【新型フォレスターライバル比較】SUV志向の強い新型フォレスターか? 乗用テイストのRAV4か? サイズにスタイル、取りまわし、装備にメカに使用感・・・どこをどう見てどう選ぶ?

4月3日、6代目となる新型フォレスターが姿を現し、予約受注も開始された。
発売は5月の噂だが、だからといって現行5代めの販売がストップするわけではなく、もっか新型発売まで在庫販売でつなぐようだ。
型落ちでもいいから造り慣れた末期モデルでもいいというひとには、現行フォレスターはいまが狙い時・・・というより、いまが最後のチャンスだ。
逆に、新しいフォレスターが気になっている購入予備軍や過去フォレスター愛用者は、RAV4やエクストレイルとの関係も気にしていることだろう。
本記事では、RAV4と比較ずくで新しいフォレスターを見ていく。

TEXT:山口尚志(YAMAGUCHI Hisashi) PHOTO:中野幸次(NAKANO Kouji)/SUBARU/MotorFan編集部

新型フォレスターと現行RAV4、同じようなサイズ、パワートレーンでも・・・?

新型フォレスター詳細や新旧比較は本サイト4月3日記事で公開済み。
新型の購入を検討しているひとが気にしているのは競合車との関係だろう。
まずみなさんがライバルに掲げるであろう日産エクストレイルとの比較記事は4月4日記事に詳しい。
本記事では同じようなサイズ、キャラクターを持つトヨタRAV4を土俵に掲げて比較検証していく。

バリエーション

まずは、新型フォレスターのおさらい。

新しいフォレスターは、在来フォレスターよりも機種展開が明快になり、誰にでもわかりやすくなったのがいい。
バリエーションは基本的に3つで、SUBARU自慢の運転支援技術の最新版「アイサイトX」がつくモデル「EX」車がそれぞれに用意されるから、都合6機種となる。
値段が高い(といっても現時点、価格は未公表だが)ほうから順に、最上級の「Premium S:HEV」と「Premium S:HEV EX」、次に、撥水機能など、ラフユースを想定してアウトドアテイストを前面に打ち出した「X-BREAK S:HEV」「X-BREAK S:HEV EX」で、ここまでの2機種というか4機種がストロングハイブリッド車。
もうひとつ、走りのモデル「SPORT」がある。これはターボエンジンモデルで、スペックが従来型と同じであることから、どうやらこれまでのCB型エンジンが続投するようだ。こちらにもアイサイトX付き「SPORT EX」がある。
5代めに続き、新型も全機種4WDとなっている。

フォレスター Premium EX
フォレスター X-BREAK EX。
フォレスター SPORT EX。

いっぽうのRAV4。

いま売られているRAV4は5代めにあたり、2019年4月に発表・発売。
この時点でガソリン車に2WD 1機種、4WD 4機種、ハイブリッドの2WDが1機種、4WDが2機種、トータル8バリエーションが展開されていた。
2020年6月にプラグインハイブリッド車2機種を追加した後、何度かの改良や受注停止・再開を経る間にバリエーションも変わり、現在売られているいちばん新しいRAV4は、昨年11月28日に改良発表されたものだ。

RAV4。

こちらも新しいフォレスターほどではないが、機種展開は明瞭で、2000ccのガソリン車にシリーズ最廉価「X」、その上の「G」、Gの中の上級版「G”Z package“」のほか、フィールドをかけまわるイメージの「Adventure」がある。うち「X」「G」「Adventure」の3つが2500ハイブリッド車にも展開される。
ここにプラグインハイブリッドの「Z」が加わるから、RAV4はガソリン車4つ、ハイブリッド車3つ、プラグインハイブリッド車1つの合計8機種となる。
なお、RAV4は昨年11月改良時点で2WDモデルが廃止されて全機種4WDに。この点でフォレスターと足並みが揃った格好だ。

寸法&スタイリング

両車比べて、各部サイズは大同小異。
全長はフォレスターが45~55mm長いいっぽう、幅はRAV4のほうが25~35mm広く、高さは35~45mmフォレスターのほうが高い。

