トヨタ クラウンエステート vs. アウディ A5アバント 最新ステーションワゴンをスペック比較!

発表から2年半を経た2025年3月6日、ついにトヨタ クラウンエステートが発売された。それに先立つ2月には、アウディ A4と統合されてフルモデルチェンジを果たしたアウディ A5のステーションワゴンモデルとなるA5アバントが登場している。最新のステーションワゴン2台のスペックを比較してみよう。

ショーファーカーとしてもキャンパーとしても使えるクラウンエステート

ボディサイズはクラウンエステートの方が一回り大きい。本来であれば両車はクラス違いとなるが、A4と統合されて大型化したA5アバントのホイールベースはクラウンエステートよりも長くなっている。しかし、後席空間が広いのはクラウンエステートの方だ。クラウンエステートの後席はショーファーカーとしても使えるほどの十分な広さが備わっている。

5名乗車時の荷室寸法はクラウンエステートが奥行き1070mm×最小幅1030mm、A5アバントは1092mm×1050mmだ。2名乗車時の荷室長はクラウンエステートが約2000mm、A5アバントは1864mmにまで拡大される。クラウンエステートには後席フットスペースを埋められる展開式の「ラゲージルーム拡張ボード」がリアシート背もたれに備わっており、長大な荷室スペース全体を床面として活用できる設計だ。

どちらにも後席のリクライニング機能はないが、荷室側から後席を倒すためのレバースイッチは備わる。また、どちらも前席にはシートヒーターが標準装備となるが、リアシートヒーターはエステートのZグレードには設定がないのに対し、A5アバントはオプションで追加可能だ。

トヨタ クラウンエステート Z
ボディサイズ=全長4930mm×全幅1880mm×全高1625mm
ホイールベース=2850mm
車両重量=1890kg
タイヤサイズ=235/45R21(前後)

アウディ A5アバント TFSI 150kW
ボディサイズ=全長4835mm×全幅1860mm×全高1470mm
ホイールベース=2895mm
車両重量=1820kg
タイヤサイズ=225/55R17(前後)

クラウンエステート専用にパワートレインは高出力化

クラウンエステートのパワートレインは2.5Lのハイブリッドユニットに、モーター駆動式4WD「E-Four」の組み合わせだ。一方のA5アバントは2.0Lのガソリンターボエンジンが搭載され、前輪駆動の110kWモデル(150ps)と四輪駆動の150kWモデル(204ps)がラインナップする。

クラウンエステートのパワートレインは、クラウンクロスオーバーやクラウンスポーツに比べてエンジン、モーターともに出力が引き上げられておりシステム総出力は243psとA5アバントを上回る。もちろん、他のクラウンシリーズと同様にリアステアリング機構「DRS」も搭載され、最小回転半径を5.5mに抑えるとともに、走行安定性の向上にも寄与する。

燃費性能は当然ながらハイブリッドシステムを搭載するクラウンエステートの方が優れており、両車のWLTCモード平均燃費はクラウンエステートが20.3km/Lで、A5アバントの150kWモデルは13.3km/Lだ。

なお、クラウンエステートはPHEVもラインナップする。A5アバントは2.0Lディーゼルモデルが今後追加される予定とのことだ。

トヨタ クラウンエステート Z
エンジン形式=直列4気筒ガソリンエンジン+モーター
排気量=2487cc
最高出力=190ps/6000rpm
最大トルク=236Nm/4300〜4500rpm
トランスミッション=電気式CVT
駆動方式=4WD

アウディ A5アバント TFSI 150kW
エンジン形式=直列4気筒ガソリンターボエンジン
排気量=1984cc
最高出力=204ps/4300〜6000rpm
最大トルク=340Nm/2000〜4000rpm
トランスミッション=7速DCT
駆動方式=4WD

高い完成度のクラウンエステートと先進性で勝るA5アバント

クラウンエステートのハイブリッドモデル「Z」グレードの価格は635万円。一方、A5アバントの150kWモデルは706万円、110kWモデルは624万円となる。

室内空間やスペックにおいてはクラウンエステートに軍配が上がる。175mmの最低地上高も運転のしやすさに貢献するだろう。コストパフォーマンスの観点ではクラウンエステートの方が圧倒的に高いといえる。

しかし、リファインされたA5アバントのスタイリッシュなエクステリアデザインと、メーター一体型の大型湾曲ディスプレイが備わるインテリアは非常に魅力的だ。また、両車ともに大型のパノラマルーフがオプションで装着できるが、A5アバントにはトヨタがハリアーで採用例がある調光式ガラスのパノラマルーフが採用され、先進性ではA5アバントが上となる。

発表から2年半を経て発売されたクラウンエステートは、どうしても最新のA5アバントに比べて目新しさは感じづらい。しかし、これまで登場したクラウンシリーズと基本構造は同じであるため、ステーションワゴンとしての機械的な信頼性は高いはずだ。

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