目次
「PROXES」装着車両でニュル耐久シリーズ・ニュル24時間に参戦
TOYO TIRE株式会社は3月17日、2025年のニュルブルクリンク耐久シリーズ(NLS)およびニュルブルクリンク24時間レース(ニュル24時間)に参戦することを発表した。参戦する車両には、同社のグローバル・フラッグシップブランド「PROXES」の専用レースタイヤを装着し、「TOYO TIRES with Ring Racing」としてレースに挑む。
NLSは、ニュル24時間への参戦ドライバーがコースの習熟や実戦テストを行うための前哨戦としての役割を果たすシリーズ戦である。さらに、本年より「TOYOTA GAZOO Racing(TGR)」の若手ドライバーを起用し、レース活動を通じた技術開発と人材育成を強化する方針だ。
TOYO TIREの参戦クラスと車両

トーヨータイヤは2020年から継続してNLSおよびニュル24時間に参戦しており、本年はアップデートされた専用レースタイヤ「PROXES Slicks(ニュルブルクリンクスペック)」を装着し、以下のクラスに参戦する。
・SP8Tクラス(TOYOTA GR Supra GT4 EVO)
排気量2,500cc以上4,000cc以下の市販車両(ターボ付き)が対象。
TGRドライバー4選手を起用
・SP-PROクラス(Porsche 911 GT3 Cup)
排気量3,000cc以上の車両が対象。
最も改造範囲が広いクラス。
昨年SP10クラスで年間チャンピオンを獲得した3選手が参戦。
・SP10クラス(TOYOTA GR Supra GT4 EVO)
グループGT4カテゴリの車両が対象。
PROXESブランドアンバサダーの木下隆之選手が参戦。
また、本年よりSP8Tクラスでは、TGRの若手ドライバー4選手(中山雄一選手、ジュリア―ノ・アレジ選手、小高一斗選手、小山美姫選手)を起用し、レース活動を通じたタイヤ開発とドライバー育成を進める。特に、耐久レースの過酷な環境で得られるデータをもとに、レース用タイヤのさらなる性能向上を目指す。




トーヨータイヤは、過酷なレースでの走行経験を活かし、高品質・高機能なタイヤ開発を加速させる。また、「持続可能なモビリティライフの実現」を掲げ、環境負荷の低減にも取り組んでいく。本年のNLSおよびニュル24時間での成果が、今後の製品開発やモータースポーツ活動にどのように活かされるのか注目したい。
サステナブル素材の活用
また、SP-PROクラス参戦用の「PROXES Slicks(ニュルブルクリンクスペック)」には、タイヤ重量の33%にサステナブル素材を使用。バイオマス由来のスチレンブタジエンゴムやブタジエンゴム、植物由来オイル、もみ殻灰シリカ、再生ビードワイヤーを採用し、環境負荷の低減を図っている。
ニュルブルクリンク耐久レースとは
ニュルブルクリンク耐久シリーズ(NLS)およびニュルブルクリンク24時間レース(ニュル24時間)は、世界でも有数の過酷な耐久レースとして知られている。舞台となるニュルブルクリンクは、ドイツ・ラインラント=プファルツ州のニュルブルクに位置し、約5kmのGPコースと約20kmの北コース(ノルドシュライフェ)から構成される全長約25kmのサーキットだ。特にノルドシュライフェは、標高差300m、170ヵ所以上のコーナーを持つことから、車両性能の指標としても重要視され、多くの自動車メーカーやタイヤメーカーがテストを行う場となっている。