フェラーリは現在、プラグインハイブリッド・スーパーカー「296GTB/GTS」のパフォーマンスバージョンとなる、「296 GTB VS」(バージョン・スペツィアーレ)の公式発表を控えているが、直前に多くの偽装が剥がされたプロトタイプをスクープした。

2022年に発売された296GTBと296GTSは、伝統的なパフォーマンスと最新のハイブリッドテクノロジーを組み合わせた、フェラーリの新しい時代を象徴するモデルだ。V型6気筒エンジン搭載のフェラーリは、かつてディーノブランドで発表された「ディーノ206/246」以来で、フェラーリブランドとしては初となる歴史的モデルと言える。

マラネロで捉えたプロトタイプは、以前のプロトタイプよりも偽装が少なく、水平スラットを備えた新しいフロント「バンパー」のおかげで、1990年代から人気を博したマッスルカー、ダッジ「バイパー」のような雰囲気を醸し出している。
しかし、バンパーの後ろにスプリッターが隠れているように見えるため、バンパーは偽物の可能性もある。誤解を招くのはそれだけではなく、かさばるクラッディングと厳重にカモフラージュされたリヤエンドもそうだ。
フロントバンパーの最終形状は不明だが、おおよその開口部デザインがわかるほか、フェラーリブランドの黄色いキャリパーや、カーボンセラミックブレーキシステムを備えた軽量ホイールも見られる。
リヤセクションでは、滑稽なほど大きなリアスポイラーが装備されており、生産モデルではさらに大型のものが装備されることを示唆している。また通気孔が複数ある偽装バンパーの奥には、よりアグレッシブなディフューザーが装備されているはずだ。

フェラーリは296 VSの詳細については厳重に秘密にしているが、従来の「より軽量でよりパワフル」なレシピを踏襲すると予想される。おそらく、3.0L V型6気筒ツインターボエンジンと電気モーター、および小型バッテリーパックを組み合わせたアップグレードされたパワートレインが期待される。

この設定により、ベースモデルでは合計出力は830ps/610kW・最大トルク740Nmを発揮。0〜62mph(0〜100 km/h)は2.9秒で、最高速度は205mph(330 km/h)を超える。一方、このVSでは約70ps以上高くなる可能性があり、最高出力は900ps、あるいはランボルギーニ「テメラリオ」と並ぶ920psまで向上する可能性を秘めている。
296 GTB VSのワールドプレミアは2025年4月29日に予定されている。