新型フォレスターと現行RAV4、寸法など比較いちらん。

スタイリングを真正面から見ると、RAV4が乗用車スタイルにSUVらしさを加味したのに対し、フォレスターは初手からSUVらしい力強さを求めたように思える。
「新旧比較」にも書いたが、フォレスターは過去のどのモデルにも似ていない、そして既存のSUBARU車からも離れた、新しいフォレスター&SUBARUデザインの誕生と理解する。
フレームを太くして2段構えにした大きなグリルとライトの関連性なんか、いまのランクル300を彷彿させ、なかなかいい顔をしていると思う。だからといってギンギラめっきで飾り立てていないところもいい。

最低地上高の測定個所がわからないので写真に入れていないが、ランクルシリーズ並みの220mmを確保している。
こちらの最低地上高は、車種によりけりで190~200mm。

サイドビューは、全高の違いが見た目の印象を決めており、きちんと乗員のためのキャビンと視界を考えているのはフォレスターのほうだろう。
RAV4は、フォレスターと比べて全高が35~45mm低いぶん、上半身が薄い印象があるのと、RAV4のルーフは全体的にフラットなのに対し、フォレスターはルーフ高さのピークを後席頭上に定めてからわずかに下げている。
ウエストライン(サイドガラス下辺)が明らかに低いのはフォレスターのほうだし、サイドのクオーターガラスもフォレスターのほうが広い。
ただし、RAV4にしろフォレスターにしろ、ガラスのセラミック塗装のせいで、外から見たときの印象ほど中から見たときの有効視野は広くないので実車確認が必須だ。

キャビンがきちんとボックス型になっていて、居住性もきちんと備えようとしたことがわかる。
全高がフォレスターより低く、呼応してサイドガラス上下寸も小さめだ。

ホイールベースは、フォレスターが現行車と同じ2670mm、RAV4はフォレスターより20mm長い2690mm。
インチだけでいえば、RAV4は17インチ、18インチ、19インチのタイヤを持つことから最小回転半径も5.5~5.7mまでの範囲にあるが、18インチ、19インチのタイヤを持つフォレスターは、サイズにかかわらず5.4mとなっている。
20mm短いホイールベースの好影響もあろうが、タイヤサイズにかかわらずRAV4より小さな5.4mなのはえらい。
たかだか10~30cmの違いをバカにしてはいけない、広くはない道でのUターンを考えたとき、1回の切り返しがあるかないかの差は決して小さくないのだ。
ただし数値だけで考えてもいけない。
実際にはバンパー先が障害物に当たるか当たらないかがUターン可不可の決め手になるからだ。

サイド視写真の比較だから、実際に測定しないと何ともいえないのだが、フロント部写真を上下に並べてみると、フロントオーバーハング量(前輪からの車体の突き出し量)はフォレスターのほうが大きく見える。となると最小回転半径は、数値上はフォレスターのほうが小さくても実際のバンパー軌跡はより大きくなる可能性があるから、購入を検討している方は見落とさず、実際に試乗車に乗って試してみることをお忘れなく。

カタログ上、最小回転半径はフォレスターのほうが小さいが、写真で比較すると、フロントオーバーハングはフォレスターのほうが大きいようなので(赤丸部がその差)、実際の取りまわしがどうか、買う際は実車で確認が必須だ。

注目したい、フォレスター、最低地上高の豊かさ

SUBARU車は国産FFベースSUVの中でも意識的に最低地上高を大きく取る自動車会社だ。
フォレスターもその例に漏れず、ランクル300の225mm、同ナナマルの200mm、同250の215~225mmに匹敵する220mmと、その数字はとりわけ大きいのはいい。
ラフロードに踏み込まなくても、駐車場や車庫など、段差のある場所は街乗りでもないわけではない。
たまに大きめの段差に出くわすことを思えば、乗降性とのトレードオフになるにしても地上高は大きいほうが床下を引っ掛ける可能性は低くなり、安心度は上がると思う。

気をつけなければいけないのは、さきの最小回転半径と同じで、実車の最低地上高はカタログ値どおりとは限らないことだ。
というのも、測定個所はおそらく前後どちらかのディファレンシャルギヤケースないし排気管あたりだと思うのだが、例えばバンパー裾やサイドシル下の樹脂パーツなどは測定対象外。最低地上高は金属の固定されたもので測ることが決まりだから、それより低い樹脂部位があってもルール違反にはならないのだ。これら樹脂付加物で引っ掛けることのないよう、注意したい。

