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SUVとはこんなクルマ!

SUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)という車種の定義には諸説ありますが、一般的なイメージとしては、高めの最低地上高と広い室内空間を備え、オンロード・オフロードを問わず多目的に活用できる車両の総称です。本格的な悪路走破性を持つラダーフレーム構造のオフロードSUV(クロスカントリー車とも呼ばれます)と、乗用車プラットフォームをベースに快適性を重視したクロスオーバーSUVとに大別されます。さらにそのサイズでコンパクトSUVからフルサイズSUVまで細分化されています。近年ではオフロード性能を絶対視する実用的なモデルではなく、都市部での使い勝手や燃費性能を重視したモデルが主流となっています。
中古車市場で人気のSUV トップ10 (2025年3月版)
SUVは新車は当然として、中古車市場でも人気の高いジャンルです。ここでは現在の中古車市場で人気の高い上位10車種(*)をカウントダウン方式でご紹介しましょう。それぞれに個性や強みがあり、用途やライフスタイルに応じた選択が求められます。購入を検討される際は、試乗を通じて実際の乗り心地や使い勝手を確認することをおすすめします。
*ランキングは弊メディアの独自アンケート調査による。型式認証不正該当車のうち、生産終了車両に遡っての対処未確認車両を含んだ車種は除く。
10位:スバル・5代目フォレスター(SK型)

全車AWD(シンメトリカルAWD)を標準装備し、悪路走破性と安定した走行性能を備えたSUVです。運転支援システム“アイサイト”も搭載され、安全性能も高く評価されています。アウトドア向けの広い室内と大容量の荷室はファミリー層にも人気があります。ただし、燃費はハイブリッドSUVと比べると劣り、デザインの好みが分かれる点は留意すべきでしょう。

新車価格(2025年3月現在):330~339.9万円
中古車価格(車両本体価格+諸費用):169~463万円
詳細スペック: アーバンセレクション / 5AA-SKE
全長×全幅×全高(㎜)=4640×1815×1715
ホイールベース(㎜)=2670
エンジン:2.0ℓ 水平対向4気筒DOHC16バルブ+モーター
駆動:4WD
最高出力:107kW(145ps)/6000rpm
最大トルク:188Nm(19.2kgm)/4000rpm
使用燃料:無鉛レギュラーガソリン
トランスミッション:CVT
車重(kg):1640
燃費:14.0km/L(WLTCモード)
新車価格:330万円
※2024年発売当時のスペック
9位:ホンダ・ZR-V(RZ型)

シビックのプラットフォームをベースにしたミドルサイズSUVです。1.5Lガソリンターボと2.0Lハイブリッドの2種類を用意し、ハンドリング性能に優れています。都会的なデザインとスポーティな走りが魅力で、都市部での使用にも適しています。しかし、ラゲッジスペースは競合モデルと比べるとやや狭く、新車の価格設定もやや高めに感じられます。

新車価格(2025年3月現在):320.87~450.67万円
中古車価格(車両本体価格+諸費用):257~446万円
詳細スペック:e:HEV Z/ 6AA-RZ6
全長×全幅×全高(㎜)=4570×1840×1620
ホイールベース(㎜)=2655
エンジン:2.0ℓ 水冷直列4気筒DOHC16バルブ+モーター
駆動:4WD
最高出力:104kW(141ps)/6000rpm
最大トルク:182Nm(18.6kgm)/4500rpm
使用燃料:無鉛レギュラーガソリン
トランスミッション:CVT
車重(kg):1630
燃費:21.5km/L(WLTCモード)
新車価格:437.91万円
※2024年発売当時のスペック
8位:レクサス・2代目NX(AZ20型)

同じレクサスのSUVであるRXよりコンパクトながら、プレミアムSUVとしての魅力を持つモデルです。ガソリンモデル、ハイブリッドモデル(HEV)、プラグインハイブリッドモデル(PHEV)の3種類のパワートレインが用意されており、中でもPHEVモデルのNX450h+はEVモードで60km以上の走行が可能で、高い環境性能と実用性を兼ね備えています。また、デジタルキーや最新のタッチスクリーンなど先進装備も充実しています。ただし、荷室はそれほど広くなく、価格が高めな点はデメリットでしょう。なお、ガソリンモデルは2025年6月の生産終了がアナウンスされています。

