【同族比較】違いはココだ! 待望の新型クラウン エステートはクラウン クロスオーバーとどう違う?

トヨタのクラウンシリーズには、クーペライクSUVのクラウン クロスオーバー、スポーツハッチバックのクラウン スポーツ、オーソドックスなクラウン セダン、そして2025年3月13日に発表された、シリーズのトリを飾るワゴンライクSUVのクラウン エステートの4つのモデルがあります。
中でもクラウン エステートと同じく“SUV”として紹介されているクラウン クロスオーバーとでは、どう違うのでしょう? 今回はデザインやボディサイズをはじめ様々な違いを比較して、双方の使い勝手に見合うユーザー像を探ってみました。

1.デザインの違い

クラウン クロスオーバー フロントビュー
クラウン クロスオーバー リヤビュー

クラウン クロスオーバー:SUVとセダンを融合させたデザインが特徴で、高い視認性と洗練されたスタイルを持ち合わせています。

クラウン エステート フロントビュー
クラウン エステート リヤビュー

クラウン エステート:SUVとワゴンを融合させたようなデザインとなり、ダイナミックな造形と、仲間や家族とのアクティブライフを楽しむためのユーティリティを追求したデザインが特徴です。伸びやかなキャビンに車両前後を貫くシャープなショルダーラインとフロントフード上のキャラクターラインがシームレスに繋がり、洗練された外観を実現しています。21インチの大径タイヤを標準装着することで、力強さを加えています。

2.ボディサイズなどの違い

クラウン クロスオーバー
クラウン エステート

クラウン クロスオーバー:全長4930mm×全幅1840mm×全高1540mm、ホイールベースは2850mmです。

車両重量は2.4LターボハイブリッドのRSが1910kg、2.5Lハイブリッドが1750kg(X)~1810kg(Z)となっています。

クラウン エステート:全長4930mm×全幅1880mm×全高1620mm、ホイールベースは2850mmです。全長はクロスオーバーと変わらないものの、全幅が40mm、全高が80mm大きくなっています。このため数値の差以上にクロスオーバーより見た目が大きく感じます。

車両重量は2.5LプラグインハイブリッドのRSが2080kg、2.5LハイブリッドのZが1890kgとなっています。プラグインハイブリッド車が重いのは当然ですが、ハイブリッド車の重量差はボディ重量の差でしょう。

3.車内サイズの違い

クラウン クロスオーバー
クラウン エステート

クラウン クロスオーバー:室内長1980mm×室内幅1540mm×室内高1170mmです。

クラウン エステート:室内長1930mm×室内幅1540mm×室内高1200mmです。クラウン・クロスオーバーに比べて室内高では30mm大きくなっていますが、意外にも逆に室内長は50mm短くなっています。両車ともクラウンシリーズ共通の“アイランドアーキテクチャー”を採用し、メーター・ディスプレイを水平に配置することで、視線移動を最小限にとどめるデザインとしています。

4.荷室容量の違い

クラウン クロスオーバー
クラウン エステート

クラウン クロスオーバー:450Lの荷室容量があり、9.5インチのゴルフバッグを3個まで収納可能です。日常的な使い勝手としては必要十分以上の容量ではないでしょうか。

クラウン エステート:通常時に570L、リヤシート格納時には1470Lの荷室容量を確保しています。後席を折りたたみ、トヨタとして初めて装備した“ラゲージルーム拡張ボード”を用いてシート収納部とラゲッジフロアとの段差を解消することで、長さ2mにおよぶフルフラットなフロアを得ることができ、車中泊をはじめレジャーやアウトドアなどさまざまなシーンでの利便性が高められています。

5.シャシーとボディ構造の違い

クラウン クロスオーバー
クラウン エステート

クラウン クロスオーバー:新しいGA-Kプラットフォームを採用し、SUVとセダンの特性を融合させたユニークなボディを構築しています。

クラウン エステート:GA-Kプラットフォームを活かした伸びやかなキャビンが構築され、シャープなショルダーラインを実現したデザインを実現しています。

6.パワーユニットの違い

クラウン クロスオーバー 2.5Lハイブリッドシステム
クラウン クロスオーバー 2.4Lターボ デュアルブーストハイブリッドシステム

クラウン クロスオーバー:2.4Lターボハイブリッド(RS)のT24A-FTS型直列4気筒ターボエンジンと2.5Lハイブリッド(Z/G/X)のA25A-FXS型直列4気筒エンジンの2種類が用意されています。