また、最低地上高はランクルに匹敵と書いたが、あちらはラダーフレーム付きの本格SUV。対してこちらフォレスターやRAV4はFFベースのSUV4駆だ。これはフォレスターやRAV4に限らない、FFベースSUVすべてにいえることなのだが、本格派と似た数字でも、持つ意味はまったく異なることを念頭に入れておくべきだ。
床下最低部(デフ玉なのかサイドの樹脂パーツなのかはさておき)とフロアの間にフレームがあるか、すぐ上までフロアが迫って来ているかで、例えば雪深い場所でのスタックの可能性は変わってくる。
引っ掛かるのが部分的なのか面なのかを想像すれば何となくわかるでしょ?

リヤビューはどちらも際立った個性はない。
実用性の観点からいえば、ランプが大きいRAV4のほうが夜間の被視認性が高かろう。フォレスターは、特に赤部の発光面積が小さいと思う。

バンパー裾と地上の距離も見落とさないように。
こちらのほうがリヤバンパーとの距離が小さいことが、すき間面積からわかる。

トヨタ、SUBARU、それぞれ意識したのかどうか。乗用志向か、SUVユースを重視したかの違いはテールパイプの高さにも表れていると思う。
地上からより引き離した高さにあるのはフォレスター。同時にパイプをバンパー内に収めている。RAV4はバンパー下。
フォレスターやRAV4で、ランクルが攻めるようなオフロードに乗り込む人は僅少だろうが、砂利の急な坂をバックで下るとき、テールパイプが地面に干渉しやすい点でRAV4のほうが不利だろう。実際、サイド視でみてリヤバンパー裾からパイプがちらついて見えるのはRAV4のほうで、フォレスターはパイプの影も見当たらない上、リヤバンパー裾も上方に上がっている・・・やはりフォレスターは、スタイリングばかりでなく、機能的にもSUV志向が強いようだ。

インストルメントパネル

インストルメントパネルに目をやると、助手席側から運転席側まで、左右いっぱいどっしり重厚に構えた形をしているのがフォレスター、上下2段構成にして色を塗り分けたのがRAV4・・・上下実寸はともかく、見た目に厚みを薄くした印象もある。両車思想がちがうのだろう。

フォレスターの重厚な計器盤。形が似ているので、レヴォーグやクロストレックなどと混濁する。
RAV4の計器盤。こちらのほうが開放感がある。

筆者個人の好みをいうなら、目の前の重々しい計器盤をずっと見続けなければならないのは苦痛なので、2段構成で開放的な形をしているRAV4を好む。できれば助手席側だってより低いトレイにしてほしいくらいだ。ただし、センターコンソールの造形がどこかヤリスを思わせるのは損だろう。

RAV4はここがヤリスを連想させる。

逆にフォレスターは、外観はこれだけ変えたのに、計器盤がいまだ他のSUBARU車と同じ印象なのが損をしている。いま自分がどのSUBARU車に乗っているのかわからないのだ。
よく見ればレヴォーグやクロストレックとは計器盤もセンターコンソールも三者三様に異なるのだが、全体的には使いまわしたかと思うほどだ。

さて、RAV4も全機種オーディオレスだった初期と違い、いまはどのクルマを買ってもディスプレイオーディオがついてくるようになり、小さくても8インチ、大きいヤツは10.5インチのモニターを備えている。8インチでも10.5インチでも充分なサイズなのだが、フォレスターの、上から下までタテに長い大型ディスプレイの前にあっては分が悪いといわざるを得ない。

サイズはレヴォーグ用と同じ11.6インチ。
インチ数を見ると他社のワイド型といくらも違わず、肩透かしを食うが、黒く塗られた、液晶ガラスと面一になった両脇スイッチ部分も目に入るものだから、液晶そのものは同じようなサイズでもタテに置いただけでかなり大きい印象を受ける。
他のSUBARU車にもあるから目新しさはないのだが、横置きを縦置きにしただけの種で、同乗者をびっくりさせること間違いなしなのはフォレスターのほうだ。
考えてみたら、ナビの地図は縦にスクロールする(2Dで進行方向上表示であれば)のだし、知りたいのは自車前後=通過した道と行きたい先なのだから、モニターだって縦長にするほうが理に叶っている。

横長モニターを見慣れた目には異質に映るが、たぶんいちど使ったら横長タイプに戻れないのではないかと思う。
モニター下部がせり出したこの位置が室内長測定の出発点だから、従来型に対して室内長が160mm短くなったのでは・・・?

