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■ロードスター・パーティレース開催
2002年(平成14)年5月5日、マツダのレース仕様車「ロードスターNR-A」によるJAF公認NR-Aカテゴリー(ナンバープレート付車両によるレース)のワンメイクレース“ロードスター・パーティレース”が初めて開催された。ロードスターNR-Aは、手軽に参加できるモータースポーツ入門用のベース車である。

ロードスターNR-Aのベースとなった2代目ロードスターNB
1989年にデビューした初代ロードスター「ユーノス・ロードスター(NA型)」は、現在もマツダで継承されている開発コンセプト“人馬一体”をベースに開発された第1弾のモデルだ。リトラクタブルヘッドライトを装備した、能面“若女”をモチーフにした和のテイストを生かしたオープンスポーツで、コンパクトな軽量ボディが特徴だ。

パワートレインは、最高出力120psを発揮する1.6L直4 DOHCを縦置きしたフロントミッドシップで、トランスミッションは5速MT、遅れて4速ATも追加された。重量を車体中央に集中させた50:50の理想的な前後重量配分と軽量化ボディによって、レスポンスに優れた走りと高いハンドリングが楽しめた。
初代ロードスターは、斬新なライトウェイトスポーツのオープンモデルとして国内外で大ヒット、世界中でライトウェイトスポーツ旋風を巻き起こした。

そして、1998年に初めてのモデルチェンジで2代目(NB型)へと移行。基本的には、初代のキープコンセプトだが、リトラクタブルヘッドライトから固定式ライトに変わり、各機能がブラッシュアップされた。パワートレインは、1.8L直4 DOHCと6速MTの組み合わせで、最高出力は160psまで向上。さらに、ターボエンジンの追加によって最高出力は172psに達した。
2代目ロードスターも引き続き高い人気を獲得。2000年には、英国のMGBを抜いて“2人乗り小型オープンスポーツカー”として生産累計台数53万1890台で世界一となり、名実ともにライトウェイトスポーツを代表するクルマとなったのだ。
モータースポーツ入門用のレース仕様NR-Aを追加
2001年12月、マツダはロードスター(NB型)にモータースポーツの入門用ともいうべき新グレード「ロードスターNR-A」を追加で設定した。

ロードスターNR-Aのパワートレインは、最高出力125ps/最大トルク14.5kgmを発揮する1.6L直4 DOHCエンジンと5速MTの組み合わせ。サスペンションやブレーキを強化するとともに、ラジエターの拡大などが実施された。

さらに、ビルシュタイン製ダンパー、フロントサスペンションタワーバー、フロント大径スタビライザー、大径ブレーキ、15インチタイヤ、専用アルミホイールなど、レース用装備を標準で備える。内装には専用メーター、ナルディ製ステアリングホイール、赤色のシートが採用された。

ロードスターNR-Aは、公道走行はもちろん可能だが、ディーラーオプションのマツダスピードNR-A パック(6 点式 ロールケージ、4 点式シートベルト/シートベルトアンカー、前後大型牽引フック)を装着すれば、JAF公認 NR-A カテゴリー(ナンバー付車両によるレース)のロードスターワンメイクレースに出場可能となる。車両価格は、204.8万円に設定された。

現在も続く日本で最も歴史の長いワンメイクレース

ロードスターNR-A発売の翌2002年5月のこの日に、ロードスター・パーティレース第1戦が筑波サーキットで開催され、この年には7月、9月、11月の計4戦が行なわれた。


ワンメイクなので、基本的には参加者全員が同じ条件で戦える、すなわちドライバーの腕が試されるので、ライトウェイトスポーツのロードスターを操る楽しさやドライバーの技が勝敗を決するレースとしてアマチュアレーサーに定着。現在も続く、日本で最も歴史の長いワンメイクレースのひとつである。


出場するには、JAF認定A級ライセンスが必要だが、工具などレース用具一式をレンタルする「手ぶらレースパック」(料金は1万円)“もあり、レース初心者でも参加しやすくなっている。ロードスターが大好きで腕に自信のある人は、“週末レーサー”になれるのだ。

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ワンメイクレースは、1981年の「シビックワンメイクレース」や「スターレットワンメイクレース」から始まり、以降ヒットモデルの多くはワンメイクレースを企画するようになった。現在のロードスター・パーティレースは、相変わらずのロードスター人気を背景に、ロードスターの3代目(NC型)と4代目(ND型)をベースにしたロードスター・パーティレースIIIへと進化して、2025年現在でも人気レースなのだ。
毎日が何かの記念日。今日がなにかの記念日になるかもしれない。