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■3代目デミオ(Mazda2)がWCOTYの栄誉に輝く

2008(平成20)年3月20日、米国で開催中のニューヨークオートショー会場で、マツダ「デミオ(Mazda2)」が“2008ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー(WCOTY)”を受賞した。WCOTYは、対象年の1月1日以前に導入されたモデルについて、世界各国の自動車ジャーナリストによって審査され、投票によって1車種が選ばれる名誉ある賞である。
受賞した3代目デミオの初代は1996年に誕生
マツダは、1991年に始まったバブル崩壊と国内販売網の拡大(5チャンネル化)による失速によって経営危機に陥り、1996年にフォードの傘下に収まった。
![マツダ初代[デミオ]](https://motor-fan.jp/mf/wp-content/uploads/sites/4/2025/03/20250320_mazda_demio_03a-1024x685.jpg)
フォード傘下となった直後の1996年にデビューした初代デミオは、当時人気だったミニバンとステーションワゴンを融合したような新しいスタイルのコンパクトワゴンが特徴。合理的なプラットフォームによって、コンパクトながら多彩なシートアレンジや広いラゲッジスペースを実現して、実用性と居住性を両立させた。
パワートレインは、1.3&1.5L直4 SOHCの2種エンジンと、5速MTおよび4速ATの組み合わせ、駆動方式はFFだった。
![マツダ初代[デミオ]](https://motor-fan.jp/mf/wp-content/uploads/sites/4/2025/03/20250320_mazda_demio_03b-1024x790.jpg)
シンプルでボクシーなスタイリングも新鮮で、ファミリー層だけでなく、ビジネス用途としても人気を獲得し、発売1ヶ月の受注は2万台を超え、発売後1年で生産台数10万台、約6年通算で47万台を販売する大ヒットとなった。
初代デミオは、まさに苦境に喘いでいたマツダの救世主となり、復活の起爆剤となったのだ。
ボディを大きくしてパワーアップした2代目
![マツダ2代目[デミオ]](https://motor-fan.jp/mf/wp-content/uploads/sites/4/2025/03/20250320_mazda_demio_04a-1024x721.jpg)
マツダは、2001年の東京モーターショーで走る歓びを追求する、新しいブランドメッセージ「Zoom-Zoom」を発表。それを具現化する第1弾が、翌2002年にデビューしたミドルクラスセダン「アテンザ」、続いたのが2002年にデビューした2代目デミオである。なお、2代目から本格的な世界戦略車となり、欧州を中心に「Mazda2」として海外展開が始まった。
2代目デミオは、基本的には初代のキープコンセプトだが、パワートレインやサスペンション、ブレーキなどすべてを一新。ボディサイズが拡大され、ボクシーながらエッジを丸めたソフトなフォルムとなり、シート間隔を拡大したゆとりある室内空間と質感の高さがアピールポイントだった。
![マツダ2代目[デミオ]](https://motor-fan.jp/mf/wp-content/uploads/sites/4/2025/03/20250320_mazda_demio_04b-1024x584.jpg)
パワートレインは、パワーアップした新開発の1.3L&1.5L直4 DOHCエンジンと4速ATおよび5速MTの組み合わせ、駆動方式は当初FFのみだったが、途中から4WDも追加された。
2代目デミオも発売1ヶ月で1.5万台と好調に滑り出し、初代ほどではないが堅調に販売を増やし、初代から10年余りで100万台を突破してデミオの人気を不動のものとした。
WCOTY の栄誉に輝いた3代目

2007年、モデルチェンジで3代目に移行。2代目までのファミリーカー志向から、3代目はメインターゲットを若年層、特に女性にも気軽に運転が楽しめるコンパクトカーへと変貌した。
スタリングは、コンパクトワゴンからウェッジシェイプとなり、最大の特徴は100kgの軽量化やミラーサイクルエンジンの採用によって、トップクラスの燃費を実現したこと。ボディ構造の見直しで22kg、リアシートの構造を簡素化して20kg、サスペンションで13kg、排気系で5kgなどの軽量化に成功し、車両重量は1000kg以下に収まった。


パワートレインは、最高出力91ps/最大トルク12.6kgmの1.3L、113ps/14.3kgmの1.5L直4 DOHC(一部グレードにはミラーサイクル搭載)、トランスミッションはマツダ登録車初のCVTおよび5速MTの組み合わせで、ミラーサイクルエンジン+CVTモデルは軽量化と相まって、燃費はトップクラスの23km/L(10-15モード)を達成した。

3代目デミオは、2008年欧州カー・オブ・ザ・イヤーで2位に選出されるなど各国のカー・オブ・ザ・イヤーを受賞し、発売後1ヶ月の受注台数が1.5万台に達する好調な販売を記録した。

そして、2008年のこの日、“2008ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー(WCOTY)”を受賞した。WCOTYは、世界各国の自動車ジャーナリスト47名によって、スタイリングや走行性能、安全性、環境性能など約20の項目が審査され、最終的に投票で1車種が選ばれる。最終選考に残った「フォード・モンデオ」と「メルセデス・ベンツCクラス」に競り勝っての受賞となった。なお、日本車の受賞は2007年の「レクサスLS460」に続き、2年連続の受賞だった。


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4代目デミオは、2014-2015年の日本カー・オブ・ザ・イヤーにも選ばれている。コンパクトカー激戦区でデミオは国内外で高い評価を獲得しているが、もう少し人気や販売台数で上位にきてもよいのではないかと思う。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。