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居住性と積載性はゴルフRが上




GRカローラはカローラスポーツをベースとし、ゴルフRはゴルフをベースに高性能化されたスポーツモデルだ。
ボディサイズはGRカローラの方が全体的に大きいが、各寸法は数十mmの違いしかなくサイズ感は同等といえる。しかし後席空間はゴルフRの方が広く、とくに膝周り空間には明確な差がある。また、ゴルフRは後席にエアコン吹き出し口しっかりと備わっており快適性も高い。
さらにゴルフRは荷室空間でもGRカローラに勝る。GRカローラは補機バッテリーが荷室に移設されているためベースモデルよりも荷室容量が大きく削られており、両車の荷室容量は213Lと341Lで大きな差がついている。
ゴルフRは床面の高さが2段階で調整可能で、リアシート中央にはトランクスルーも備わるため長尺物の積載時も便利だ。使い勝手と居住性はゴルフRの方が圧倒的に優れている。
トヨタ GRカローラ RZ
ボディサイズ=全長4410mm×全幅1850mm×全高1480mm
ホイールベース=2640mm
車両重量=1500kg
タイヤサイズ=235/40R18
フォルクスワーゲン ゴルフR
ボディサイズ=全長4295mm×全幅1790mm×全高1460mm
ホイールベース=2620mm
車両重量=1510kg
タイヤサイズ=225/40R18
どちらも2ペダルのターボ4WD!性能はほぼ互角


1.6L3気筒ターボを搭載するGRカローラは、旧モデルから最高出力304psはそのままに、最大トルクが400Nmへ向上。2.0L4気筒ターボを搭載するゴルフRは、420Nmの最大トルクを維持しつつ最高出力が333psへと引き上げられた。
新型GRカローラは各部の剛性強化が図られたほか、世界トップレベルの変速速度を誇る8速AT「GR-DAT」モデルが追加された点も大きなトピックだ。4WDシステムは走行モードに応じて駆動力を適切に分配する「GR-Four」を搭載し、サーキットからダートまで高いパフォーマンスを発揮する。
一方、ゴルフRの変速機は0.03〜0.04秒の超高速シフトが可能なデュアルクラッチトランスミッションであり、4WDも電子制御式の「4MOTION」を搭載。さらに左右後輪の駆動力を自在に可変できる「Rパフォーマンストルクベクタリング」に加え、ブレーキ制御による姿勢コントロールとダンパーの減衰力などを含めて統合制御されることにより高いレベルで運動性能と安定性能を両立している。
GRカローラの0-100km/h加速タイムは未公開となっているが、5秒弱との噂がある。対するゴルフRは4.6秒だ。少なくとも加速性能に関しては、より高出力なエンジンを搭載するゴルフRの方が優れていそうだ。
トヨタ GRカローラ RZ
エンジン形式=直列3気筒ガソリンターボ
排気量=1618cc
最高出力=304ps/6500rpm
最大トルク=400Nm/3250〜4600rpm
トランスミッション=8速AT
駆動方式=4WD
フォルクスワーゲン ゴルフR
エンジン形式=直列4気筒ガソリンターボ
排気量=1984cc
最高出力=333ps/5600〜6500rpm
最大トルク=420Nm/2100〜5500rpm
トランスミッション=7速DCT
駆動方式=4WD
トータルパフォーマンスでGRカローラを上回るゴルフR


トヨタ GRカローラの価格は8速ATモデルが598万円、6速MTモデルが568万円となる。対するゴルフRの価格は709万9000円とGRカローラより約210万円も高額だ。
性能と価格に焦点を当てれば、GRカローラのコストパフォーマンスは破格といえるだろう。しかし実際問題、改良型GRカローラは入手困難な状況が続いている。その点、ゴルフRは高価であるものの入手性は高い。
両車は、よく似たディメンションのクルマでありスペックも非常に近いが、キャラクターはやや異なる。GRカローラは競技志向が強く、より尖った性能を持つ。一方のゴルフRはサーキット走行に対応できる性能を持ちながら、日常的な使い勝手も十分に高い。
特殊性や希少性、リセールバリューといった点も含めてGRカローラは非常に魅力的なクルマだが、乗用車としてのトータルパフォーマンスはゴルフRの方が確実に上だ。