欧州での販売は今年後半に始まり、車両は当初中国から輸出されるが、高級車購入者とハイテクに精通した若者をターゲットにするようだ。

中国の自動車メーカーが、欧州の新規参入者への関心を試し続ける中、BYDは高級車分野での地位を確立しようと動き出している。デンツァは、同地域での存在感を高め、既存の高級ブランドメーカーに挑戦することを目指している。

デンツァはもともと2011年にBYDとメルセデス・ベンツの合弁事業として設立された。しかし、メルセデスの力にもかかわらず、普及に苦戦し、最初の10年間でわずか2万3000台しか販売できまなかった。その結果、メルセデス・ベンツは2022年に関与を縮小し始め、昨年提携から完全に撤退する前に、株式保有率をわずか10%にまで減らした。そして現在、デンザはBYDの完全な管理下にある。
中国では、BYDはDenzaのほか、「Fang Cheng Bao」(ファン・チェン・バオ)と「Yangwang」(ヤンワン)という2つの高級サブブランドを運営している。ArenaEVによると、BYDはFang Cheng Baoをヨーロッパ向けのDenzaラインナップに統合する計画で、まず「Leopard 5」をデンツァブランドとして再バッジする予定だという。ただし、ヤンワンのモデルもヨーロッパ市場向けにデンザの傘下に入るかどうかは不明だ。

Z9 GTはポルシェのタイカン スポーツツーリスモのような車をライバルとしているが、サイズではタイカンを上回っている。全長は7.8インチ(200mm)以上長くなり、ホイールベースも8.8インチ(225mm)長い。

3つのモーターはシステム合計952psを発揮し、100.1kWhのリン酸鉄リチウムバッテリーパックが電力を供給する。また中国では、2.0Lターボエンジンと3つの電気モーターを組み合わせたシステム合計858psのPHEVバージョンも提供している。

Z9 GTの性能数値はポルシェの車と同等かもしれないが、中国での価格設定は顧客層が大きく異なることを示唆している。ポルシェの同等のモデルである「パナメーラ スポーツツーリスモ」や「タイカン クロスツーリスモ」は、トリムとパワートレインに応じて約100万8000元(約1980万円)から始まり、150万元(約2930万円)をはるかに超えるが、デンツァのモデルの価格は33万4800元〜41万4800元(約656万円〜814万円)とコスパがズバ抜けている。
デンツァは欧州向けラインアップの価格をまだ発表しておらず、その価格が注目されている。もしも大幅にリーズナブルになるようなら、ポルシェにとって脅威となるだろう。