インテリア全体の話で、これも「新旧比較」に書いたことだが、新型フォレスターは、従来の室内長2110mmから160mm減の1950mmになっている。おそらく計測出発点となる計器盤最前面が、今回は傾斜して突き出した大型ディスプレイの下辺になったためだろう。
ただ、これはあくまでも数値上の話で、乗員スペースそのものには影響はないからキャビンが狭くなったのではないかという心配は無用だ。
なんだかんだいっても、自動車のスペックは数字がものをいう世界。操作性向上の為にモニターに与えた傾斜と引き換えのマイナス160mmはSUBARUにとって何とも悔しかろうが、それでもRAV4の1890mmより60mm長い。

装備類

新型フォレスターの詳細な装備リストはないので、事前に与えられた資料の隅々から文言を摘まみ上げていくしかない。

手探りで話を進めると、RAV4が主に装備差で機種構成しているのに対し、フォレスターはクルマの性格で機種分けしているという違いがある。だからRAV4を買うひとは、ほしい装備の有無で機種を決めることになろうし、フォレスターを検討するひとは、まず自分がクルマをどう使うかをまず最初に決めてから機種セレクトすることになるだろう。
たぶん選ぶのに迷わなくてすむのはフォレスターのほうだ。

どのみちこのクラスのクルマとなると装備内容は似たり寄ったりで、どちらを選んでも後悔することはないだろうが、やはり装備リストにはよく目を通さないといけない。

例えば、シートヒーターは、RAV4は前席に限られ、後席用はオプションの用意さえない。逆にフォレスターは全機種とも前後席に装備される。このへん、4WDを主力としてきたSUBARUらしいところだ。

新型フォレスターのリヤシートヒータースイッチ。買えば嫌でもついてくる全機種標準装備だ。
冬でも寒さ知らずの、新型フォレスターリヤシート。

フォレスターでPremiumにのみオプションとなる最大1500Wの100Vアクセサリーコンセントは、RAV4では同容量のものがハイブリッド全機種にオプション。ガソリン車には100Vの100Wまでのものがガソリン車にオプションだ。

フォレスター最上級Premiumにオプションの、100V1500Wコンセント。
同容量のものがハイブリッド全機種にオプションなのがRAV4。

たぶんフォレスターでもオプションのガラスサンルーフは、フォレスターは写真で見る限り、前席頭上までのオーソドックスなサイズなのに対し、RAV4はオーソドックスなタイプが最廉価Xに、それ以外の機種には後席上までスケスケになるパノラマタイプがそれぞれオプションで用意されている。

新型フォレスターのガラスサンルーフ。ガラスは後席までおよんでいない。
いっぽうの、RAV4のパノラマルーフ。後席までガラスが覆っている。

ハンズフリーで開くパワーバックドアの標準装備が最上級機種に限られるのはどちらも同じ・・・ことほどさように、両車細かな違いがあるので、どちらを選ぶにしても「こんなはずじゃなかった!」ということにならないようにしたい。

荷室

新型フォレスターで荷室がらみでわかっているのは開口幅が最大1250mm、開口高さが最大819mmであることくらいで、荷室容量の目安となる内寸そのものは明かされていない。したがって各部寸が明らかなRAV4とは平等に比較できないのをご承知おき願うとして・・・

