新型フォレスターとモデル末期のマツダCX-5ならどちらを選ぶ?価格・サイズ・デザイン・ドライブトレインを比較【ミドルSUVライバル対決】

2025年4月3日、ついに日本仕様が発表&ん先行予約開始となった6代目となる新型フォレスター。スバルのSUVの中でも正統派として位置付けられるクルマだが、ミドルクラスSUVともなると国内外問わずライバルも多い。そのライバル群にあって、今回は先代の5代目フォレスターと同じくモデル末期にも人気が衰えず、とはいえデビューから8年が経過していよいよモデルチェンジの噂も聞こえてきたマツダCX-5と比較してみよう。
PHOTO:中野幸次(NAKANO Kouji)/神村 聖(KAMIMURA Satoshi)/SUBARU

マツダCX-5

マツダCX-5の現行モデルは2017年にデビュー。マツダのSUVでは2014年デビューのCX-3に次いで古いモデルであり、この2台が車名が二桁化するSUV車名の中に残る一桁モデルである。
すでに登場から8年が経過する現行CX-5だが、2024年の販売台数は約1万9000台を数え、月平均でも約1600台と堅調。モデル末期でありながらマツダのラインナップ中では人気モデルに挙げられる。

マツダCX-5「Sports Appearance」

古さを感じさせない魂動デザインによるエクステリア、ディーゼルエンジン「スカイアクティブD」によるパワフルな走りと経済性、ちょうど良いサイズ感、そしてクルマの価格が高騰する中で車格に対して300万円台が中心というコストパフォーマンスの良さが人気の秘密だろうか。

モデル末期ながら確たる人気を誇るCX-5と、先んじてフルモデルチェンジが行われた新型フォレスターを比べてみよう。

ディメンジョンは異なるがボディサイズはほぼ同等

まずはボディサイズから見てみよう。
フォレスター:全長4655mm×全幅1830mm×全高1730mm
CX-5:全長4575mm×全幅1845mm×全高1690mm
一番差があるのが全長で、フォレスターがCX-5より80mm長い。それほど大きな差ではないがCX-5の方が気持ちワイド&ローなディメンジョンだ。

フォレスター「Premium」
CX-5「XD Field Journey」

一方で、ホイールベースは
フォレスター:2670mm
CX-5:2700mm
とCX-5の方が長く、全長の差は前後のオーバーハングの差=フォレスターの方が長いと言えるだろう。

フォレスター「Premium」
CX-5「XD Field Journey」

そのホイールベースの違いによるものか、最小回転半径はフォレスターの5.4mに対し、CX-5は5.5mと若干大きくなっている。
また、最低地上高は本格的なオフロード走行も視野に入れたフォレスターが220mmを確保するのに対し、CX-5も210mmと負けてはおらず、単なるシティSUVではないと感じさせる。

フォレスター「Premium」
CX-5「XD Field Journey」

車重はストロングハイブリッドを採用したフォレスターの「Premium」や「X-BREAK」は1730kg〜1780kgと重いが、1.8Lターボの「SPORT」は1640kg〜1660kgに留まる。
対してCX-5は2.0Lガソリンエンジン車が1600kg〜1610kg、2.5Lガソリンエンジン車が1650kg、ディーゼルエンジン車が1690kg〜1710kg。
ノンハイブリッドで考えるとCX-5の方が若干重いように思われる。なお、4WDオンリーのフォレスターに合わせて、CX-5も4WDモデルのみで比較している。

フォレスター「Premium」
フォレスター「Premium」
CX-5「XD Field Journey」
CX-5「XD Field Journey」

タイヤとホイールのサイズは、フォレスターが235/50R19(「Premium」)と225/55R18(「X-BREAK」「SPORT」)と18インチ19インチという設定。CX-5は225/55R19と225/65R17と、17インチと19インチという設定だ。

写真のフォレスター「Premium」は19インチホイールに235/50R19サイズのタイヤを装着。
CX-5「XD Field Journey」は17インチホイールに225/65R17を装着。

大きく異なるパワートレイン構成

同クラスのSUVながら、大きく異なるのがパワートレインだ。
フォレスターはスバルお馴染みの水平対向4気筒ガソリンエンジンに、得意のターボモデルと新たに設定されたストロングハイブリッドという構成。

2.5L水平対向4気筒DOHC+2モーターの「e-BOXER」ストロングハイブリッド。エンジンが118kW(160ps)/5600rpm・209Nm(21.3kgm)/4000-4400rpm、モーターが88kW(119.6ps)・270Nm(27.5kgm)を発揮する。
先代モデルからキャリーオーバーされるCB18型1.8L水平対向4気筒DOHCインタークーラーターボエンジンは130kW(177ps)/5200-5600rpm・300Nm(30.6kgm)/1600-3600rpmと、出力は従来から変更なし。

