レクサス「GS」4代目にハイブリッド「GS450h」が704万円~追加デビュー【今日は何の日?3月19日】

レクサスGS450h
レクサスGS450h
一年365日。毎日が何かの記念日である。本日3月19日は、レクサスブランドの高級ミディアムスポーツセダン「レクサスGS」4代目(日本では2代目)のハイブリッドモデル「GS450h」が誕生した日だ。GS450hは、3.5L V6エンジンにリダクション機構付きTHS-IIシステムを組み合わせたFRハイブリッドである。
TEXT:竹村 純(Jun TAKEMURA)/PHOTO:三栄・LEXUSのすべて、LEXUS GSのすべて、新型アリストのすべて

■4代目レクサスGSにハイブリッド450h追加

2012(平成24)年3月19日、レクサスは高級ミディミアムスポーツセダン「レクサスGS450h」の販売を始めた。これは、レクサスGSの4代目(日本では2代目)であり、同年1月26日に発売されたガソリンモデル「GS250」と「GS350」に続いたハイブリッドモデルである。

レクサスGS450h
2012年にデビューしたハイブリッド車「レクサスGS450h」
レクサスGS450h
2012年にデビューしたハイブリッド車「レクサスGS450h」

レクサスGS、2代目まで日本ではアリストとして発売

1991年にデビューした初代「アリスト」(海外名:レクサスGS)
1991年にデビューした初代「アリスト」(海外名:レクサスGS)

レクサスGSは2005年8月、日本でのレクサスブランド開業と同時に、新型車として販売がスタートした。しかし、日本で初代となるGSは世界的に見ると3代目であり、初代と2代目は日本では「アリスト」の車名で販売された。

初代アリストは、1991年に高性能な高級セダンとしてデビュー。基本コンポーネントは、同時にデビューした「クラウンマジェスタ」と共用。最大の特徴は、イタリアの巨匠ジウジアーロが率いるイタルデザイン社が手掛けたアグレッシブなスタイリングだった。

もうひとつの特徴は優れた走行性能である。エンジンはNAと最高出力280psを発揮する3.0L直6 DOHCツインターボで、ツインターボ車はその圧倒的な加速感がファンの間で注目されて人気を獲得した。

2代目「アリスト」
1997年にデビューした2代目「アリスト」(海外名:レクサスGS)

1997年には、モデルチェンジで2代目に移行。デザインは先代のイメージを継承しつつ、新開発のプラットフォームを採用し、エンジンの搭載位置を後方に下げるなどして前後重量配分を適正化し、ハンドリング性能を向上させた。

エンジンは、先代から引き継いだが、VVT‐iの採用や吸気系の改良によってパワーアップした。アリストはこの2代目で終了し、次世代モデルから「レクサスGS」に移行した。

日本でレクサスGS登場

日本の初代レクサスGS(世界的には3代目)は、2005年のレクサスブランドの開業と同時に登場した。

初代「レクサスGS」(世界的には3代目)
2005年にデビューした初代「レクサスGS」(世界的には3代目)

スタイリングは、低く構えたノーズから滑らかな形状のCピラーを経て、ハイデッキのリアエンドに収束するスポーティなフォルム。インテリアについても、先進技術と最高の素材を融合させ、特にメーターはアルミをメーターのフェイスに使って磨き上げた金属光沢が高級感を印象づけた。

ラインナップは、280psを発揮する4.3L V8 DOHC搭載の「GS430」と、315psを発揮する3.5L V6 DOHCエンジンを搭載した「GS350」の2種で構成。トランスミッションは、電子制御6ATが組み合わされ、駆動方式はFRを基本にGS350には4WDが設定された。

翌2006年3月には、日本のレクサスブランドとして初のハイブリッド車「GS450h」を追加。エンジンは、GS350用の3.5Lだが、モーターとの組合せにより4.5L並みの345psを発生することからモデル名を「450」にしたのだ。さらに2007年10月には、347psを発揮する新開発の4.6L V8 DOHCエンジンを搭載した「GS460」が加わり、同時にATが6速から8速ATに変更された。

走りと燃費をブラッシュアップした2代目レクサスGS

2代目GS(世界的には4代目)は、エンジン車の「GS350」と「GS250(新設定)」が2012年1月に、ハイブリッドモデル「GS450h」が3月のこの日に発売された。

レクサス2代目「GS350」、「GS250」
2012年にデビューしたレクサス2代目「GS350」、「GS250」

スタイリングは、次世代レクサスを象徴するフロントフェイスとして力強いスピンドルグリルを採用し、先進かつ洗練されたデザインを採用。インテリアは、量産車として世界最大の12.3インチワイドディスプレイや、マウス感覚の操作ができるリモートタッチ、レクサス初となる自発光指針のアナログクロックなどを採用し、デザイン性と使いやすさが見事に調和されていた。

2GR-FSEエンジン
初代レクサスGS350に搭載されるV6 DOHCの2GR-FSEエンジン

GS350には、最高出力318ps/最大トルク38.7kgmを発揮する3.5L V6 DOHCエンジンを、GS250には215ps/26.5kgmの2.5L V6 DOHCエンジンを搭載。GS350は、D-4S(筒内+ポート噴射)システムを採用し、高出力と低燃費・低エミッションの両立が図られた。

レクサスGS450h
2012年にデビューしたハイブリッド車「レクサスGS450h」
2代目「レクサスGS450h」のハイブリッド構成
2代目「レクサスGS450h」のハイブリッド構成

そしてGS450hには、アトキンソンサイクル化した295ps/36.kgmを発揮する3.5L V6 DOHCエンジンと200ps/28.0kgmのモーターを組み合わせたハイブリッド(2段変速式リダクション機構付きTHS II)を搭載。先代モデルに設定されていたV8エンジン搭載車は廃止され、その代わりとして同レベルの動力性能を発揮するハイブリッドGS450hが設定されたのだ。

レクサスGS450h
レクサスGS450hのプラットフォーム
レクサス2代目「GS350」、「GS250」
レクサス2代目「GS350」、「GS250」に搭載されるエンジン
レクサスGS450h
レクサスGS450hのハイブリッドエンジン
レクサスGSのシャシー
レクサスGSのシャシー

トランスミッションは、エンジン車は6速ATで、ハイブリッドモデルはCVT。駆動方式はFRが基本だが、GS350だけは4WDモデルも用意された。

レクサスGSファミリー
レクサスGSファミリー

車両価格は、GS250が514万~604万円、GS350が595万~695万円(FR)、GS450hが704万~804万円に設定された。しかし、惜しまれながら2020年8月に生産を終えた。

レクサスGS450h
2012年にデビューしたハイブリッド車「レクサスGS450h」

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トヨタの最高級車「クラウン」は、社用車やショーファーカーとして使用することも多いが、一方のレクサスはドライバーズシートが特等席で、ステアリングを握るドライバー中心のクルマに仕上がっている。なかでもレクサスGSは、スポーティな走行をドライバーに提供してくれたクルマだった。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。

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著者プロフィール

竹村 純 近影

竹村 純

某自動車メーカーで30年以上、自動車の研究開発に携わってきた経験を持ち、古い技術から最新の技術までを…