【プジョー5008オーナーレポートvol.6】

家族もドライバーも満足!プジョー5008に5名乗車で上信越道を走る……走りや乗り心地にACCの使い勝手は?【高速道路インプレッション】

前回は奥多摩のワインディングをメインにドライブを楽しんだが、今回は高速道路を走行。ひたすらまっすぐな関越道とカーブ多めの上信越道を走り、その乗り心地をチェックしてみた!
PHOTO&REPORT:佐賀山敏行(SAGAYAMA Toshiyuki)

我が家の移動はクルマが基本!

何度もここで書いているとおり、我が家は子供3人の5人家族である。5人で公共交通機関を使うと運賃はめちゃくちゃ高くなってしまうので、出かける際はほぼクルマに乗る。
普段の移動はもちろん、実家があった大阪に帰るときも、奥さんの実家がある長野県佐久市に帰るときも、旅行に行くときも(さすがに九州などは飛行機を使うが)、クルマ移動だ。

というわけで、我が家では長距離・長時間をクルマで過ごすのは当たり前。高速道路での快適性は非常に重要なポイントなのである。

ACCがあれば、どこまでも行ける!

3月下旬の某日、我が家のある東京都小平市から長野県佐久市へ帰省した。金曜の夜に出発し、日曜の昼に東京へ帰るという弾丸ツアーだ。
この春から一番上の子が高校生になり、二番目が中学生になり、子供たちはこれからどんどん忙しくなるだろう。だから、帰れるうちに帰っておこうというわけである。……と、そんなことは今回の本題ではない(笑)。

そう、本題は「高速道路レポート」である。

圏央道~関越道~上信越道が我が家の定番ルートだ。

小平市西部にある我が家から佐久市への高速道路のルートは、圏央道・入間ICから関越道方面へ向かい、鶴ヶ島JCTで関越道に入って北上、藤岡JCTで上信越道に入り、佐久ICで降りるというもの。入間ICから佐久ICまで約140km。延々と続く直線あり(関越道)、碓氷峠の急坂や連続コーナーあり(上信越道)と、走りごたえのあるルートだ。

というわけで出発! 今回は高速道路のレポートなので、自宅から圏央道・入間ICまでのレポートは割愛する。

3月下旬の某日、夜の上信越道・横川SA(下り)。

入間ICから圏央道に入り、まずは関越道方面に進む。僕の5008は前車追従型のACC(アダプティブクルーズコントロール)を装備しているので、高速道路に乗ると迷わずACCをON!! 僕のようにいつでもどこでも、どこまででもクルマで出かける人間には、これほどありがたい装備はない。なかには(この連載の担当編集者O氏のように)「ACCはクルマを運転している気にならない。クルマ(特に愛車)というのは“自分で運転”しないと!」なんて言う人もいるが、いやいや一度このラクさを味わってしまうと「そんなことはもうどうでもいいのだ♪」と、THE BLUE HEARTSの『1000のバイオリン』の一節で反論してしまう僕なのである。

ACCは一度使うとやめられない!! 速度上限を設定できるので、安全運転にもなる!(※撮影は助手席の奥さんによるもの)

ちなみに以前乗っていたランドクルーザープラドにもACCが装備されていたが、こちらは40km/hを下回ると解除されるシステム。
渋滞で前が詰まると解除されてしまうのが不満だった。だって、ACCってノロノロ渋滞のときこそが本領発揮。だらだらと前についていってくれるのが嬉しいものでしょう?

5008の前に乗っていたランドクルーザープラド(2020年式)。

対して5008は0km/hまで対応。完全停止してから数秒で解除するシステムのため、渋滞で車列が完全に止まっていない限りは前のクルマについていってくれるのだ。これはACC全肯定派の僕としては嬉しすぎる装備といえる。2018年式プジョー5008が2020年式トヨタ・ランドクルーザープラドに優っているポイントのひとつといえよう!

ただし、ご存知のようにクルーズコントロールはブレーキを踏むとシステムを解除してしまう。前が詰まっているのに、ブレーキを踏まずにクルマを信じ続けるというのは、なかなか勇気がいるもの。慣れないうちはついついブレーキを踏んでしまってシムテム解除……その後、ノロノロ渋滞を自分でアクセル&ブレーキ操作をしながらついていくという羽目に何度も陥ってしまった。

以前の5008(ミニバン)は気づいたらなかなかのスピードで走っていることもあった。だけど今の5008(SUV)ではACCを常用するので、そんな心配はない。(※撮影は助手席の奥さんによるもの)

もちろん、ACCをはじめとする運転支援システムの過信は禁物なので、これは正しい判断なのだが……「なんだかなぁ」という想いで渋滞にハマったことは一度や二度ではない(苦笑)。
ちなみに今は、前が詰まってきたら「我が5008は前車を認識しているか?」「適切に減速しているか?」などをしっかり確認して、渋滞中もACCを継続。渋滞ライフを満喫している(笑)。

直進安定性の高さはやっぱりSUV離れしている!