CX-5は2.0Lと2.5Lの直列4気筒DOHCガソリンエンジン「スカイアクティブG」と2.2L直列4気筒DOHCディーゼルターボの「スカイアクティブD」というラインナップはデビュー以来不変だ。
ガソリンエンジンは2.0Lで115kw(156ps)/6000rpm・199Nm(20.3kgm)/4000rpm、2.5Lで138kw(188ps)/6000rpm・250Nm(25.5kgm)/4000rpmという出力。
ディーゼルは147kW(200ps)/4000rpm・450Nm(45.9kgm)/2000rpm。やはりディーゼルならではの圧倒的なトルクを発揮している。

CX-5の魅力のひとつに挙げられる「スカイアクティブD」2.2L直列4気筒DOHCディーゼルターボエンジンは147kW(200ps)/4000rpm・450Nm(45.9kgm)/2000rpmを発揮する。

燃費は
フォレスター(ストロングハイブリッド):18.4km/L(「Premium」)/18.8km/L(「X-BREAK」)
フォレスター(ガソリンターボ):13.6km/L(「SPORT」)
CX-5(2.0Lガソリン):14.0km/L※
CX-5(2.5Lガソリン):13.0km/L※
CX-5(ディーゼル):16.6km/L※
フォレスターのストロングハイブリッドは、ようやく他社に追いついてきたレベル。ノンハイブリッドのターボエンジンは一般的なレベルだが、ターボエンジンでもレギュラーガソリンなのはガソリン価格高騰の時代にはありがたい。
そういう意味では、流石にモデルライフ末期のCX-5はスカイアクティブテクノロジーをもってしても、現在では特に優れた燃費性能とまでは言えないが、燃料価格の安いディーゼルがラインナップされているのは魅力的なポイントだ。
(※)全て4WD車の数値

また、フォレスターは全車4WDだが、CX-5はグレードによってFFと4WDを選ぶことができるのが大きな違い。
フォレスターにはスポーツモードを選べる「SI-DRIVE」と悪路走破性を高める「X-MODE」が用意される。一方でCX-5もスポーツモードやオフロードモードを選べる「Mi-Drive(マツダインテリジェントドライブセレクト)」と、オフロード走行を助ける「オフロード・トラクション・アシスト」が備わる。

フォレスター「SI-DRIVE」
フォレスター「X-MODE」
CX-5「Mi-Drive」

トランスミッションはフォレスターが全車CVT(リニアトロニック)、CX-5が全車6速ATとなり、長らく残されていた6速MTは無くなっている。

インテリア&ユーティリティ

フォレスターのインストゥルメントパネルは現行のスバル車に共通するレイアウトで、センターコンソールに配置された縦型の11.6インチセンターインフォメーションディスプレイが特徴的。
一方でCX-5もマツダに共通する横長の10.25インチディスプレイをダッシュボード上部に配置するレイアウトだが、今となってはディスプレイのサイズが数字ほどには大きくない印象だ。

フォレスター「Premium」(オプションの本革シート仕様)
CX-5「XD Field Journey」

メーターはいずれもクラスター内に収めるコンサバティブなレイアウト。フォレスターは表示の変更も可能だが、基本は2眼レイアウトで、右が速度計、左がパワーメーター(ストロングハイブリッド)か回転計(ガソリンターボ)となっている。

フォレスターのストロングハイブリッドのメーター(写真は「X-BREAK」のもの。)
フォレスターのガソリンターボ「SPORT」のメーター。

CX-5は3眼レイアウトで左から回転計、速度計、水温計と燃料計となっている。それぞれの間に燃費計や航続可能距離などを挟んでいるのは上手い配置と言えるだろう。

CX-5「XD Field Journey」のメーター。

室内サイズもメーカー公表値※ではあるが、それぞれ発表されており
フォレスター:室内長1950mm×室内幅1540mm×室内高1270mm
CX-5:室内長1890mm×室内幅1540mm×室内高1265mm
と、全長の差はほぼ室内長の差になっている。
(※)計測基準はメーカーごとに異なるのであくまで参考として

フォレスター「Premium」のフロントシート。
フォレスター「Premium」のリヤシート。
CX-5「XD Field Journey」のフロントシート。
CX-5「XD Field Journey」のリヤシート。

ラゲッジルームはフォレスターは荷室幅以外の数字が現状では未公表なので、それほど変わらないであろう先代モデルの数字でCX-5と比較してみよう。

車名フォレスターCX-5
荷室長(通常)908mm950mm
荷室長(拡大・シートバック先端)1547mm1610mm
荷室長(拡大・フロントシートバックまで)1830mm
荷室幅(最大)1250mm(※)1450mm
荷室幅(ホイールハウス間)1100mm1040mm
荷室高884mmフロアボード上段:750mm
フロアボード下段:790mm
(※)以外は先代フォレスターの数値を参考として掲載