新車価格(2025年3月現在):485~772.5万円
中古車価格(車両本体価格+諸費用):460~970万円
詳細スペック:350h Fスポーツ/ 6AA-AAZH25
全長×全幅×全高(㎜)=4660×1865×1660
ホイールベース(㎜)=2690
エンジン:2.5ℓ 直列4気筒DOHC+モーター
駆動:4WD
最高出力:140kW(190ps)/6000rpm
最大トルク:243Nm(24.8kgm)/4300~4500rpm
使用燃料:無鉛プレミアムガソリン
トランスミッション:CVT
車重(kg):1820
燃費:19.9km/L(WLTCモード)
新車価格:667.6万円
※2024年発売当時のスペック
7位:レクサス・5代目RX(ALA10/ALH10型)

レクサスならではの、上質な乗り心地と高級感のあるインテリアが特徴のラグジュアリーSUVです。パワートレインはハイブリッドモデル(RX500h)やプラグインハイブリッドモデル(RX450h+)が用意されており、静粛性にも優れています。運転支援システム“Lexus Safety System +”を搭載し、安全性も高められています。ただし、価格帯が高めなことと、後席のリクライニング角度が浅めな点は気になるポイントでしょう。

新車価格(2025年3月現在):668~903万円
中古車価格(車両本体価格+諸費用):685~1128万円
詳細スペック: 500h Fスポーツパフォーマンス/ 5AA-TALH17
全長×全幅×全高(㎜)=4890×1920×1700
ホイールベース(㎜)=2850
エンジン:2.4ℓ 直列4気筒インタークーラー付ターボ+モーター
駆動:4WD
最高出力:202kW(275ps)/6000rpm
最大トルク:460Nm(46.9kgm)/2000~3000rpm
使用燃料:無鉛プレミアムガソリン
トランスミッション:6速AT
車重(kg):2100
燃費:14.3km/L(WLTCモード)
新車価格:903万円
※2025年発売当時のスペック
6位:トヨタ・300系ランドクルーザー(J300型)

世界的に高い信頼性を誇るフルサイズSUVです。従来のV8エンジンから3.5L V6ツインターボと3.3Lディーゼルターボへと変更され、燃費性能とパワーのバランスが向上しました。オフロード性能も非常に高く、過酷な環境でも走行可能です。しかし、新車価格が高額なうえ、中古車市場でもプレミア価格となる傾向が見られ、購入のハードルが極めて高い点には注意が必要です。

新車価格(2025年3月現在):510~800万円
中古車価格(車両本体価格+諸費用):770~1960万円
詳細スペック:ZX/ 3DA-FJA300W
全長×全幅×全高(㎜)=4985×1980×1925
ホイールベース(㎜)=2850
エンジン:3.3ℓ V型6気筒ディーゼルICツインターボ
駆動:4WD
最高出力:227kW(309ps)/4000rpm
最大トルク:700Nm(71.4kgm)/1600~2600rpm
使用燃料:軽油
トランスミッション:10速AT
車重(kg):2550
燃費:9.7km/L(WLTCモード)
新車価格:760万円
※2021年発売当時のスペック
5位:トヨタ・カローラクロス(XG10型)

カローラシリーズ初のSUVとして登場し、バランスの取れたサイズ感と高い実用性を誇ります。1.8Lガソリンと1.8Lハイブリッドを用意し、燃費性能に優れています。特に、487Lという広い荷室容量は魅力的です。一方で、乗り心地はやや固めであり、ガソリンモデルの加速性能は控えめな点がやや気になる点です。

新車価格(2025年3月現在):218.4~345.9万円
中古車価格(車両本体価格+諸費用):173~457万円
詳細スペック:ハイブリッド Z/ 6AA-ZVG16
全長×全幅×全高(㎜)=4490×1825×1620
ホイールベース(㎜)=2640
エンジン:1.8ℓ 直列4気筒+モーター
駆動:4WD
最高出力:72kW(98ps)/5200rpm
最大トルク:142Nm(14.5kgm)/3600rpm
使用燃料:無鉛レギュラーガソリン
トランスミッション:CVT
車重(kg):1490
燃費:24.5km/L(WLTCモード)
新車価格:345.9万円
※2023年発売当時のスペック
4位:スズキ・4代目ジムニーシエラ(JB74型)

非常に高い悪路走破性を備えた、スズキが誇る本格オフロードSUVです。ラダーフレーム構造やパートタイム4WDを採用し、1.5L自然吸気エンジンを搭載しています。コンパクトなボディながらタフな走りを実現し、アウトドア愛好者に人気があります。しかし、2ドアのため後席の乗降性が悪く、長距離移動にはやや不向きな面もあります。最近、4ドアのジムニーノマドが発売されてユーザーの不満が解消されたかと思いきや、あまりの人気の高さのため受注停止となり、入手困難なクルマとなってしまったことは記憶に新しいでしょう。また、ジムニー系は総じて人気が高いため、現在でもプレミア価格で販売されていたり、チューニングショップの高価なデモカーの中古車も存在しますので、購入の際には自分の嗜好に合わせて十分に吟味することが必要です。