鶴ヶ島JCTで関越道に入る。東京と新潟を結ぶ関越道は、南北にひたすらまっすぐ伸びる。特に関越トンネルに差し掛かるまで(つまり関東平野部)はホントーにまっすぐな道のりなのだ。

プラドの前に乗っていた5008(ミニバンタイプ)は直進安定性が素晴らしく、気づいたら想定以上のスピードが出ていたなんてことがあったのだが、こちらの5008も同様。関越道のまっすぐな道を抜群の安定感で走っていく。
ただし先述のとおり、高速道路に乗ると僕はすぐにACCを設定するので、以前の5008のように「気づいたら速度が……」なんてことはない。安全な速度でドライブを楽しんでいる。

プラドの前に乗っていたミニバンタイプの5008(2013年式)。

話を戻すが、5008はSUVとは思えないほどの安定感が素晴らしい。まぁ、SUVとは思えないほどの車高でもあるのだが(苦笑)。
しかも、近年はその独自性が薄れたと言われているが、それでもやっぱり猫足は健在だ。道路のギャップは気にならず、ソフトにクリアしていく。ACCの楽さも相まって、休憩なしでどこまでも走っていける(それでも2時間ごとに休憩はしましょう!)。

我が家の3人娘はすっかりプジョー好きになってしまった。

5008はガソリンエンジンなのでディーゼルターボのプラドと比較するのは申し訳ないが、車内もめちゃくちゃ静か。
この快適さと静かさを喜んでいるのは、じつは後部座席に座る子供たち。そのあまりの違いによって、今ではすっかりプジョーファンとなってしまっている。先日、「次はランクル250にしようかなー」と言ったら、3人揃って反対されてしまった(苦笑)。

碓氷峠もなんのその!

上信越道は群馬県から長野県、そして新潟県へ抜ける高速道路である。トンネルも多いが、それでも山間を縫うようにして道路が建設されているため、コーナーも多い。しかも群馬県と長野県の県境にある碓氷峠周辺は急坂になっていて、コーナーも高速道路にしては急なものが多い。関越道からはガラッと雰囲気を変えるのだ。

3月下旬の某日、昼下がりの上信越道・横川SA(上り)。

コーナリングに関しては前回記事で書いた通り。奥多摩のワインディングを快適に楽しく走れるのだから、当然高速道路のコーナーも快適だし、それなりの速度で進入しても不安感はない。SUVというよりもちょっと大きめのステーションワゴンのような5008は安定してコーナーをクリアしていく。

家族は快適だし、運転も楽しいし。うん、やっぱり5008はクルマ好きにとって最高のファミリーカーだなと、ここでも再認識させられた。

急坂も高速コーナーも快適!(※撮影は助手席の奥さんによるもの)

碓氷峠の急坂も、家族5人が乗った状態でもパワー不足を感じることはなかった。軽自動車やトラックが登坂車線に入るなか、それらを尻目にぐんぐん加速していく。もちろんエンジン回転数はやや高めだが、それでもエンジンが唸る感じはなく、いたって普通。

当然、ディーゼルターボのプラドのように有り余るトルクで登っていくわけではないが、そもそも5008は1.6Lガソリンターボなので比べるのが野暮ってもの。むしろ十分すぎるパワーだといえるだろう。

追い越し車線用の速度標識を本線で認識!?

以上のように高速道路でもいたって優秀な我が5008。運転して楽しく、同乗者も快適。家族も長距離移動をまったく苦にしていない(慣れているだけ?笑)。
プラドを購入した2020年末はコロナ禍真っ只中で、結局3年間で思った以上に出かけることはできなかった。しかし5008では思いっきり遠出しまくりたい!! と思っている次第だ。

と、ここまで褒めちぎったあとに、最後に細かい不満点。
5008には速度標識を読みとる機能があるのだが、この精度がかなり微妙。インターチェンジやサービスエリアの合流車線にある「40km/h」の速度標識を、本線を走っているときに読み取ることがあるのだ。

加速車線の速度標識を読み取るのはやめてほしい(笑)。

まぁ、それを読み取っても実際の車速が落ちるわけではないので、実害はないのだが……。でも、なんだか5008に「速度違反してるよね?」って言われているみたいで、気持ちがよいものではない(苦笑)。

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著者プロフィール

佐賀山敏行 近影

佐賀山敏行

学生時代からの乗り物好きが高じて、 雑誌『カスタムバーニング』やムック『ハーレー・バガースタイル』な…