前後)
スポーツe:HEV vs. デュアルブーストハイブリッド


動力性能はクラウンクロスオーバー RSが優れ、燃費性能はアコードが勝る。アコードは高速走行時のみエンジンの駆動力を使って走行し、それ以外のほとんどのシーンを184ps/315Nmのモーターで駆動するスポーツe:HEVとなる。
パワートレインの構成やスペックはシビックとほぼ同じだが、エンジン稼働回転域の拡大と静粛性の向上が図られるうえ、制御にも手が加えられており約214psのシステム出力値以上にパワフルに感じられるだろう。
対するクラウンクロスオーバーのRSグレードに搭載されるのは、2.4Lエンジンにターボチャージャーと前後モーターを組み合わせたデュアルブーストハイブリッドシステムだ。
エンジン単体の最高出力だけでも272psを発揮し、さらにフロント82.9ps/292Nm、リア80.2ps/169Nmのモーターを加えたクラウンクロスオーバー RSのシステム最高出力は349psにも達する。しかし車重は300kg以上違うこともあって、一般用途では出力数値ほど大きな差は感じられないはずだ。
WLTCモード平均燃費はアコード e:HEVが23.8km/L、クラウンクロスオーバー RSが15.7km/Lとなる。アコードの燃費性能はクラウンクロスオーバーの2.5Lハイブリッドモデルをも上回る優れたものだ。
ホンダ アコード e:HEV
エンジン形式=直列4気筒ガソリンエンジン+モーター
排気量=1993cc
最高出力=147ps/6100rpm
最大トルク=182Nm/4500rpm
トランスミッション=電気式CVT
駆動方式=2WD(FF)
トヨタ クラウンクロスオーバー RS
エンジン形式=直列4気筒ガソリンターボエンジン+モーター
排気量=2393cc
最高出力=272ps/6000rpm
最大トルク=460Nm/2000〜3000rpm
トランスミッション=6速AT
駆動方式=4WD
実質的に価格差はパワートレインの差


車両価格は125万円ほどの差でクラウンクロスオーバー RSのほうが高い。
両車はどちらにも電子制御サスペンションや静音ホイールなどが備わっており装備内容は互角といえるだろう。パワートレインを除くスペックもほぼ同じだ。この大きな価格差はパワートレインの差と言い換えてもよさそうだ。
アコードはモーター駆動を主体としながらも、純エンジン車のような疑似変速制御を伴ってスポーティかつ軽快に走る。対するクラウンクロスオーバー RSは、エンジンとモーターの両方が繰り出す有り余るパワーをE-Fourによる後輪駆動力制御と後輪操舵システム「DRS」との協調制御でねじ伏せて走る。
アコードも日常用途では困らないだけの動力性能を備えてはいるが、それ以上のパフォーマンスを備えた国産セダンを求めるのであればクラウンクロスオーバーRSは筆頭格となる。