新型フォレスターとハリアー、どっちを選ぶ? ボディサイズ、デザイン、価格を比較、ミドルSUVの人気モデル

ついに登場した新型フォレスターは、従来の方向性を維持しながら各部を刷新したミドルサイズSUVである。都市型クロスオーバーとして定着しているトヨタ・ハリアーと比較しながら、それぞれの特徴や違いを整理する。

PHOTO:中野幸次(NAKANO Kouji)/SUBARU

ついに新型フォレスターが登場、デザイン刷新で注目度アップ!

新型フォレスター

スバルは2025年4月、新型フォレスター(6代目)を発表した。従来型の延長線上にありながらも、プラットフォーム、パワートレイン、内外装に至るまで大幅な刷新が図られている。一方、トヨタのハリアーは、すでに「都会派SUV」の定番モデルとして定着しつつある。ここでは両車の最新モデルについて、ボディサイズやデザイン、価格、そして想定ユーザー層という観点から比較していく。

ボディサイズの比較 「ややスリム」なフォレスターと「少し大きめ」なハリアー

まずはボディサイズを比較しよう。
•フォレスター
全長×全幅×全高:4655mm ×1830mm × 1730mm、ホイールベース2670mm
•ハリアー
全長×全幅×全高:4740mm × 1855mm × 1660mm、ホイールベース2690mm

数値上はハリアーのほうが全長・全幅ともに大きいが、全高はフォレスターの方が高く、全体的な「立体感」が異なる。ハリアーはやや低めのシルエットでクーペ的なラインを描く一方、フォレスターは伝統的なSUVらしい直立したフォルムが特徴である。最低地上高はいずれも185mm以上を確保しているが、オフロード性能という点ではフォレスターに分がある。

取り回しの点では、全幅1830mmのフォレスターは都市部での運転においても比較的扱いやすく、一方のハリアーは幅広ボディとクーペ的な後方視界に慣れが必要だ。

デザインの比較 「遊び心」のスバルと「洗練さ」のトヨタ

新型フォレスター

新型フォレスターは、デザイン面で新たな試みを随所に盛り込んでいる。外観は従来型を踏襲しつつ、グリル形状やライトまわりにエッジ感を加えた“よりSUVらしい”顔立ちへと進化した。インテリアでは、ドアトリムに等高線モチーフを取り入れ、よく見ると動物の足跡や靴跡が隠れているなど、遊び心のある演出が施されている。ラゲッジスペースの滑り止め部分にも星や山の模様が隠れており、アウトドア志向のファンには魅力的なディテールといえる。

新型フォレスター

対するハリアーは、あくまで「都会派の上質さ」を前提にしたデザインだ。ボディラインは滑らかで、ヘッドライトからリアまで一貫したシャープなキャラクターラインが美しい。内装はトヨタのプレミアムモデルらしく、ウッド調やレザー調の素材を多用し、全体の質感は極めて高い。水平基調のインパネは開放感があり、ナビやスイッチ類の配置も整理されている。

つまり、フォレスターは“自然との親和性”、ハリアーは“都市での調和”という方向性をデザインに反映させている。

価格帯で比較 「装備充実でも手頃」なフォレスターと「上質志向」のハリアー

新型フォレスター

2025年4月時点での日本仕様における価格帯は以下のとおり。
・フォレスター:約400〜450万円前後(予想、正式価格は追って確定)
・ハリアー :ガソリン:312万〜453万円、ハイブリッド:411万〜514万円、PHEV:620万円

装備やパワートレイン構成が異なるため単純比較はできないが、「ストロングハイブリッド+AWD+安全装備充実」で400万円台前半に収まるフォレスターは、コストパフォーマンスに優れている。一方、ハリアーはPHEVなどの上級グレードまで選択肢があり、静粛性や質感、安全装備の先進性なども含めた“ラグジュアリー性”が価格に反映されている。

どんなユーザーに向いているか? 「アクティブ派」か「都会派」か?

新型フォレスター

新型フォレスターが向いているのは、家族でキャンプやアウトドアに出かける機会が多いユーザーや、全天候・全地形での安心感を求めるユーザーだ。視界の良さや乗降性の高さ、日常から非日常へのシームレスな移動性能は、長年スバルが培ってきた強みでもある。

一方のハリアーは、街乗りメインで「デザイン性」「静粛性」「上質な移動空間」を重視するユーザーに適している。プレミアムコンパクトの延長線上で選ばれることも多く、特に都市部の夫婦世帯や若年層のファミリーに支持されやすい傾向がある。

新型フォレスター

フォレスターとハリアーは、同じ「ミドルサイズSUV」というカテゴリに属しながらも、クルマに求める価値観が大きく異なる。走破性と実用性、自然との共存を志向するフォレスター。都会的でスマートなライフスタイルを反映するハリアー。どちらも完成度が高く、選ぶべき基準は“見た目”ではなく“使い方”にある。目的がはっきりしていれば、自ずと選ぶべき一台は見えてくるはずだ。

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