荷室の見てくれは写真のとおり。

荷室のタテヨコ寸は両車似たようなものだろうが・・・
RAV4はリヤハッチガラスが傾斜しているぶん、容量そのものはこちらのほうが小さいかもしれない。

両車ともホイールハウスの浸食はできる限り抑える努力をした節があるし、サイドトリムの形状も整えた形跡がある。
ただ、後方視界を阻害するほど荷を高く積んでいいかどうかの詮議はともかくとして、サイド視でRAV4はバックドア上半分が室内側に倒れ込んでいるぶん、容積はRAV4の方が小さいかも知れない。フォレスターはバックドアが立ち気味であることの差が容積に表れているかもしれないわけだ。
ここいらも、どちらかといえば5ドアハッチバックをSUV化したRAV4、SUV思想まっしぐらで突き進んだフォレスター・・・そんな性格の違いが荷室の造りにも表れているような気がする。
ただし、後席視野をスポイルするほど荷を常に満載するわけじゃなし、どのみち3ナンバーボディでハナから大きい荷室だから、実用上の差はないと思われる。

メカニズム

両車ガソリン車、ハイブリッド車と2タイプあるほか、RAV4にはプラグインハイブリッド車もある。
その性能は下表のとおりだ。なお、SUBARUの「モーター」項は、公開されたのはたぶんフロントのものだけなので、リヤモーターの分は記載していない。

パワートレーン比較いちらん。

さて、ハイブリッドについていうと、「2.5L DOHC 直噴 + 2モーター」が共通だから、同じグループ同士、フォレスターがトヨタのハイブリッド技術を拝借したかと疑ったが、「e-BOXER」なら水平対向エンジンなわけで、SUBARUファンも失望しない。
フォレスターは今回から2.5L直噴 + 2モーター式になり、スペックそのものは同じことから、おそらくはクロストレックと同じものだ。燃費値に差が出ているが、これは重量差によるものと思われる。
燃費といえば、ガソリン車のターボ有無による差はいいとして、WLTCモードでRAV4がすべて20.0km/L超を達成しているのに対し、フォレスターは18.4~18.8km/Lにとどまっているのは、スペックの印象として消費者の目にどう映るか。

フォレスターのe-BOXER s:HEV。
RAV4のTHS-II。

価格

新型フォレスターと現行RAV4の価格を比較してみた。
両車、特別仕様を除く、カタログモデルの価格帯をまとめたのが下の表だ。

残念ながら、新型フォレスターは格段に値が上がる気配だ。

とはいえ、何度か書いたとおり、4月3日の情報公開の時点で価格は発表されておらず、アナウンスされたのは「400万円から」ということだけだ。
参考までに載せた、いま在庫セール中の現行モデルの価格ゾーンを見ればおわかりのとおり、新型はだいぶ値上がりすることになる。エントリー価格「400万円~」は、従来型の最高価格374万円よりも高いのだ。エントリーモデル同士の比較なら100万円近く上がる勘定だ。

いっぽうの現行RAV4は、特殊(?)なプラグインハイブリッドの566万1700円を除くと、ガソリン車・ハイブリッド車ひっくるめて327万7300~433万2900円のゾーンにある。値段の上ではむしろいまのフォレスターのほうが好勝負を繰り広げている。
どうやらサイズや重量、パワートレーンのスペックなどは両車同等でも、価格面ではフォレスターはひとクラス上にシフトした印象。これまでRAV4と張り合ってきたフォレスターだが、価格から察するに、SUBARUはフォレスターをひとクラス上にシフトさせ、ハリアーの4WD軍をコンペティターに据えているようにすら見える。

こう考えると、フォレスターが過去から訣別した(ように筆者には見える)スタイリングを目指したのもわかるような気がする。
果たして、この作戦が吉と出るか凶と出るかは市場が決めることだろう。

なにぶん、公開された新型フォレスターの情報が現時点で限られているため、スペック詳細や装備内容について詳細を記すことができなかったが、どんなひとにどちらが向いているかはみなさんが決めることなので、ここで結論めいたことは書かないことにする。

ユニクロで服を買うのとは違い、クルマはいったん買ったらおいそれと返品がきかない。
新型フォレスターに興味があるひと、予約受注が始まってはいるが、ここは落ち着いて正式発売とカタログ入手を待ち、それまでは事前情報で何をどう選ぶか、じーっくり考えておくといい。
じーっくり待つのもどれにしようか迷うのも、クルマを買うときの楽しみのうちなのです。

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