新車価格(2025年3月現在):196.24~218.35万円
中古車価格(車両本体価格+諸費用):167~468万円
詳細スペック:JC/ 3BA-JB74W
全長×全幅×全高(㎜)=3550×1645×1730
ホイールベース(㎜)=2250
エンジン:1.5ℓ 水冷直列4気筒DOHC16バルブ
駆動:4WD
最高出力:75kW(102ps)/6000rpm
最大トルク:130Nm(13.3kgm)/4000rpm
使用燃料:無鉛レギュラーガソリン
トランスミッション:4速AT
車重(kg):1090
燃費:14.3km/L(WLTCモード)
新車価格:218.35万円
※2024年発売当時のスペック
3位:日産・4代目エクストレイル(T33型)

日産独自の電動駆動技術“e-POWER”を搭載し、スムーズな加速性能を実現したSUVです。これまた日産独自の電動4WDシステム“e-4ORCE”により、悪路や雪道でも高い安定性を発揮します。また、高速道路での運転支援機能“プロパイロット”も備え、ほぼ自動運転で快適なロングドライブを実現します。しかし、この4代目ではガソリンモデルが廃止されてハイブリッドモデルのみとなったため、今までのエクストレイルと比べると選択肢が限られてしまう点は悩ましいところかもしれません。

新車価格(2025年3月現在):360.14~503.25万円
中古車価格(車両本体価格+諸費用):284~565万円
詳細スペック:G e-4ORCE/ 6AA-SNT33
全長×全幅×全高(㎜)=4660×1840×1720
ホイールベース(㎜)=2705
エンジン:1.5ℓ 水冷直列3気筒DOHCターボ+モーター
駆動:4WD
最高出力:106kW(144ps)/4400~5000rpm
最大トルク:250Nm(25.5kgm)/2400~4000rpm
使用燃料:無鉛レギュラーガソリン
トランスミッション:CVT
車重(kg):1880
燃費:18.4km/L(WLTCモード)
新車価格:475.2万円
※2024年発売当時のスペック
2位:トヨタ・ヤリスクロス(XP210型)

トヨタの傑作コンパクトカーであるヤリスをベースに仕立てられた、コンパクトながらSUVらしい力強いデザインを持つモデルです。1.5Lガソリンと1.5Lハイブリッドが選択可能で、ハイブリッドモデルの燃費性能は特に優秀です。コンパクトサイズながら荷室が広く、実用性が高い点も評価できます。ただし、後席スペースがやや狭いため、長時間の乗車には向いていません。

新車価格(2025年3月現在):204.6~323.4万円
中古車価格(車両本体価格+諸費用):160~421万円
詳細スペック:ハイブリッドZ/ 6AA-MXPJ15
全長×全幅×全高(㎜)=4180×1765×1590
ホイールベース(㎜)=2560
エンジン:1.5ℓ 直列3気筒+モーター
駆動:4WD
最高出力:67kW(91ps)/5500rpm
最大トルク:120Nm(12.2kgm)/3800~4800rpm
使用燃料:無鉛レギュラーガソリン
トランスミッション:CVT
車重(kg):1270
燃費:26.0km/L(WLTCモード)
新車価格:311.85万円
※2025年発売当時のスペック
1位:トヨタ・4代目ハリアー(XU80型)

ランキング1位となったハリアーは、高級感あふれるデザインと快適な乗り心地を兼ね備えたSUVです。中古車市場では、中古車価格と性能や品質のバランスから「お買い得」と評価されて高い人気を誇っているようです。TNGAプラットフォームを採用し、走行安定性に優れています。パワートレインは2.0Lガソリン、2.5Lハイブリッド、2.5L PHEVの3種類を展開し、静粛性の高さも魅力です。一方で、スタイリッシュなデザインゆえにリヤウインドウがいささか小さく、後方視界がいくぶん制限されてしまう点には注意が必要かもしれません。

新車価格(2025年3月現在):312.8~620万円
中古車価格(車両本体価格+諸費用):239~688万円
詳細スペック:ハイブリッドZ/ 6AA-AXUH85
全長×全幅×全高(㎜)=4740×1855×1660
ホイールベース(㎜)=2690
エンジン:2.5ℓ 直列4気筒+モーター
駆動:4WD
最高出力:131kW(178ps)/5700rpm
最大トルク:221Nm(22.5kgm)/3600~5200rpm
使用燃料:無鉛レギュラーガソリン
トランスミッション:CVT
車重(kg):1740
燃費:21.6km/L(WLTCモード)
新車価格:484.8万円
※2022年発売当時のスペック