数値的には荷室高以外はCX-5の方が広いようだ。加えて、フォレスターはリヤシートは6対4分割だが、CX-5は日本車には珍しい4対2対4分割を採用しており、シートアレンジの幅がやや広がることになる。さらに、CX-5はフロアボードが上下二段に切り換えられるのもフォレスターにはないポイントだ。

フォレスター(通常時)
フォレスター(拡大時)
CX-5(通常時)
CX-5(拡大時)

価格&スペック表

フォレスターの価格は今のところ未公表。予想価格も最も安くなると思われるガソリンターボの「SPORT」でも400万円を下回ることはなく、ストロングハイブリッドの最上位モデル「Premium」ともなれば、上位グレード「EX」は450万円を超えることが想定される。

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一方でCX-5は、まだそこまで車両価格が高騰していない時代のクルマであり、前述の通り300万円台が中心。フォレスターと揃えて4WDモデルだけで見ても、ガソリンエンジンモデルは304万1500円(「20S i Selection」)〜381万2600円(「25S Sports Appearance」)。ディーゼルモデルが336万500円(「XD i Selection」)〜422万5100円(「XD Exclusive Mode」)となっている。

CX-5の「XD Field Journey」はディーゼルモデルの中間グレード389万9000円と400万円を下回る。

流石にディーゼルの上位2モデル(「XD Exclusive Mode」と「XD Sports Appearance」)は400万円を超えて来るが、それでも新型フォレスター(の予想価格)と同程度。モデル末期ということもあり、お得な特別仕様車なども登場していたり、コストパフォーマンスはとても良い。同クラスのSUVの中でも古いモデルであることから商談もしやすいかもしれない。

フォレスター「Premium」

いずれにせよ、フォレスターはストロングハイブリッドとターボエンジン、CX-5は純ガソリンエンジンとディーゼルとパワートレインのラインナップが全く異なる。その上、基本的にスクエアで力強い”ギア”感のあるフォレスターに対し、曲線で構成された優美で都会的な印象のCX-5というエクステリアの違いも大きい。最終的な判断は”好み次第”といったところだろうか。

CX-5「XD Exclusive Mode」
メーカースバルマツダ
車名フォレスターCX-5
グレードPremiumX-BREAKSPORTXD Field Journey25S Sports Appearance
全長4655mm4575mm
全幅1830mm1845mm
全高1730mm1690mm
室内長1950mm1890mm
室内幅1540mm1540mm
室内高1270mm
※サンルーフ装着車は室内高-15mm
1265mm
※サンルーフ装着車は室内高-50mm
1265mm
乗員人数5名5名
ホイールベース2670mm2700mm
最小回転半径5.4m5.5m
最低地上高220mm210mm
車両重量1750~1780kg1730~1770kg1640~1660kg1690kg1650kg
パワーユニット2.5L水平対向4気筒DOHC直噴
+ 2モーター[e-BOXER(ストロングハイブリッド)]
1.8L水平対向4気筒DOHC直噴インタークーラーターボ2.2L直列4気筒DOHC直噴ディーゼルターボ2.5L直列4気筒DOHC直噴
エンジン最高出力118kW(160ps)/5600rpm130kW(177ps)/5200-5600rpm147kW(200ps)/4000rpm138kW(188ps)/6000rpm
エンジン最大トルク209Nm(21.3kgm)/4000-4400rpm300Nm(30.6kgm)/1600-3600rpm450Nm(45.9kgm)/2000rpm250Nm(25.5kgm)/4000rpm
燃料(タンク容量)レギュラー(63L)軽油(58L)レギュラー(58L)
モーター型式・種類MC2・交流同期電動機
モーター最大出力88kW(119.6ps)
モーター最大トルク270Nm(27.5kgm)
バッテリーリチウムイオン電池
電池容量4.3Ah
定格電圧[V]259V
燃費(WLTC)18.4km/L18.8km/L13.6km/L16.6km/L13km/L
トランスミッション リニアトロニック(CVT)6速AT
ステアリングラック&ピニオンラック&ピニオン
サスペンション前:ストラット式独立懸架
後:ダブルウィッシュボーン式独立懸架
前:マクファーソンストラット式独立懸架
後:マルチリンク式独立懸架
ブレーキ前後:ベンチレーテッドディスク前:ベンチレーテッドディスク
後:ディスク
タイヤサイズ235/50R19225/55R18225/65R17225/55R19

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