【昭和100年】これは昭和車最後の輝きか? デザイン、走り、価格の三拍子がそろった若者のヒーロー:日産 シルビア(S13型)(昭和63年/1988年)【最終回】

2025年は昭和100年にあたります。そこで日本の自動車史を彩った昭和の名車を振り返ってみましょう。最終回は新時代のスポーツクーペとして高い評価を獲得した日産 シルビア(S13型)です。

PHOTO:NISSAN

シルビア K’s

日本初の屋根付き球場『東京ドーム』が完成し、青函トンネルや瀬戸大橋が開通、『となりのトトロ』が好評を博して子どもたちが「歩こう、歩こう」と元気に歌いながら行進していた昭和63年(1988年)に登場した日産シルビア(S13型)は、日本のスポーツカー史において特に革新的な存在でした。シルビアはスポーツカーとしての性能だけでなく、俗に“デートカー”と呼ばれた若者向けのカジュアルなスポーツクーペという位置づけで、スポーツカーの裾野を広げる1台となりました。

シルビア K’s

S13型は、特にそのデザインにおいて大きなインパクトを与えました。一見すると直線基調に見えつつも、随所に丸みを帯びさせたスタイリッシュな外観と、当時としては先進的なテクノロジー(エアロパーツ、電子制御など)の融合が特徴でした。また、直列4気筒ターボエンジンや、軽快なハンドリングが加わり、またたく間に若者たちを虜にしていったのです。

シルビア K’s

ホンダ プレリュードと並んで“デートカー”として一世を風靡したシルビアはその後、走りのポテンシャルを見出されてドリフト文化の発展に大きく貢献し、モータースポーツでも活躍しました。現代でもS13型シルビアは熱心なファンから愛され続けている名車となり、またその後のスポーツカーやコンパクトスポーツモデルに多大な影響を与えたのです。そして時代は昭和に別れを告げ、平成を迎えようとしていました。

1.8L エンジン

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