2.4Lターボは200kW(272ps)/6000回転の最高出力と460Nm(46.9kgm)/2000〜3000回転の最大トルクとなり、2.5Lは137kW(186ps)/6000回転の最高出力と221Nm(22.5kgm)/3600〜5200回転の最大トルクとなります。システム最高出力は2.4Lターボが257kW(349ps)、2.5Lが172kW(234ps)となっています。

なお、燃費は2.4Lターボハイブリッド車がWLTCモードで15.7km/L、2.5Lハイブリッド車は22.2~22.4km/Lです。クラウン・ファミリーの中では決して良いとは言えないターボハイブリッド車の燃費は、システム最高出力257kWとの引き換えとなっていると言えるかもしれません。また、ターボハイブリッド車のみ燃料は無鉛プレミアムですので、維持するにあたっての燃料代的にもいささか厳しいかもしれません。

クラウン エステート 2.5Lハイブリッドシステム
クラウン エステート 2.5Lプラグインハイブリッドシステム

クラウン エステート:ハイブリッド車(HEV)とプラグインハイブリッド車(PHEV)の2種類が設定されています。エンジンは同じ2.5L 直列4気筒のA25A-FXS型。HEVは最高出力140kW(190ps)/6000回転、PHEVは130kW(177ps)/6000回転の最高出力となり、最大トルクはHEVが236Nm(24.1kgm)/4300-4500回転、PHEVが219Nm(22.3kgm)/3600回転となります。システム最高出力はHEVが179kW(243ps)、PHEVが225kW(306ps)です。

なお、燃費はハイブリッド車がWLTCモードで20.3km/L、プラグインハイブリッド車は20.0km/Lです。ハイブリッド車同士の比較では、燃費はクラウン エステートの方が僅かに悪いのですが、これは車両重量の差に由来するものと思われます。燃料タンク容量はクラウン クロスオーバー、クラウン エステートともに55Lです。

7.足まわりや駆動系の違い

マクファーソンストラット式フロントサスペンション
マルチリンク式リヤサスペンション

クラウン クロスオーバー:サスペンション形式はフロントがマクファーソンストラット式、リヤがマルチリンク式です。最小回転半径は5.4mで、小回りが利き運転しやすい設計となっています。

トランスミッションはRSが6速AT、他が電気式CVT。駆動方式は全車電気式4WD(RSは進化版)。タイヤサイズはフロント、リヤともRSとZが225/45R21、GとXが225/55R19となっています。

クラウン エステート:サスペンション形式はクラウン クロスオーバーと同じです。ただし最小回転半径は5.5mと若干大きくなりますが、全車が幅広大径タイヤを装着しており、力強さと安定性を追求しています。

トランスミッションは全車電気式CVT。駆動方式は全車電気式4WD。タイヤサイズは全車フロント、リヤとも235/45R21となっています。クラウン クロスオーバーの一部グレードは同じ21インチ径のタイヤを装着していますが、タイヤ幅がクラウン エステートと異なります。

8.価格の違い

クラウン クロスオーバー:ハイブリッド車ではXが440万円、Gが515万円、Zが595万円。ターボハイブリッドのRSが670万円となっています。

クラウン エステート:ハイブリッドのZが635万円、プラグインハイブリッドのRSが810万円となっています。ハイブリッド車の比較ではクラウン エステートの方がやや高めで、クラウン クロスオーバーのRSとは異なってプラグインハイブリッド車であるRSの価格は断然高価なものとなっています。ただしプラグインハイブリッド車は、国や自治体の補助金が適用され、負担額が安く抑えられる可能性があります。

結論:どちらのクルマがどんな人に向いているか?

トヨタとしては同じ“SUV”カテゴリーに分類しているとは言え、クラウン クロスオーバーはSUVならではの高い視点とセダンの快適性を求める方、スタイリッシュなデザインと高い燃費性能を重視する方に適していると言えるでしょう。早く快適に移動したいユーザーに適していると言えます。

他方、クラウン エステートは広い荷室容量と実用性を重視する方、家族や仲間との長距離ドライブやアクティブライフを楽しむ方に適していると言えます。レジャーやアウトドア活動を積極的に行なうユーザーにとっては、優れたユーティリティ性能が魅力となることでしょう。

クラウン クロスオーバーもクラウン エステートもどちらも十分に魅力的なクルマです。自分のライフスタイルに合わせてチョイスするのが“正解”と言えるでしょう。

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